第3405話 ビエラはエルヴィス伯爵邸に戻りました。(武雄は散策中。)
朝食後のエルヴィス伯爵邸の客間。
エルヴィス爺さんは仕事で執務室へ、アリスとビエラが居た。
「やっぱりここが良いね♪
料理が美味し♪」
ビエラが言う。
「ビエラちゃんは、スミス達が王城で挨拶してからこっちに戻ってきましたからね。
スミス達が無事に着いたのが分かったので良かったのですが。
そんなに急いで戻らなくても大丈夫でしたよ?」
アリスが言う。
「ん〜?ジーナ、部屋の片付けするから邪魔出来ないし、エイミーやアンの所で寝る訳にはいかないでしょ?」
「まぁ、そうですが。
王城に一部屋借りるとか。」
「ん〜・・・なんか知らない人達多そうだから止めたよ?」
「あ、他の貴族方が来ていましたか。
ビエラちゃん、1人で泊まるのは危ないですね。」
「いや、何かあっても私は大丈夫。
でも大きくなったら王城壊しちゃうからね。
だから泊まる所無かったよ。」
「・・・エリカさんは?」
「あ、忘れていた。
エリカに言えばよかったよ。
あ、エリカ、いつでもこっち来る用意してるって。
あとタケオが着いたら寝る場所を移動するって。」
「そうですか。
確か、今回は王都守備隊の兵舎で過ごすのでしたね。」
「レイラ達が、エリカもタケオも時間無いから子供作れって言ったよ。」
「まぁ、言われるでしょうね。
パナ殿がいますから、その辺は大丈夫でしょう。
ビエラちゃん、今日はのんびり?」
「どこかに持って行く物、何も無いなら、ここに居るよ〜。」
「では、今日はのんびりですね。」
アリスが頷くのだった。
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エルヴィス伯爵領側の王都の壁の街。
散策中の武雄達はというと城門の上に来ていた。
「王都に来る度にここを通りますが、王都のような街並みですよね。」
武雄が城門の上から街並みを見て言う。
「王都の外側の町々が囲んでおり、万が一の時は主戦場とする為の・・王都を守る町ですからね。」
マイヤーが言う。
「最終防衛拠点構築計画か・・・要はこの地まで侵攻してきた魔王国軍兵士を相手にするんですよね?」
武雄が振り返り、街道を見ながら言う。
「確か、門を閉じ、門の前に前線を設け、門の中で休憩する部隊と前線で戦闘をする部隊とが交代しながら地方の応援を待つという計画だったかと。」
「ふーん・・・門の前に・・・門に取りつかせない為ですね?」
「はい、前線の位置は城門の上から魔法師の魔法が届くギリギリで設定されていて・・・確か、盾を多用しながら防戦及び反撃をする・・・だったような。」
「・・・ふむ、魔王国とデムーロ国の戦争を観戦しましたが・・・
デムーロ国の王都への突撃は兵士だけで7個大隊、7000名です。
輸送隊やらが2000名程度・・・それとオーガが居るだろうなぁ。」
「エルヴィス伯爵領とゴドウィン伯爵領で削れ・・・ないでしょうね。」
「削って7000名ですよ。
本来なら5軍3個大隊ずつの15000名居るんですから。
両伯爵領の制圧、統治のために半分はここに到着していないとしてます。
今すぐではないでしょうが、第6軍、第7軍の兵士の補充が完了すれば、参加人数は21000名と7000名以上の輸送部隊、オーガがわんさか。
エルヴィス家は1000名、ゴドウィン家は3000名。
この数で何とかしろという方が酷ですよ。」
「そうですね。
やりようはありますか?」
「門に近づいたらクロスボウの一斉射撃で牽制と迎撃かな?
門には近づけさせない、不用意に突出しないで守りのみ。
これで数週間はいけるかも。
兵站の兼ね合いでそう数か月も部隊を入れておけないでしょうから、持久戦に持ち込むしか引き分けの手はないですよ。
あとは王都や西側からの応援が来れば、何かしら出来る事があるのではないですかね?」
武雄が言う。
「ま、今の所長の案もドラゴンやワイバーンが居ないとしての想定ですからね。
居た場合は・・・早々に落ちますかね?」
「そうですね。
・・・外交や経済交流で何とか侵攻を思いとどまらせるしかないでしょう。
で、最終防衛拠点構築計画は内容を変えるべきですかね?」
「うーん・・・なんとも。
西側に対しても同じ内容になっているのですよね。
魔王国の方は所長が言ったように対応策として無意味になっているかもしれませんが。
西側相手には通じると思うのですよね。」
マイヤーが言う。
「あっちにはドラゴンもワイバーンも見かけませんでしたしね。
居ないのでしょうね。」
武雄が言う。
「はい、報告ではないとなっています。
なので、所長の言った対応策が使えると思いますが。」
「ふむ・・・クロスボウが売れそうな予感。」
「本体は輸入なのは皆に説明して、納得して貰わないといけないでしょう。
納得しますかね?」
「してくれない所には売りませんし、私に内緒で作ったりしたら制裁対象です。
そっちの旨味はありそうですよね。」
「やるなら専売局と軍務局を巻き込んだ方が良いかもしれませんね。」
「・・・・アルダーソン殿やバビントン殿の副業に矢の製造を委託しようかと思いましたが、王家と専売局で管理した方が良いかもしれませんね。」
武雄が言うのだった。
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