第3398話 武雄達の夕食。(唐揚げの中身はなんでしょうか。)
エルヴィス伯爵領側の王都の壁の街の宿屋。
「では、食べましょうか。
いただきます。」
「「「「いただきまーす。」」」」
皆で夕食を取り始める。
今日の夕食はトマトベースのパスタと唐揚げ、サラダとスープです。
「唐揚げおいしいですねー。
今日のは噛み応えがあります!
変わった肉ですねー。」
「ぎゅー。」
ミアとリーザが唐揚げを食べながら言う。
「うん?所長、見慣れない食材?が入っていますが?」
ブレアが武雄が作った唐揚げを見ながら聞いてくる。
「パスタですか?
基本はトマトベースにソーセージの輪切りと乱雑に切った葉物野菜とパスタを和えて、少々のトウガラシ、コショウ、塩を少々で味を調えました。
トマトベースですから何でも合うと思って、たららーっと簡単にね。
味見段階では大丈夫でした。
特に変わった物を使ってはいませんが・・何が気になりましたか?」
武雄が聞く。
「いえ、揚げ物が。」
ブレアが言う。
「あー、デムーロ国で仕入れたタコですよ。
海で生息しています。
リュックに入っていたので、ぶつ切りにして揚げてみました。」
タケオが言う。
「タ、タコ!?・・・」
「ぎゅ・・・」
ミアとリーザが固まる。
「う、うん?
ミア殿とリーザ殿の動きが止まりましたが。」
ブレアが驚きながら武雄に顔を向ける。
「あー、この子達はデムーロ国でタコと戯れましてね。」
「うねうねなんです、うねうね。」
「ぎゅー!ぎゅー!」
ミアとリーザがワナワナしながら言う。
「想像を絶する経験をされたのですね。」
ブレアが言う。
「まぁ、見た目も変わっているので・・・
皆さんも機会があったら見た方が良いかも。
骨が無いんですよ。」
武雄が言う。
「「「ははは・・・」」」
「骨が無い?」
「骨が無い生き物なんて居るのですか?」
「どうやって動くのですか?」
「海という事は泳ぐのですか?骨が無いのに?」
食事の用意を手伝ったブルックや一緒に行ったベイノン、オールストンは苦笑するが、他の皆が不思議そうに呟く。
「これはダニエラさん達に頼んで生きたままで持って来て貰いますかね。」
「生!?」
「ぎゅ!?」
ミアとリーザが反応する。
「その後、美味しくいただきますよ?
タコ料理は美味しいでしょ?」
「美味しいですけど・・・美味しいですけど・・・」
「ぎゅー・・・」
ミアとリーザがタコ唐揚げを見ながら呟く。
「まぁ、今は食べなさい。
持って来て貰うにしても来月以降です。」
武雄が言う。
「うー・・・はい。
美味しいんですけど。」
「ぎゅー。」
2人とも意気消沈させながら食べ始める。
「さて、で、タコ唐揚げは口に合いませんでしたか?
揚がってから塩をまぶしただけですから・・・レモンを絞れば味が変わりますよ?
トウガラシが少し余っていますから、みじん切りにすぐしますから付けますか?」
武雄が言う。
「あ、平気です。
ウスターソースも出していただいていますし。
レモンも絞らせて使います。
食べた事のない食感だったもので。」
ブレアが言う。
「確かに肉とは違う感じですね。
ミア殿が言っていましたが、噛み応えがあるというか弾力があるというか。」
マイヤーが言う。
「塩がふってあるおかげで、揚げ物として美味しいと思いますね。」
アンダーセンが言う。
「うんうん、美味しいと思いますよ。」
「海の物というとなかなか食べれないでしょうね。」
「デムーロ国だと今は魔王国領ですかね?
そこの海の幸となるとなかなか食べれない珍味でしょうかね。」
皆がタコ唐揚げを食べながら言う。
「好評なようですね。
ま、気が向いたらまた作りますし、それこそダニエラさんに頼めば買ってきてくれるでしょう。」
武雄が言う。
「いや、所長、一国の国王にお使いを頼むのもなんだか変ですよ?」
ベイノンが言う。
「・・・えー?言えば快く買ってきてくれますよ?
ついでにタコの料理を食べたがるでしょうけどね。
そこはまぁ駄賃としてしますけど、その程度で買ってきてくれる方です。」
武雄が悪びれずに笑いながら言う。
「いやぁ・・・まぁ・・・あの方なら笑いながら買ってきてくれそうですよね。」
ベイノンが頷く。
「所長の場合は何を送れば喜ぶのか・・・いまいちわからないでしょうからね。
逆に指定すれば、それを買ってくればいいだけなので喜ばれるかもしれませんね。」
ブレアが言う。
「ええ、なので、生きたままのタコは入手出来るでしょう。」
「タコかぁ・・・」
「ぎゅー・・・」
ミアとリーザが目線を落とす。
「ははは、確かにあの見た目ではどう動くのかわかりませんよ。
私だってわかりません。」
ブルックが言ってくる。
「あ、ブルックは今日は手伝っていたか。
どんな見た目だったんだ?」
「・・・魚ではないですね、変わった形です。
言葉にし辛いです。」
ブルックが考えながら言うのだった。
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