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第3407話 武雄、庁舎に到着。(どこの部署に行けば良いのだろう?)

エルヴィス伯爵領側の王都の壁の街の文官達がいる庁舎前。

武雄達が到着していた。


「うーん・・・合同庁舎?」

武雄が建物の入り口に書かれている文言を眼鏡をかけて読む。

「そう書かれていますね。

 私は武官でしたので、来たことはありませんが・・・王都からの出向という形なのかと。」

「各局から来て・・・ですか。

 左遷地なのか新人教育の場なのか・・・ま、入ってみて、対応を見ればわかりますか。

 と、そうだ。」

武雄がリュックから銀のバッチを取り出し、襟元に付ける。

「・・・さて、この地の方はわかりますかね?」

マイヤーが言う。

「不真面目な方は、わからないかなぁ?」

武雄がにこやかに言うのだった。

・・

合同庁舎に入って、最初の受付。


「失礼します。」

武雄が声をかける。

「はい、こちらは受付ですが、何かありますか?」

受付の女性が聞いてくる。

「最終防衛拠点構築計画を閲覧したいのですが。

 どこに頼みに行けば良いですか?」

「・・・え?最終防衛拠点構築計画ですか?

 え、えーっと・・・」

受付が一瞬止まってから手元にあるリストを見始める。

「軍務関係でもあるのですが、この地の統治に関係していると思うので、書類の閲覧の許可が下りるのかの確認をしたいのです。」

「はい・・・そう・・なのですね。

 こちらは・・各局への案内なので・・具体的な話は各所でお願いします。

 あ、これにお名前と尋ねる部署を書いてもらいます。

 部署は今調べますので、お名前だけ書いて、待っていてください。」

受付が何か冊子を見ながら、用紙を武雄の前に置く。

「・・・」

武雄がマイヤーを見る。

「はいはい、私が代筆します。」

マイヤーが記載を始める。

「これかな?・・えーっと・・・総務局の方に行き、お聞きいただけますか?

 総務局の部屋はこの先に行っていただいて、突き当たりを右に。

 少し行くと総務局の部屋がありますので、入っていただければ、局の受付があります。」

受付が言う。

「わかりました。

 マイヤーさん、総務局ですって」

「わかりました。」

マイヤーが書く。

「では、行ってみます。」

武雄がマイヤーが書いた用紙を置いて、にこやかに会釈をしながら受付から離れる。


「・・・バッジに反応しませんでしたね。」

「まぁ、受付さんですからね。

 さ、次は総務局ですね。」

武雄達は次の部屋に向かうのだった。


------------------------

武雄達が去った受付では。


「はぁ・・・何かの計画と言われてもわからないって・・・」

女性がため息をついていた。

「お疲れ様です。

 交代です。」

女性が現れる。

「お疲れ様です。

 今の所、1名来られました。」

「わかりました。

 どんな内容でしたか?」

「最終防衛拠点構築計画という書類の閲覧ができるかの協議をしたいという事のようで、題名だけでも危機管理のようだったので総務局の部屋を案内しました。」

「最終防衛拠点構築計画?・・・それを見たいなんて・・・変わった人が居たものね。

 貴女、こっちに来てまだそんなに経っていなかったわよね?

 お名前貰った?」

「はい、去年、王立学院を卒業して、先月王都からこっちに異動してきましたが。

 お名前は書いて貰いましたよ。」

受付の女性が来た女性にマイヤーが書いた用紙を見せる。

「・・・最終防衛拠点構築計画か、

 で、名前は・・・!???・・ちょっと!交代は待って!上司に話してくるから!」

交代に来た女性が受付を離れるのだった。


------------------------

総務局の部屋の前。


「・・・キタミザト殿?」

昨日城門で会った第1騎士団の小隊長が居た。

「・・・なんで居るのですか?」

武雄が聞いてくる。

「見送りを終えたので、その報告をしに来たのですが・・・キタミザト殿は?」

「最終防衛拠点構築計画を見に来ました。

 実施されたのは知っていたのですが、中身を知らないので。

 領地運営しているのですから、その辺の資料も持っているだろうと思って訪ねたのですが、受付で総務局にと。」

「・・・最終防衛拠点構築計画ですか・・・うん?それにしてもキタミザト殿を向かわせるのですか?」

第1騎士団の小隊長が聞く。

「ええ、閲覧する許可を得るのにどの部署に聞きに行けば良いか聞いたら、総務局だと。」

「・・・うん?・・・失礼ですが、キタミザト殿、所属をというか、お名前を言いましたか?」

「言っていません、聞かれなかったので。

 名前は用紙にマイヤーさんが代筆してくれましたね。」

「ちゃんと所長の名前と訪問先の総務局を書きましたよ。」

マイヤーが言う。

「・・・・・・そうですか。」

第1騎士団の小隊長が「あれ~?なんで応接室とかに通されないのだろう?」と思いながら首を傾げる。

「さて、まずは受付ですね。」

武雄が総務局の扉に手をかけるが。

「キタミザト様、私が先導します。」

第1騎士団の小隊長が先に室内に入るのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
まぁ普通の貴族だったら従者が名乗ったり先触れが来たりたりするけど、フットワークの軽い武雄だからこそ起きる現象ですね(巻き込まれる方はたまったものではないですけど)www
嫌がらせ!? 新侯爵の評判に関わりそうw
まあ新人のいい勉強になったとおもえば……武雄が怒るような人じゃなくてよかったパターンやね!
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