第3412話 435日目 まったりまったり。(子供達への恋愛講座を開こう。)
エルヴィス伯爵領側の王都の壁の街の宿。
武雄達は夕食と湯浴みを終え、ボーっとしていた。
酒飲み組と買い物組は寝ている。
この場には武雄とマイヤー、アンダーセンが居た。
「・・・マイヤーさん、今日何か仕掛けてきた人居ませんでしたか?」
武雄がマイヤーにお茶を飲みながら聞く。
「所長もご存じの通り、ありません。
アンダーセン、試験小隊に対して何かしてきた者はいないか?」
マイヤーがアンダーセンに聞く。
「私も部下達からの報告でも誰とも接触しておりません。
・・・所長、襲撃があると思っていたのですか?」
「ないだろうと基本は思いながらも、するなら今日かなぁとも思っていましたよ。
さすがに王都でしたら各所が動いて大変な事になるでしょうからね。
なので、旧領主と新領主がおらず、指揮命令系統において、空白が生まれている今日が一番狙いやすいと思っていました。
でも、何もなかったかぁ。」
武雄が言う。
「まぁ、ここで仕掛けるにしても仕掛ける方法がないですよね。
基本的に所長が1人で歩くのはエルヴィス伯爵邸がある街でしかないですから。
それ以外は必ず誰かと居ますし。
女性を近寄らせてというのも考えられますが、アリス殿が控えているので、周りが制止しますし。
我々に近づくにしても皆、そっち方面の警戒は怠りませんし。」
アンダーセンが言う。
「二研は小所帯だからこそ、所長や私の目が届くからなのか皆が規律ある行動をするからな。
女性関係については・・・しっかりしているか。」
マイヤーが言う。
「性関係でスッキリしたいなら、ちゃんとした店に行きなさい。
その辺を歩いている人とすると面倒しかありません。
プロが相手ならその辺の心配はありませんからね。
ご家族に迷惑がかかる遊びは、させられませんよ。
お金がないなら貸してあげますから、しっかりとした所に行くべきです。」
武雄が言う。
「まぁ、そうですね。
しっかりとした店なら妻達から小言は言われますが、その後の変な展開はないでしょう。」
アンダーセンが言う。
「まぁ、心配があるとすれば子供達が変なのに絡まれないかだが・・・ブルックとアーキンがそれとなく見ているし、本人達も今の所、恋愛をする気もないようだから、追々教育していくしかないな。」
マイヤーが言う。
「ふむ・・・フォレットがその辺の猛者ですからね。
フォレットに講師をさせましょう。」
アンダーセンが言う。
「ふむ・・・まぁ、大丈夫だろう。」
マイヤーも頷く。
「??・・・フォレットさんが何かあるのですか?」
武雄が聞いてくる。
「あれは少し他者より場数を踏んでいるので、良い教師になるという事ですよ。」
アンダーセンが言う。
「ふーん、で、今はバートさんとくっ付いているんですよね?」
「ええ、所長もそこに居たではないですか。」
「居ましたよ。
でも・・・んー???・・・あの時が初めてだったのでは?」
武雄が首を傾げる。
「ええ、ですが、場数は踏んでいますよ。」
「まぁ、知り合いが教育してくれるというなら任せます。
マイヤーさん、アンダーセンさん、子供達へのその辺の教育をさせてください。
今回の旅路で時間を取ってくれても構いません。
どうせ、私は王城に監禁されますから。
皆さんは自由ですし。」
武雄が言う。
「はは、では、座学教育を王都守備隊にお願いします。」
マイヤーが言う。
「マイヤー殿、所長の採用癖は発動しましたか?」
「そっちもないなぁ。
終始、向こうの文官を脅していたが。」
「脅していませんよ~、それに私は何処かに行く度に採用したいと思っている訳ではありませんよ?
今までがたまたまなんです、たまたま行く当てのない人を採用していて、皆さん有能なんです。」
「あまり信用がない、たまたまですね。」
武雄の抗議にアンダーセンが呆れながら言う。
「むぅ・・・ま、欲しい人は今の所居ないので、我慢します。
と、そうだ・・・えーっと・・・これ。
来年度の試験小隊の人員リストなんですけど。」
武雄がリュックからリストを取りだす。
「今回の王都で私達にもした面通しという会議をしますから所長も出席ですよ。
時間は2時間を見てください。
日時は所長の予定に合わせますから、王城の予定をすぐに確認して決めてくださいね。」
マイヤーが言う。
「はーい。
で、これ、女性がちょっと多いんですけど?」
「ええ、結構、有名な子を選びましたよ。」
アンダーセンが言う。
「有名なんですか?」
「各分隊や第1騎士団内で名が通る子が今回、応募してきたんです。
私とアンダーセンも見たときに驚きました。」
マイヤーが言う。
「そうなんですか・・・独身?」
「はい、独身者を選びました。
ちなみに既婚男性が5名、独身女性4名、既婚女性が1名です。」
「性別はリストでわかるのですけど・・・既婚者のお相手の方は・・・あ、でもここで採用になっている時点で問題ないのか。」
「ええ、そこは確認済みです。
その辺も、打ち合わせの際に紹介します。」
アンダーセンが言うのだった。
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