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第3396話 リーザはお使いを頑張った。(武雄の所にリーザは戻りました。)

アズパール王国 王都近くの森の中の開けた広場。

エリカが木に寄りかかりながらボーッとしているとブルードラゴンが着陸してくる。

エリカが近づき、首に巻かれたシーツを取るとブルードラゴンがチビ化する。


「ぎゅ♪」

リーザがエリカに「お待たせ〜♪」と手を上げながら鳴く。

「はい、リーザ殿、お疲れ様です。

 今、中身を確認しますね。

 あ、王城から持って来たお菓子を食べて待っていてください。」

「ぎゅ〜♪」

リーザがエリカからお菓子を受け取り、その場に座って食べ始める。

「えーっと、ブリアーニ王国からの木箱に入った書簡、私宛の手紙とタケオさん宛か。」

とエリカがシーツの中身を確認し、自分宛ての手紙を読みだす。

「・・・エルヴィス伯爵殿からの流れはわかりました。

 さて、リーザ殿、タケオさんは隣街まで来ているのですね?」

「ぎゅ。」

エリカの問いにリーザが頷く。

「今日、明日もそこに居るのですよね、移動して王都内に1泊でも良さそうですけど・・・」

「ぎゅ?」

「リーザがタケオに早く来いと言うかと聞いていますよ?」

チビペイトーが現れてエリカに言う。

「・・・いえ、特に今回は予定通りに進めないといけないでしょうかね。

 王城内も慌ただしくなっていますし、皆さんの予定を変更させる訳にもいかないですから。」

エリカが言う。

「ぎゅー。」

「ええ、そう伝えてください。」

リーザの言葉にチビペイトーが頷く。

「うん?ペイトー、何を伝えるの?」

エリカが聞いてくる。

「いえ、リーザがタケオに『エリカが早く来ないか、気にしていた』と伝えると。」

「・・・・・・・・・・・・・聞きようによっては何通りにも意味合いが変わるように思えるのですが・・・良いのかな?

 まぁ、タケオさんがどんな反応をするかも気になるので、リーザ殿にそう伝えて貰いましょう。」

「ぎゅ♪」

エリカの言葉にリーザが頷く。

「さて、陛下への手紙は受領しました。

 もう少ししたらリーザ殿は出立してタケオさんの所に向かってください。」

「ぎゅ。」

リーザが頷くのだった。


------------------------

エルヴィス伯爵領側の王都の壁の街。

武雄達は宿に向かったが、また街の門の所にやって来て、のほほんとしていた。


「所長、リーザ殿来ませんね。」

アニータが武雄に言ってくる。

「どこかで・・・いや、伝令に行く先々でお茶でもしているでしょう。」

「・・・まぁ、どこに行ってもお茶菓子は出ると思いますけど。」

アニータが微妙な顔をさせながら言う。

「それにしてもドラゴンを城門に着地させるとは・・・少々刺激が強いのではないでしょうか?」

「上空から見て、ドラゴンがこっちを視認出来そうな場所が他になかったですからね。

 ま、ドラゴンによる伝令は、王都でも認識されている事ですから、この地でも大丈夫でしょう。」

マイヤーの言葉に武雄が言う。


「失礼します。

 キタミザト殿でしょうか。」

数名の兵士を従えた隊長格の兵士が武雄に声をかける。

「はーい、そうですよ。

 どちら様ですか?」

「はっ!王都第1騎士団 第7小隊です。」

隊長格の兵士の掛け声で、後ろの兵士達が敬礼する。

「はーい、ご苦労様です。」

武雄も挙手の礼をし、すぐに直ると、第1騎士団員達も敬礼を止める。

「で?」

武雄が聞く。

「はっ!私達以外にも第1騎士団より数隊がこの街に滞在しています。

 目的は旧男爵と新男爵の円滑な引継ぎになります。」

「現男爵が暴れたら取り押さえろと。」

「ええ・・・一応、今は大人しく従っております。

 明日、出立なのですが・・・」

第1騎士団の小隊長が目線を逸らす。

「今回の授与式で一番の注目人物が来ちゃったと。

 文句は陛下にどうぞ、私はなりたいなんて一言も言っていません。」

武雄が堂々と言う。

「はは・・・上司に伝えます。」

「ええ、第1騎士団長に言って貰いなさい。

 ちなみに明日は私達この街で休暇ですよ。

 王都には2日後に行きます。」

「・・・わかりました。

 明日の出立はしっかりと行いますし、それまでは我々も目を光らせておきます。

 キタミザト殿も一応!念の為!万が一を考えて!

 お気を付けください。」

「ええ、そうしましょう。」

武雄が頷く。

とブルードラゴンが上空を通り、武雄達を確認して着陸する。

武雄が近寄り、首に巻かれたシーツを取るとブルードラゴンがチビ化する。

「ぎゅ。」

「はい、ご苦労様。

 この子達もいますしね。」

武雄がリーザを抱きかかえながら第1騎士団の小隊長に言う。

「ぎゅ?」

リーザがタケオに「何かあったの?」と聞く。

「王都までの道中、気を付けてくださいって、言いに来てくれたんですよ。」

「ぎゅぎゅ!」

「リーザが『私がいるから大丈夫!任せて!』と言っていますよ。」

ミアがポケットから顔を出して小隊長に言う。

「そのようで・・・一応、お気に止めておいてください。

 では、失礼します。」

第1騎士団の小隊員が去っていく。

「さて・・・宿に戻って、皆の夕食作るかな。

 マイヤーさん、帰りましょう。」

「はい、アンダーセン、隊を集合させ、宿に戻るぞ。」

「了解!試験小隊集合!」

アンダーセンが号令をかけるのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
> 皆の夕食作るかな。   そう言えば、久しく食後の、土下座シーンを見ていませんね。   時間に余裕があるから、何か作るのかな?
暴れた時の被害より反撃した時の被害が……まあ、大丈夫でしょう。多分?
ドラゴン圧力なんもできないよねー 毒盛るぐらいか?
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