第3392話 魔力溜まりにちょっと死体を投棄してみよう。(分割式盾があると良いかも。)
解体と処理を終えた皆が、魔力溜まりの側で観察をしている。
「さて・・・アーリスさん、オールストンさん、お願いします。」
武雄が言う。
「了解しました。
そっちを。」
「よし・・・せーのっ!」
アーリスとオールストンが首と手足のないオークの体を魔力溜まりに放り投げる。
「・・・おー・・・黒くなっていきますね。」
「このまま吸収という事ですね。」
「なんというか、不思議な光景ですよね。
・・・腐って土に還るのを見ている感じです。」
試験小隊の面々が言いながらオークの死体が吸収されていくのを見ている。
「・・・ふむ・・・点滅しませんね。」
武雄が言う。
「そう直ぐに反応はしないかと。
まぁ、もしそうなってもすぐに魔法を打ち込みますが。」
アンダーセンが言う。
「それは私も考えています。
・・・どのくらいの量を置いたら、どれだけ期間が変わるのか、調査して・・・あ、いや、止めましょうか。
こういったのは、得てして最悪の結果になる物です。
1体入れただけでは、すぐに反応しないとわかっただけで良しとしましょう。」
「はい、そうですね。
所長は前に大きな穴を作って封印したのでしたか。」
「ええ、マイヤーさん、オールストンさん、ブレアさん、ビエラそれとリツでね。
ね、マイヤーさん。」
「大変でしたが、あの6mの魔力溜まりを触れさせないようにしたのは、今思えば正しかったと思います。
リツ殿、ビエラ殿と所長が居たから出来たのでしょうからね。
これがリツ殿が引っ越された後の王都の人員だけでは難しかったでしょう。」
「今回は、その跡を見に1泊しに行きますよ。」
「予定に入っていましたね。
確かに所長達が居ないで封印は出来なかったでしょう。
王城に着いた際にレッドドラゴンの棲み処の情報を集めておきます。
何か異変があれば、噂話ぐらいは入っていると思いますので。」
アンダーセンが言う。
「所長、オークの死体は完全に吸収されました。」
マイヤーが言う。
「よし、なら、この地より撤収します。
夕食と湯浴みをして今日は寝ましょう。」
「「「「了解しました。」」」」
皆がその場を後にするのだった。
・・
・
広場に戻って来た武雄達は、夕食の用意、馬への餌やり、露天風呂のお湯張り等をしていた。
武雄はもちろん露天風呂のお湯張りを担当している。
とはいえ、何をする訳でもなく、露天風呂の端に座って、左手でお湯を出しながら、膝までズボンの裾を上げた足で浴槽の底に裸足で足を付き、お湯の温度を確認していた。
「はぁ・・・足湯だけでも気持ちが良いですね。」
「タケオ、その後も魔力溜まりには魔物は発生していないようです。」
初雪も武雄の横で足をお湯に浸けながら言う。
「わかりました。
監視は継続しておいてください。
もしかしたら就寝中に発生するかもしれません。」
「はい、わかりました。
それとこの先の道ですが、次の町まで問題はないようです。」
初雪が言う。
「了解です。
今回も問題なく、王都まで行けそうですね。」
武雄が頷く。
「他に何か情報は来ていますか?」
「特には。
伯爵達も何事もなく過ごしているとユウギリから来ています。」
「うん、なら大丈夫でしょう。」
「・・・うーん・・・他に仕事ないですか?」
初雪が聞いてくる。
「ありませんよ。
前も同じような事を聞かれた気がしますが、あまり性急に仕事をしなくて良いです。
色んな事をして、色んな事を学びなさい。」
「はい。」
初雪が頷くのだった。
・・
・
夕食前に皆が湯浴みを終え、今はマイヤー達が入っている。
「はぁ・・・適度な運動、外での風呂、至れり尽くせりです。」
ブルックがボーっと気を抜きながら言う。
「まぁ、初雪達が周辺の監視をしていますからね。
そこまで過度の緊張はしなくても良いでしょう。
ブルックさん、今日の感想は?」
「移動は割と早く出来ましたよね。
少し馬には無理をさせましたが、結果として、馬も長めに休憩が出来たので良かったでしょう。
戦闘の方はオークを7体でしたが・・・今、研究室長のトレーシー殿が研究している分割式の盾があれば、もう少し無理が出来たかと思います。」
ブルックが言う。
「うーん・・・持ち運びも加味した設計をさせた方が良いですかね?」
武雄が言う。
「移動時は持っていなくても馬具に取り付けられるような形になっているとありがたいですね。」
ブルックが言う。
「・・・わかりました。
戻ったらトレーシーさんに言っておきましょう。
皆はどうでしたか?」
武雄がミルコ達を見ながら聞く。
「うーん・・・所長と移動する時は戦闘を毎日していますから、今日も特に緊張せずに出来ました。」
「でも戦闘前は、いつも緊張しますね。」
アニータとミルコが言う。
「ブルック殿が言う通り、小さくても盾が欲しいですね。」
「使う、使わないは別として、あると安心感がある物だと、この間の慣例の戦争と比較するとわかります。」
ケイとパメラが言う。
「ふむ・・・それもトレーシーさんに言っておきましょう。」
武雄が頷くのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




