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第3421話 武雄達、王都守備隊と会食に。(魔王国王軍と見比べると足らない物が多いね。)

第八兵舎内の食堂。

仮眠を終えた武雄とエリカ、試験小隊の面々と王都守備隊が一堂に会し、食事をしていた。

要は王都守備隊からの細やかな歓迎会が行われていた。

武雄の隣にはエリカとマイヤー、そして王都守備隊各分隊長達がおり、他の面々は散り散りに座り、王都守備隊員と歓談をしている。

王都守備隊総長を含めた数名は欠席で仕事をしている。


「いやぁ、ゴドウィン伯爵の報告書を見ましたが、キタミザト殿の見識と行動は凄いですね。」

「発想は出来ても、実施まで日数が足りません。」

「敵前で穴を掘るとは・・・良くぞ伯爵方も決断されましたね。」

分隊長達が武雄に言ってくる。

「いやいや、あれはオーガだから出来たのですよ。

 これが王都守備隊や王都の騎士団相手なら通用はしなかったでしょうね。

 マイヤーさん、その際は近寄ってこないでしょうかね?」

「そうですね・・・少なくとも想定と違う戦場になっている時点で攻撃中止でにらみ合いを進言しますね。

 人員の損耗は控えるべきですから、一度、仕切り直して、もう一度でしょう。」

マイヤーが言う。

「仕切り直されたら、もう1か月ぐらいは戦場でしたかね?」

「かもしれませんが、今回の魔王国の貴族方はそうならなかったのですよね。

 王軍はわかりませんが・・・慣例の戦争にも居た王軍は微動だにしなかったですね。」

「・・・まぁ、その後、魔王国へ出張した際に、王軍は動く気なかったと言われましたからね。

 アズパール王国(こっち)の感覚だと、3伯爵で実施している慣例の戦争に王都守備隊と第1騎士団が観戦に来ているようなものでしょう。

 地方領主としてはやり辛かったでしょうね。」

マイヤーの言葉に武雄が呆れながら言う。

「そういえば、陛下が王都守備隊(我ら)にキタミザト殿は魔王国とデムーロ国の本気の戦争の観戦に行かれたと言っていましたが、どうでしたか?」

分隊長が聞いてくる。

「今日の陛下との打ち合わせ時に提出してきますので、その後、報告書を読んでみてください。

 それとベイノンさんとブレアさんに聞いた方が良いかもしれませんね。

 私としては、特に何か言うなとは言っていないので・・・いや、ちょっと政治的な事もあったかな?

 まぁ・・・2人ならその辺はわかるか。

 マイヤーさん、一応、懇談会みたいな物があるのなら立ち会ってください。」

「わかりました。」

マイヤーが頷く。

「ま、私と魔王国とのやり取りは、うちの試験小隊員達も聞きたがらないですから。

 ・・・・王都守備隊の方々が気になるのであれば、話しても良いかもしれませんね。

 初めて興味を持ってくれて感謝」

「いえ、大丈夫です。

 そういったキタミザト殿の領分を犯すようなことを我々はしませんし、お話しされなくて結構です。

 その辺は陛下にご報告願います。」

他の分隊長が言う。

「・・・マイヤーさん、誰も聞いてくれない。」

武雄が悲しそうな顔をマイヤーに向ける。

「当たり前です。

 所長の近くに居るのは、分隊長達ですよ?

 その辺の事はしっかり出来る者達です。

 それに所長が嬉々として話したがる内容程、聞く方としては危険だという予感がバシバシするのでね。」

「・・・はぁ・・・この後、陛下にいっぱい話してきます。

 と、まぁ、聞きたいのは魔王国の王軍関係の話でしょうか。」

「はい。」

分隊長が頷く。

「戦闘部隊の詳しい事はベイノンさんとブレアさんに聞いて貰うとして・・・私の感想としては、組織としての戦争が上手いかな・・・」

武雄が考えながら言う。

「タケオさん、組織というか部隊で戦闘をするのは王都守備隊でもしますよね?

 それと違いますか?」

エリカが聞いてくる。

「うーん・・・たぶん、魔王国王軍の1個小隊20名程度なら王都守備隊の各分隊と実力的に差はないと思います。

 ですが、10000名の動きとなると・・・現状では、アズパール王国(我が国)では、勝負にならないでしょうね。」

「キタミザト殿としては難しいと?」

分隊長が聞いてくる。

「残念ながら、どう贔屓目に見てもね。

 各々の部隊の行動計画の綿密さ、事態が動いた場合の各部隊長の判断力と上位への報告の迅速さ、そして上位陣の決断力と穴埋めする為の他部隊への指示の的確さ・・・

 ・・・うん、無理でしょうね。」

武雄が言う。

「まぁ、報告書を見た私の意見としては、王都守備隊が頭になって、第1騎士団、第2騎士団、全王都の壁、西側貴族領軍への指示と動きの徹底をさせているようなものですよね。

 魔王国各王軍も役割がまちまちなのに、1つの意思で動いているような感覚でしたね。

 常日頃の訓練の賜物なのでしょうけど・・・」

マイヤーが言う。

「魔王国の上層部は連日会議をしながら各々の動きを確認、指示をして、役割を全うしていましたね。

 王都守備隊が頭になったとして、連日の会議程度で、他の面々が指示に従うのか・・・」

武雄が言う。

「無理とは言いませんが、何かしら綻びは出るでしょうかね。」

分隊長が言う。

「その綻びが戦線の破綻に繋がる事にもなるだろうな。」

マイヤーが言うのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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