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第3394話 434日目 リーザ、エルヴィス伯爵邸にて準備中。(ブリアーニ、見せ場が近づき緊張中。)

朝食後のエルヴィス伯爵邸の客間。

エルヴィス爺さんとアリス、夕霧達が一旦戻って来たリーザとお茶をしていた。


「うむ、タケオは順調なのじゃの?」

「ぎゅ。」

エルヴィス爺さんの言葉にリーザが頷く。

「リーザちゃんが持ってきた手紙では、少々オークの数が多いのかもとタケオ様は言っています。」

アリスが手紙を見ながら言う。

「ふむ、夕霧殿と時雨殿が調査と監視をしてくれると昨日話したばかりじゃが・・・

 現に戦闘をしたタケオが言ってきたのなら、注意はしておくべきかの・・・

 夕霧殿、一応、魔力溜まりの監視は厚めにしてくれるかの?」

「ん、わかりました。

 追加で監視を行います。」

夕霧が頷く。

「うむ、頼むの。

 リーザ殿、関の方には裏城門で何度か会っている者を配置しておる。

 なので、ブリアーニ王国から書簡が届いたら、首に巻いて貰って飛んできてくれるかの?」

「ぎゅ!・・・ぎゅ?」

リーザが頷いてから首を傾げる。

「伯爵、アリス、リーザが『最初からルフィナと一緒に向かえば良いんじゃない?』とか言っているわよ?」

チビコノハが現れて言う。

「ふむ、向こうで待たせるよりも一緒に行った方が早いのは確かじゃが・・・」

「ぎゅ?」

「『ダニエラやブリアーニ達しているよ?ルフィナも出来るんじゃない?』だって。

 どうする?」

「ふむ・・・いや、少なくともこの屋敷に来て、ビエラ殿やリーザ殿にルフィナ達が乗って飛んだという報告をされた覚えはないの。

 今、その案を採用したら、ほぼほぼ初めて乗ることになるじゃろう。

 さすがにそれは出来んの。

 リーザ殿、すまぬが、向こうで兵士が対応するからの。

 それでお願いする。」

「ぎゅ。」

リーザが頷くのだった。


------------------------

旧魔王国 ファロン子爵領の領都近く。

街道で兵装を整えた200名が休憩していた。


「はぁ・・・緊張するわ。」

豪華な制服に白地のマントを羽織りながらブリアーニが空を見上げる。

「はは、歴戦の女王陛下が緊張ですか。」

隣にいる兵士が苦笑しながら言う。

「するわよ。

 魔王国に行っても緊張するわよ。

 アズパール王国のエルヴィス伯爵殿の所は違う緊張をするけど。

 緊張は緊張。

 私は緊張をする人よ。」

「はは、そうですか。

 ま、今日は武官と文官達しかいませんからそこまで緊張されないでしょう。」

「新しく国民になってくれた方々もいるわよ。

 はぁ、争い事が少なければ良いのだけど・・・」

「その辺の対処の為の家割と文官達の居住箇所ですよ。

 あとは良く話し合って、お互いに妥協点を見出すしかないでしょう。」

「はいはい、その通りで。

 まぁ、まとめ役はシモーナさんだから大丈夫だとは思うのだけど・・・この地域だけで見れば、私達が大多数、居残ってくれている方々は少数という構造だからなぁ。

 互いへの偏見はあると思うしなぁ。

 互いに気を使い、話せていけると良いんだけど・・・」

ブリアーニが考えながら言う。

「今の所、衝突したという事は聞いていませんね。」

「私もないわ。

 でも、今ないだけで、明日はあるかもしれない。

 不満が溜まる前に定期的に話せる場を設けないと・・・そして一方の意見のみを採用せず、互いに妥協と協力する関係を早々に築かないと・・・

 はぁ・・・皆、上手くやってくれているんだろうなぁ。」

「今、衝突したという話が出てこないという事は、今の所は上手くやっているのでしょう。」

「そうね・・はぁ、まずは今日のお披露目か。

 その後にこの後に続く、国民の受け入れ体制も平気ね。」

「そう聞いていますね。

 毛布等は15日着でしたね。」

「そ、この後に続く、国民達を受け入れ終わって数日。

 たぶん、最初の不満が溜まり始める時だと思っているわ。

 その時に大量の毛布が到着して、皆に配布。

 良い鬱憤晴らしになると思うのよ。」

「なれば良いですね。」

「うん・・・落ち着けば畑も耕すし、色々建てたりしないといけない。

 やることは多いわ、忙殺されるだろうから、この異動時の数日間が一番鬱憤が溜まると思っているのよ。

 ・・・はぁ、大丈夫だよね・・・」

「とりあえず、向かわないといけないですね。

 女王陛下、騎乗をお願いします。」

「はーい。」

ブリアーニを先頭に一団が街に向かって移動を開始するのだった。


------------------------

旧魔王国 ファロン子爵領の領都 銀の月商店の店前。

シモーナ達も含めて従業員一同が並んで待っている。

他の店々でも同じように全員が出てきて、ブリアーニ女王陛下の到着を待っていた。


「もうすぐって言っていたよね?」

「うん、エルフの女王陛下が、どんな方はわからないが、女王、国王と言われる方々は一生に一度見れるかどうかだろう。」

子供の言葉にシモーナの旦那が言う。

「ま、会う事は滅多にないだろうさね。

 とはいえ、私達はここで頭を下げ、お顔は見ないのが礼儀さね。」

「「はーい。」」

子供達が返事をする。

「女王陛下到着!女王陛下到着!女王陛下到着!」

と腰にベルを下げ、動く度に音が鳴るようにしてエルフの兵士が旧領主邸に向かって入っていくのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
シモーナさん、カールラの正体知ってたっけ? まだ侍女だと思ってる?
シモーナさんはその一生に一度会うかどうかという方々としょっちゅう会ってるけど、まぁこの場でそれを言うような人じゃないさねw
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