第3415話 まずは予定の確認を。(中々に詰まった予定になっています。)
王都守備隊 第八兵舎内 武雄とエリカに割り振られた貴賓室。
武雄達は到着後、すぐに王都守備隊総長に簡単な挨拶をし、今は武雄、エリカ、ジーナ、マイヤーがソファに座り、今後の予定を確認しようとなったのだが。
「な!何これ!!?」
武雄がジーナから受け取った陛下から渡された予定表を見て驚いていた。
ちなみにここにいる面子以外は各部屋の室内点検を実施し、休憩に入っている。
ヴィートは各部屋に挨拶に行っている。
「・・・夜10時と書いてありますね。」
武雄の隣に座るエリカが武雄が見ている予定表を見ながら言う。
「ふむ・・・陛下が所長の話を夜通し聞きたいという期待の表れでしょう。」
マイヤーが心にもない事を言う。
「・・・マイヤーさん、同席ね。」
「謹んでお断りします。
陛下と所長が心置きなく話せるようにとの配慮です。
それに私も年ですからね。
旅程も王都に到着して一区切りつきましたから、がっつり9時間は寝たいです。」
マイヤーが言う。
「・・・私も寝たいですが、はぁ・・・陛下からの要請ですから致し方ないでしょうか。」
武雄が早々に諦める。
「一応、ご主人様と陛下とでとありますが、私もご一緒しようかと思います。
お茶の用意、入れ替え等のお世話は私が務めます。」
ジーナが言う。
「それが良いですね。
今回も秘匿性の高い報告が多いでしょうから、会談中のお茶や菓子のサーブはジーナ殿が適任でしょう。
私は兵舎でタケオさんの帰りをお待ちします。
夕食はマイヤー殿達と済ませますから、ご心配なく。
カトランダ帝国からこの国へ来る時にマイヤー殿達とは同行しましたし、エルヴィス殿が登城した際にも会っていますから、色々話せそうですし。」
エリカが言う。
「はぁ・・・エリカ、すみませんね。
マイヤーさん、お願いします。」
「はい、畏まりました。
ブルックに言って、対応させます。」
マイヤーが言う。
「こちらも問題ありません。」
エリカが頷く。
「ジーナ、陛下や第3皇子一家への挨拶に向かわなくて平気ですかね?」
武雄がジーナに問う。
「はい、オルコット宰相より・・あー、アン殿下が第3皇子一家の所でご主人様の到着を待っておいでです。
陛下への挨拶は不要ですが、第3皇子一家の方には必要かと。」
ジーナが答える。
「ならば、ジーナ達と一緒に第3皇子一家の所に挨拶に伺った後、私は戻ってきて寝た方が良いという事ですね。」
「あ、ならば、私も一緒に第3皇子一家の所に同行してからタケオさんと一緒に此処に戻り、ジーナ殿はヴィート殿と王城内の挨拶回りと寄宿舎へという流れが良いでしょうね。」
武雄とエリカが言う。
「はい、では、エリカ様の案で動きます。」
ジーナが言う。
「エリカ、ありがとうございます。」
「いえいえ、平気ですよ。
で・・・王城の予定はざっくりとこうですが、タケオさんはどうしますか?」
「今日11日は陛下と深夜の会談。
明日12日、明後日13日は王城内の各局で打ち合わせ。
14日は授与式と・・・夜は出来たら同期で飲みに行きたいです。
ほら、前に陛下とも行った女性が居る店、ジーナは知っていますね。」
「はい、ラック隊長の所ですね?
予約を入れておきます。」
「うん、お願いします。
同期達には・・・うーん・・・明日にでも廊下で誰かに会うだろうから、その同期に連絡をお願いします。」
「わかりました。」
ジーナが頷く。
「15日は王立学院と魔法師専門学院に行って、聞き取り調査。
あと臨時でキティさんと打ち合わせかな?」
「わかりました。
それは・・・エイミー殿下に私から伝えます。」
武雄の言葉にジーナが頷く。
「16日、17日、18日は外出。」
「外出?」
ジーナが首を傾げる。
「はい、試験小隊皆と王都西の宿屋に行って、カレー打ち合わせと1泊。
その後、リツの所に行って歓談と1泊。」
「・・・わかりました。宿の方には、16日に打合せで訪問する旨の連絡と、当日の宿泊予約を入れておきます。
実は、第2皇子一家に向かう際に、向こうの支配人様にはご主人様が王都に来る機会に合わせて訪問させて頂くかもしれないという話は通してあります。
なので、おそらくは問題無いと思われます。」
ジーナが言う。
「うん、流石、ジーナ。 ありがとう。
予約はお願いします。」
「はい、畏まりました。」
ジーナが頷く。
「19日を休養日とし、20日にエルヴィス伯爵領に向け出立。全員が馬で移動。
エルヴィス伯爵邸到着を24日とします。
これが現時点の予定です。
マイヤーさん、補足を。」
武雄が言う。
「そうですね・・・全体の行程に問題ありません。
行きは休養日1日を入れて6日、帰りは休養日なしで5日は了解です。
所長、予備日はありませんが、何か急ぎの都合がありましたか?」
マイヤーが聞く。
「25日はブリアーニ王国に行っていた商隊が帰還する日になります。
向こうから持ってくる商品があるので、その立ち合いですね。
出来れば立ち会いたいとは思っていますが、無理な移動もしたくないので、何かあった場合には到着が1日、2日遅れて構いません。」
「あ、そうでしたね。
わかりました。
雨や不測の事態があれば、到着の延期を含めて柔軟に対応します。」
マイヤーが頷く。
「・・・わかりました。
では、総監局にその旨をお伝えして、予定を確定させます。」
ジーナが言うのだった。
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