表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3432/3610

第3413話 436日目 準備は出来た。(ジーナ、最後のお見送り。)

寄宿舎の玄関前のフリースペース。


「では、スミス様、行ってらっしゃいませ。

 夕方には後任の者から引継ぎの挨拶がありますので、よろしくお願いします。」

ジーナが言う。

「うん、わかりました。

 1年足らずだったけど、お付きの仕事ありがとう。」

スミスが言う。

「はい、いってらっしゃいませ。」

ジーナが頭を下げると、スミスがグレース達と玄関を出ていく。


「さて。」

スミスの姿が見えなくなるとジーナは頭を上げ、寄宿舎を管理する職員達のもとへ挨拶に向かう。

・・

職員達の執務室からジーナが出てくる。

「失礼します。

 さ、王城に向かいましょうか。」

「だねー。

 職員さん達に労われたね。」

チビパラスがジーナの肩に乗りながら言う。

「皆さん、私達の事を良く見ていらっしゃいます。

 たぶん、グレース殿下の件も把握しているでしょう。」

ジーナが玄関を出ていく。

「あー・・・エイミーが報告しないであげてるのにね。」

「エイミー殿下が何も言わないから王城は何もしないのでは?

 エイミー殿下の言では、元々、こういった事は含まれると言っていましたし。

 大人達は静観の構えなのでしょう。」

「自己責任ね。」

ジーナの言葉にチビパラスが頷く。

「はい、報告は上がっているでしょうし、陛下も承知しているでしょうね。

 アズパール大公やボールド学院長殿は胃を痛めているかもしれません。」

「そういえば、ロロは誰に引き継ぐの?

 ヘビと話せるの獣人系だけでしょ?」

「獣人でも話せる者と話せない者が居ますが・・・ヴィートに引き継いで大豆を渡せば、寄宿舎で悪さしないという契約に変更ですかね。」

「ヴィートかぁ、スミスだとマリが居るから何があっても大丈夫だと思うけどね。」

「んー・・・まぁ、そちらの方が安全かも知れませんね。」

ジーナが考えながら言う。

「ヴィートに大豆を買ってきて貰って、スミスがあげるのね。

 マリに聞いてみる。

 ・・・うん、マリから『大蛇伝説には関与していないが、何とかする』だって。」

チビパラスが言う。

「何とかなるなら、今の所は、その予定で行きましょう。」

「あ、エリカから伝言来たよ。

 『外出準備完了』だって。」

「今向かっていると連絡を。」

「はーい。」

チビパラスが返事をするのだった。


------------------------

第3皇子一家の執務室。

ウィリアムは退出しており、アルマは昼寝中、レイラとアンがヒナとエドワードを見ていた。


「エリカ、ジーナから『向かっている』との事です。」

ペイトーがエリカに言う。

「わかりました。

 レイラ殿下、今日は私用で早退します。」

「はーい、夫婦で楽しんでねー。

 とはいえ、タケオさんが王城で会議に臨んでいる間はこっちに来るんでしょ?」

「まぁ、仕事もありますので。」

「じゃ、問題ないね。」

レイラが頷く。

「今日は、久しぶりにタケオさんが登城するんですね。

 王城内の雰囲気がピリッとしています。」

アンが言う。

「まぁ、タケオさんが初登城した時はパットが盛大にやらかして、その勢いのまま貴族が数家潰れたし。

 報復で、第2騎士団はアリスにボッコボコにされたし。」

「私も居ましたけど、良く考えれば、あの時、クゥ殿が居たのでタケオさんの号令で成獣状態で暴れることも考えられましたよね。」

「そうね。

 タケオさんの知り合いが王城に来る時はリーザ殿やビエラ殿といったドラゴンが一緒に来るからね。

 王城は冷や汗をかいていたかもね。」

レイラが言う。

「ビエラ殿もリーザ殿もお優しい方ですから無暗に暴れたりはしないと思いますね。」

「それだけが救いよ。

 まぁ、タケオさんだからという事なんだろうけどね。

 今までこの国でドラゴンと友好を深めた者なんていないだろうし、タケオさんのみが今の所、ドラゴンと仲良しだからね。」

「?・・・タケオさんだけでなく、スミスやジーナ・・・エルヴィス家とキタミザト家と仲が良いという事ですよね。」

「今となってはそうね。

 そこにアンちゃんも入れるかな?」

「が、頑張ります!」

アンがやる気を見せる。


「あ、レイラお姉様、気になっていたんですけど。」

「うん?何かな?」

「今日、ヒナが随分と大人しいのですけど。」

アンがヒナを見ながら言う。

「そうなのよね。

 泣いたりしない子だし、起きている時は手足をバタつかせて運動するような子なんだけど、今日は朝からジーっとしているのよね。」

「体調が悪いのですか?」

「うーん、熱もないようだし、母乳もしっかりと飲むし、おしっこもうんちもしっかりしているからなぁ。

 体調面は悪くないと思うわ。

 一応、万が一を考慮して、王家専属魔法師にもケアをして様子を少し見て貰っているし、ペイトー殿にもケアと確認して貰っているけど、両方とも問題ないって言われているわ。」

レイラが考えながら言う。

「うーん・・となると、王城内のこのピリッとした空気に驚いているのでしょうか?」

「流石にそれはヒナにわからないと思うんだけど・・・タケオさんが来ると言ったからかなぁ?」

「いや・・・ヒナとエドワードはタケオさん初めてですよね。」

レイラの言葉にアンが呆れるのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ヒナちゃん、最初から怪しかったけどね… さてさて、答え合わせはあるのかな()
ヒナの中身は天然なのか、外来種なのか? わたしわるいあかちゃんじゃないよ((((;゜Д゜))))
ヒナは「タケオの言葉」をちゃんと聞き取れるよね?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ