第3418話 試験小隊の雑談。(子供達に教育を。)
王都守備隊の第八兵舎内第3会議室。
試験小隊の面々と初雪、リーザが居た。
「所長とエリカ殿は早々に部屋に籠られましたね。」
パメラが言う。
「まぁ、この後、夜には陛下と会談だからな。
明日の朝までかかるかもしれないから寝ておくのはしょうがない。」
オールストンが言う。
「まぁ、寝るとは言え、夕食までだから仮眠だろうがな。」
ブレアが言う。
「初雪殿、所長の部屋周辺の監視をお願いします。」
マイヤーが言う。
「はい、武雄とエリカの部屋に近づく者が居たら知らせます。」
初雪が言う。
「さて、今後の予定だが」
マイヤーが言い始めると会議室の扉がノックされ、フォレットが入ってくる。
「失礼しまーす。
隊長からこっちに来るようにと言われました。」
「流石に早いな。」
マイヤーが頷く。
「同じ兵舎内だからですね。
それにすぐ出来る事という事でしょう。」
アンダーセンが言う。
「??・・えーっと・・・何をしますか?」
フォレットが聞いてくる。
「うん?第二情報分隊長のラックに言われなかったか?」
マイヤーが聞く。
「はい、ここに行けとだけ。」
「そうか、まぁ座れ。」
「はい、失礼します。」
フォレットが座る。
「フォレットにお願いしたいのは、うちの隊の子供達4人に異性への対処方法を教えて欲しい。」
アンダーセンが言う。
「・・・・・・はぃ?」
フォレットが真顔で首を傾げる。
「第二研究所は扱う物が物だから、悪意を持って近づいて来る者が居るだろう。
男性には女性が、女性には男性が。
特にハニートラップを仕掛けられる可能性は高い。
この子達はまだ恋愛未経験に近いから、色恋沙汰に耐性が無い。その辺の機微を教えてくれ。
どういった事が危ないのか、どういう風に口説いて来て、誘惑しようとするかとか・・・口頭講義で構わない。
知識として持たせてやりたい。」
アンダーセンが言う。
「・・・・・・・・・わかりました。」
フォレットが苦々しく頷く。
「うん、ではお願いしようか。
ま、私達は聞かない方がフォレットも講師をやりやすいだろう。
・・・1時間半くらい外に居る。
よろしく頼む。
では。」
マイヤーが言うと、ベテラン達が席を立ち、会議室を後にする。
「フォレット殿、よろしくお願いします。」
ミルコが純真そうな目をさせてフォレットに言う。
「うぅ、そんな目を向けないで・・・
はぁ・・・わかりました。
では、1時間程度ですが、恋愛詐欺等の手口や恋愛の危険性について、講義します。」
フォレットが諦めながら自身の心にぶっ刺さる話をし始めるのだった。
・・
・
第八兵舎内の食堂。
「・・・おや?マイヤー達はここで雑談ですか?」
人間大のパナが空の小瓶を持ってやってくる。
「あ、パナ殿、所長達は寝ましたか?」
「ええ、もう少ししたら寝るでしょう。
そっとしておいてください。
夕食も少し遅くで・・・夜7時くらいでお願いしたいですね。」
パナが言う。
「わかりました。
総監局に連絡を入れておきましょう。」
アンダーセンが頷く。
「今、子供達にフォレットが講義をしているので、我々はこっちに来ているのです。」
「そうでしたか。
ブルック、タケオが14日にある授与式後に、同期を誘ってラックの店に呑みに行くと言っています。
ラックに予約をお願いします。
ジーナが伝えると言っていましたが、フォレットが居るのなら、ラックも居そうなので予約をお願いします。」
「了解しました。」
ブルックが頷く。
「それと、タケオがブリアーニ王国から輸入するシュワシュワな白ワイン『白き妖精』をラックの店に売り込むと思います。
その辺の事前情報も与えておいてください。」
「わかりました。
なら、アーキンは総監局に、私はラック隊長に報告してきます。」
ブルックがそう言い席を立ち退出する。
アーキンも席を立ち出ていく。
「そういえば、パナ殿は食堂に何しに?」
「空き瓶を捨てに。
洗って捨てようかと。」
「そうでしたか。
水は私どもで用意し、洗って捨てておきます。」
マイヤーが言う。
「そうですか。
なら、お願いします。」
パナがマイヤーに空き瓶を2本渡す。
「では、私はタケオの元に戻ります。」
パナが消える。
「さて、洗うか。」
「いやいや、マイヤー殿、私が洗って捨てます。」
アーリスがそう言って、マイヤーから小瓶を受け取り、洗いに行く。
「さて、今日の予定はこれで終わりそうだな。
所長は今日の夜から授与式まで王城内しか行かないだろう。
アンダーセン、試験小隊の予定はどうする?」
「今の所、王都守備隊の朝の訓練に参加する以外は何も決めていません。
15日の王立学院と魔法師専門学院は同行したいですが、半数ずつに分けますか。
今年入ってくる者達との会議を夕食前に入れたいです。」
アンダーセンが予定表を見ながら言う。
「うーん・・・王立学院と魔法師専門学院がどのくらいで終わるかだなぁ。
まぁ、予定は入れておこうか。」
マイヤーが頷くのだった。
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