第3416話 武雄達は第3皇子一家にご挨拶に。(ヒナが異様に緊張しているよ。)
第3皇子一家の執務室。
ウィリアム達とアンが、武雄達の訪問を受けていた。
「エリカさん、さっき出て行ったのに、もう帰ってきた。
イチャイチャしなよ。」
レイラが言う。
「はは・・陛下からの通達で、タケオさんの召集が夜の10時となっています。その・・・夫婦のコミュニケーションをとる暇も無く、タケオさんはこの後直ぐ仮眠をする事になっています。」
エリカが苦笑する。
「えー?・・・お義父さまも無粋なんだから・・・せっかくの久しぶりの夫婦の再会なんだから、2人きりにしないといけないのにね~。」
レイラが呆れながら言う。
「まぁ、でもタケオさん、人気だから今日ぐらいしかお義父さまとゆっくり話が出来ないんでしょう?」
アルマが呆れながら言う。
「父上は早めの夕食後に仮眠に入られるよ。
さっき話してきたけど、父上はどんより、宰相はにこやかにしていたかな?」
ウィリアムが言う。
「・・・はぁ・・・まぁ、話さなければならない事は多いでしょうからね。
私もあまり身構えずに臨みます。」
武雄が言う。
「タケオさんからやる気が感じられませんね。」
レイラが言う。
「国王陛下からの呼び出しを楽しみだという人は、そうはいませんよ。」
武雄が苦笑しながら言う。
「タケオさんがね・・・厄介事?」
レイラが聞いてくる。
「おや?わかりますか?」
「タケオさんが嬉々としていない時は、タケオさん的に旨味がないのでしょうからね。
タケオさんの実入りがあるのなら嬉々として報告するでしょうし。」
「あー、確かにね。
これまでタケオさんは、楽しそうにお義父さまに報告をしに行って、その後、私達が呼ばれたらお義父さまが打ちひしがれている事ばかりだったからね。
今回はタケオさんのやる気が感じられないから、あまり良い話ではないのかもね。」
レイラとアルマが言う。
「・・・どんな風に私を見ていたんですか・・・
まぁ、今回も話しておかなければいけない事案をそれなりの件数で持ってきています。
詳しい内容は陛下からお聞きくださいね。」
武雄が言う。
「「はーい。」」
アルマとレイラが頷く。
「で、内容は言えないにしても、父上と話す内容は、政治的に難しい事ですか?」
「さて・・・陛下の度量が広い事を願うのみですよ。
ダメならダメでやりようはありますから、そこまで切迫はしていません。
まぁ・・・陛下は文官方に説明するのが大変でしょうが、何とかして貰いましょう。」
ウィリアムの問いに武雄が言う。
「・・・外交的な何かですね。
僕はタケオさんと父上の会談後に呼ばれるでしょうが、心積もりをしておきます。」
ウィリアムが言う。
「さて・・・で、こっちの子達がヒナとエドワードですか。」
「タケオさん、エドワードからお願いします。」
アルマが言う。
「はーい。」
「ふぇ・・・」
武雄がエドワードを抱くとエドワードが泣きそうな顔をする。
「大丈夫、大丈夫。
ほら、お母さん、こっちだよ~。」
武雄が背中を軽くポンポン叩きながら優しく言う。
「・・・」
エドワードがアルマを見ながら武雄に抱かれている。
「あまり抱いていると泣きそうなので、アルマさんに渡します。」
「はーい。
エドワード、これがタケオさんだからねー。」
アルマがエドワードを受け取る。
「じゃ、タケオさん、ヒナです。
いつもは違うんだけど、今日はなんか緊張しているのよ。」
レイラがそう言って、武雄にヒナを渡す。
「・・・初めてですからね。」
と武雄は言うが「物凄く体に力が入っているようにも見えるんですが?」と思いながら抱く。
「おー、エドワードと違って、こっちはムッチムチかな?
少し重いですかね。」
「あー、ヒナは毎日、起きている時は手足をバタつかせて運動しているからエドワードより筋肉付いているかも。」
レイラが言う。
「タケオ、そのままで居てください。」
パナが人間大で現れ、ヒナを観察する。
「パナ、何かありますか?」
「・・・いえ、随分と筋肉質だなぁと。
レイラ、母乳の飲む量はどうですか?」
パナがレイラに聞く。
「え?そうですね・・・比較がエドワードしかいませんが、少し多いくらいかと。
運動しているからなのか、排泄関係は少し多いかも。
でも、母乳も睡眠も運動も特に我慢しているようではないです。」
レイラが言う。
「ふむ・・・エドワードは、あまり手足を動かさないですか?」
パナがアルマに近づき、エドワードを見ながら言う。
「はい、ですが、保健や乳母達の話での内容程、運動しない訳ではないです。
ヒナが毎日バタバタ動いていますが、エドワードは休みながら気が向いたら動いている感じです。」
アルマが言う。
「ふむ・・・タケオ、2人を抱いた感想は?」
「いえ、幼児ですので、特には・・・
『こんなもんじゃないかなぁ?』程度にしか思っていません。
まぁ、エドワードは、泣きそうになりましたし、ヒナは緊張していますね。
王城に滞在中に仲良くなれれば良いかなぁと思っていますよ。」
パナの問いに武雄が答える。
「そうですか。
なら、初対面はこれで終わらせた方が良いでしょうね。
ヒナが体を強張らせて緊張させていますから。」
パナが言う。
「そうですね。
私達は仮眠に戻って、また陛下の所に出向きます。」
武雄がレイラにヒナを渡しながら言う。
「うん、わかりました。
父上との会談、頑張ってください。」
ウィリアムが言うのだった。
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