第3393話 433日目 スミス達の順調すぎる旅路。(戻ったら総監局に行こう。)
王都西の街 高級宿屋のスミス達の一室。
スミスは湯浴みに行き、室内にはエイミーとアン、ドネリー、ジーナ、ビエラが居る。
「もう慣れた、もう慣れた、もう慣れた・・・」
寝間着姿のエイミーがクイーンベッドの端に腰掛けて、念を唱えていた。
「エイミーお姉様、毎回思いますが、それ怖いです。」
同じく寝間着姿のアンが呆れている。
「まぁ・・・致し方ないですかね?」
ジーナが言う。
「そのうち、慣れますよ。」
ドネリーも呆れながら言う。
「くぅ・・・」
ビエラは反対側のクイーンベッドで大の字で寝ている。
とノックされ、ジーナが答えるとスミスが入って来る。
「ただいま。」
スミスがホカホカ状態で入って来る。
「お!おかえり!」
「おかえりなさい。」
エイミーとアンが立ち上がって出迎える。
「・・・おかえりなさいませ、スミス様。」
ジーナがゆっくりと頭を下げる。
「うん、ジーナもドネリーさんもご苦労様です。
これがさっきまで着ていた服です。
言われた通り、軽く拭いてきました。」
「はい、確かに。
すぐに乾かせるように準備します。」
スミスがジーナに服を渡すと、ジーナがすぐにハンガーを使って壁にかけ、形を整え始める。
「スミス様、窓際で体温をお下げください。
お水の準備はしております。」
ドネリーが言う。
「はい、ありがとうございます。」
スミスが素直に頷き、窓際に行き、椅子に座って、外を見ながらボーっとし始める。
「スミス、明日には王城ですね。」
アンがスミスの前に座って言う。
「ええ、アンはお爺さまと話をしてから戻っていますから、最近まで居た感じですね?」
「はい!そこまで王都は変わってはいないと思いますが・・・
スミス、王城は変わりましたか?」
「うーん・・・」
スミスが苦笑しながら首を傾げる。
「はぁ・・・アン、スミスと一緒にお店開拓に勤しむのと同時に王家ご用達店で買い物をするわよ。」
エイミーもやってくる。
「うーん、買わないといけないですかね?」
「お金を使うのも王族にとっては必要よ。
宝石や装飾品とかが良いかもね。」
エイミーが言う。
「そういうエイミー殿下もあまりそう言った物は買わないのですけどね。」
ドネリーが言う。
「私は、第2皇子一家だからね。
いつかは王都を出て行くから。
買っても使う機会は少ないだろうと思っていたし、買うなら使う物を、と思ってね。
・・・最低限の服は買っていたわよ。」
「あー、なら私も最低限で良いです。
無駄に予算を使ったらお母様方が買う費用がすくなくなってしまいますし、大きい出費はお母様方がされれば良いですから。」
エイミーの言葉にアンが言う。
「うーん・・・アンと私とでは立場が違う気がするのだけど・・・」
「いいえ!エイミーお姉様は私達のお姉様!お姉様が無駄な出費を嫌うのなら、私もクリナもそれに従います!」
「いや、別に従う必要はないのよ?
アンも欲しい物があれば買って良いんだし。
服も装飾品とかも欲しかったら買って良いし。」
エイミーが言う。
「うーん・・・装飾品・・・必要最低限で良いですね。
さっきも言いましたが、そういう高いのはお母様方が買う方が第1皇子一家の印象を良くするのに寄与すると思います。」
「まぁ、その辺はローナお姉様方に聞いて行くしかないけど・・・
少なくとも店は知っておかないといけないわ。
アン、店回りはしますよ。」
「はーい。」
エイミーの言葉にアンが返事をする。
「明日到着といえば、授与式の為に貴族方が王都に来られて居ますね。」
ドネリーが言う。
「タケオさんは11日だったわね。
父上もクリフ伯父上も来るわね。」
エイミーが言う。
「先の通達の通り、エイミー殿下とアン殿下はスミス様と婚約されていますが、挨拶をされなくて良いのですか?」
ドネリーが聞いてくる。
「あー・・・忘れてたわ。
そうね、余計な事をされる前に挨拶回りをしちゃおうかしら。」
エイミーが言う。
「エイミーお姉様、個別に会うと何かされるかもしれませんから、皆が居る前で各々に声をかけて行った方が良いのではないですか?」
アンが言う。
「そうね・・・オルコット宰相と総監局長に依頼して、授与式実施の日に貴族達が式前に集まる場所で声をかけられるように時間を取って貰おうかしら。」
「そうですね。
どちらにしても僕はその場に行かないといけないですし、式自体にエイミー達が呼ばれなくても、僕と一緒に控室で挨拶をして、その後は第3皇子一家の所でエリカ殿と待っていてもらう事も出来ますし。」
「うん、なら、そうしましょうか。
戻ったら、お爺さまへの挨拶後に総監局に行って依頼して、私達が挨拶する時間を作って貰うか。」
エイミーが頷く。
「アンもそれで良いですか?」
スミスがアンに聞く。
「そちらで大丈夫です。」
アンも頷くのだった。
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