第3391話 433日目 武雄達、今日もオーク狩りに勤しんでいます。(皆も慣れたものだ。)
エルヴィス伯爵領と王領との領境のクゥの元棲み処の広場。
「さて、着いたわね。」
ブルックが言う。
皆もため息つき、安堵しながら馬を降りている。
「では、全員でテントの設営をする。
その後、マイヤー殿とベイノン殿、リーザ殿はかまどの用意と夕食の用意。
他は戦闘準備を。
所長はテントの設営ではなく、露天風呂の整備をお願いします。」
アンダーセンが言う。
「「「「はーい。」」」」
皆が返事をする。
「よし、露天風呂を補修しますかね。
初雪、行きますよ。」
「はい。」
武雄と初雪が前に作った露天風呂に向かうのだった。
・・
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ドン!ドン!ドン!小銃改4 拳銃の発砲音と大声をだしているのが広場からわかる。
「森に入って1時間・・・発砲音が短いという事は小銃改3ではなく4で仕留めたようですね。」
ベイノンが言う。
「そのようだな。
位置は初雪殿のお陰でわかっていて、1時間だから・・・終わりという事でしょうかね。
さて、処理をした後、魔力溜まりに行くんだが・・・誰か迎えに来てくれるかな?」
「そうですね・・・周辺の確認をしてからでしょうか。」
「・・・初雪殿も同行していますし、周辺の状況はつぶさに掴んでいるだろうから・・・
ん?森から出て来たな。
さて、行くか。」
マイヤーが立ち上がると同時に森からケイとパメラが小走りにやってくる。
「報告!
周辺のオークの討伐終わりました!
マイヤー殿をお連れするように言われています。」
「アンダーセン隊長より、この場は私とベイノン殿に任せるとの事です。」
ケイとパメラが言う。
「うむ、ケード、案内を頼む。」
「はっ!こちらです。」
マイヤーとケイが森に入っていくのだった。
・・
・
森の一画にある魔力溜まり周辺。
武雄達試験小隊が観察していた。
とはいっても武雄とアンダーセン以外はオークの解体をしているのだが。
「直径が約2m・・・アンダーセンさん、これが標準的なのですよね?」
「はい、王都で把握している魔力溜まりの平均がそうなっていると聞いています。
所長は前に王都に居るレッドドラゴン・・・リツ殿の魔力溜まりを見られたのですよね?」
「6mね。」
「超巨大ですね。
魔物が生まれる所を見たのですが・・・魔力溜まりに魔法陣が発生し、点滅、そして魔物が現れました。」
「・・・魔物が生まれる所を見た事がないので、何とも言えませんが・・・
報告書や口頭の印象では人為的な物を感じます。」
「まぁ、事実として魔力溜まりは魔物の死体を積むか、魔法陣で出来るとは聞かされています。
自然発生的な物以外は人為的な物でしょう。
それにしても・・・魔力溜まりの存在は不思議なもので、除去しようとして土を盛ってもダメ、穴を掘ってもダメ。
そこにあり続けるのですよね。
どうやったら魔力溜まりがなくなるのやら・・・」
「魔物を吐き出し終えたら・・・無くなるのでは?」
アンダーセンが言う。
「・・・魔力溜まりの魔力が尽きる事があるのか、わからないですからね。
それは数代に渡って研究が必要でしょう。
少なくとも今は知る由もありません。」
「確かに。」
武雄の言葉にアンダーセンが頷く。
「なくならないのなら、討伐し続けるしかないのですが、私達はミア軍団のお陰で経費の節約が出来ています。」
「まぁ、そうですね。
森等の主達が魔力溜まりを生活の糧にしているとも言えますが。
この地の魔物の主は居ないのでしたよね。」
「ええ、サスケ達が時たま狩りに来るか、エルヴィス家の兵士達が討伐に来ますね。
冒険者も来て良さそうですが、この近辺は町や村から離れているので、オーク肉の卸しをしても旨みは少ないでしょうね。」
武雄が言う。
「あー、私達は所長の大袋があるからあまり気にはしていませんでしたが、討伐しても冒険者組合で引き取らせるのに日数がかかると腐りますし、そもそも血の匂いをさせていると夜とか他の魔物が寄ってきそうですよね。」
アンダーセンが言う。
「まぁ、この大袋より少し小さい最新式のが市場価格で金貨1500枚というのですから、中々買えませんね。」
「そうですね。
大袋があれば、輸送業をしても良いかもしれませんが・・・」
「それはそれで大変そうな輸送業者になるでしょうね。
それにそんな商売をすれば、大袋目当てに訪問してくる無法者も居るでしょうからね。
夜は寝れないでしょう。
そんな旅路は嫌ですね。」
武雄が言う。
「まったくです。
あ、マイヤー殿が来ましたね。」
アンダーセンが広場の方を見ながら言う。
「所長、討伐お疲れさまです。
何体でしたか?」
「当初の5体とミアのネックレスを使って、追加で2体。
今、皆さんに解体をお願いしています。
まぁ、腕とか太腿とか以外はいらないので、初雪達が処理していますけど。」
「そうでしょうね。
なら、もう少し試験ですね。」
マイヤーが言うのだった。
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