第3399話 武雄達の夕食後の雑談。(武雄の功績を西側貴族はどう思うのか。)
夕食後の武雄達はのほほんとしていた。
「へぇ、エリカがそんな事を。」
武雄がリーザから王都でエリカにブリアーニ王国の書簡等を渡した時の話をしていた。
「ぎゅ。」
リーザが頷く。
「エリカ殿も所長と離れて暮らしていますから、お寂しいのでしょう。」
「まぁ、そうでしょうね。
所長が悪いというより、エリカ殿の仕事先が第3皇子一家ですしね。」
「アリス殿と比べて、やりとりが少なくなってしまっているから寂しいのでしょう。」
「あれですね。
所長はエリカ殿にもしっかりと対処しないといけませんね。」
皆が武雄に言う。
「夫婦生活の先輩方からの貴重な意見はわかりました。
エリカも第3皇子一家の方が落ち着くまでは仕事を続けると言っていましたが、それも含めてしっかりと話し合っていきます。」
武雄が言う。
「それが良いですね。
まずは話し合わないと何も始まりません。
さて、所長、正式にブリアーニ王国が隣接しましたね。」
マイヤーが言う。
「私やエルヴィス伯爵からしたら予定通りです。
・・・が、国内でブリアーニ王国を認知しているのは、そこまで多くはないでしょうね。
元々、アズパール王国と隣接していないですし、交流があった訳でもありません。」
武雄が言う。
「ベイノン殿やブレア殿は行きましたが、私達はアニータやミルコ、ベルテ一家等、身近に居る者を見ると共に所長達の報告を聞いて、ブリアーニ王国を認識し、想像しています。
魔法師専門学院でもウィリプ連合国、カトランダ帝国、魔王国は学びますが、ブリアーニ王国は・・・
所長、魔法師専門学院ですら教えていないという事は、国として、ブリアーニ王国自体を認識していないという事なんでしょうか?」
ケイが聞いてくる。
「ケードさんの言う通りで、我が国の者は、ほぼ知らないでしょうね。
事実、最初に接触しようと思ったのはヴィクターが米を作っているという情報を持っていたから。
つまりは魔王国の者を雇えたから魔王国の全体像を認識出来たのです。
情報源を持たない者達は、知る由もありません。」
武雄が言う。
「となると・・・ある意味、いきなり知らない種族の国家が隣に来たという事なのでしょうか?」
パメラが考えながら聞く。
「大多数の者はそうでしょうね。
陛下やオルコット宰相殿にはジーナを通じて、事前連絡を入れていますからブリアーニ王国の事はわかっています。
各局長も知っているだろうと思います。」
武雄が言う。
「国民は知らないということですね?」
ブレアが言う。
「国家としての教育機関は王立学院と魔法師専門学院。
その内の魔法師専門学院についこの間まで通っていた者が教わっていないという事は、王都の文官、武官も基本はブリアーニ王国を知らないという事ですし。
自分達で子供達の教育をしている、一般の方々はもっと知識は狭まるでしょう。
残念な事に、現状では国内の事もよく知らないかもしれませんね。」
武雄が言う。
「所長の陞爵の理由に今回のブリアーニ王国との友好を深めたというのが挙げられるかもしれません。
そこが問題となる可能性はありませんか?」
アンダーセンが聞いてくる。
「『良くわからない国家と誼を通じたのが陞爵の理由の1つというのが許せない!』ですか?
言わせておけば良いのではないのですか?
それに私としてはウィリプ連合国の方こそ、良くわからない国家なのですが・・・
まぁ、私の業績を見て、ウィリプ連合国に近寄る貴族がいるかもしれませんね。
・・・外交局や王都守備隊、第1騎士団辺りが西側貴族を監視していそうですが。」
武雄が苦笑しながら言う。
「ふむ、アンダーセンのブリアーニ王国との話は正式には今日通達された物だ。
なので、本来なら理由にならないが、そこを敢えてわかるように王都で開示されていたら注意が必要かもしれないな。」
マイヤーが言う。
「・・・でも、所長の陞爵の業績は今までの功績からですよね?
慣例の戦争での作戦立案やブリアーニ王国、魔王国との友好外交、王家の出産に関しての助力、レシピ等の国民生活向上支援、ドラゴンの革の供給元・・・あれ?所長の功績って西側の貴族にどんな伝わり方しているんですかね?
王都の評価が凄く上がる事ばかりしていますが、西側の貴族には、それほどの功績を出したとは見えないと思うのですが?」
ブルックが言う。
「・・・所長、大丈夫ですか?」
アーキンが聞いてくる。
「はぁ・・・そう思わせたいんでしょ?
実際には王都守備隊向けの異種族を買ってきたり、国政に関与するような大量の輸出事業も持ってきたし、財政局と専売局への協力で財政を上向かせる事業を始めさせようとしていたりします。
西側の方々に言えないような事業もして、国家に貢献しているから今回の処置なんですよ。
私としては爵位より金をくれと思いますけど。」
武雄が呆れながら言う。
「むしろ、それだけしているのに子爵位なのがおかしいんですよ。
これを逃すと誰も侯爵に就けなくなりますからね。
ま、西側の方はどなたかが焚き付けたいのかもしれないですね。」
マイヤーが言うのだった。
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