第3390話 432日目 スミス達の順調な旅路。(ジーナの引っ越し予定はギッチギチです。)
エルヴィス伯爵領 西町の宿屋。
武雄とマイヤー、初雪は就寝前の打ち合わせをしていた。
「タケオ、ユウギリから昨日の時点の報告が来ています。
伯爵、アリスに問題はないと。
それと明日のクゥが居た広場にもオークが居るそうです。」
初雪が武雄のトレンチコートを羽織りながら言う。
「うん、わかりました。
初雪も移動中はスライム形態ですが、王都に着いたら人間形態で過ごせます。
それまで今のような報告でお願いしますね。」
「はい、わかりました。」
初雪が頷く。
「明日は野宿でしたね。
食料はブルック達が買ってきましたが、少し多かったかもしれませんね。」
マイヤーが言う。
「多いぐらいで良いでしょう。
大袋に入れるのですから、腐る事もないですしね。」
「そうですね・・・中身の整理をしないといけないかもしれませんね。」
「・・・いつ入れたか、わからない物が多そうです。」
武雄が考えながら言う。
「所長の場合は食料とオーク、オーガの肉が大半でしょうね。」
「否定は出来ませんね。
ですが、成行き上、必要な物しか入れていませんよ?」
「まぁ、所長は目に付いた物を何でも買うような方ではないのは確かですね。
何か製品化出来そうな物を買っています。」
「はい、私もそう思っています。
とは言え、マイヤーさんの指摘の通り、中身の整理は必要ですかね。
初雪、もしかしたら処理を手伝って貰うかもしれません。」
「はい、その際は言ってください。」
初雪が頷く。
「明日は予定通り、オーク狩りですね。」
「初雪、何体か、わかりますか?」
「5体と連絡されています。」
「5体か・・・問題なさそうですね。
1体は取り込ませたいですが・・・うーん・・・」
「腕とか太腿とかのサスケ殿達用のは取っておいて、体を投棄しますか。」
「そうですね。
初雪、事前にスライムを送り込んで、私達が到着するまでに周辺の把握をお願いします。
5体以外も居る場合は、ミアにネックレスを付けさせて、集めます。」
「わかりました。
クゥの居た所の周辺1kmの範囲にスライムを配置し、オーク等の生息状況を把握します。
20・・・40体を配置します。」
初雪が言う。
「お願いします。
オーガの肉片はありますから、1個置きますので足しにしてください。」
「はい、わかりました。」
初雪が頷く。
「討伐が5体以上となると、明日は少し早めに広場に到着出来るように移動しましょう。」
マイヤーが言う。
「そうですね。」
武雄が頷くのだった。
------------------------
都に続く街道の町。
スミス達が宿でのんびりとしていた。
「エイミー殿下、明日はまた王都西の街ですね。」
ドネリーが言う。
「・・・そうね。
何事もなく戻って来れたわね。
王都に戻ったら皆、忙しくなるでしょうね。」
エイミーが言う。
「ジーナはタケオさんが来たら、寄宿舎を退去するのですか?」
アンが聞いてくる。
「いえ、ご主人様が来たと同時にスミス様のお付きの交代がなされます。
なので、ご主人様が来る前に荷物を送る手配をしておかないといけません。」
「えーっと・・・1月9日に王都に戻るのですよね?
タケオさんが・・・スミス、いつでしたっけ?」
アンがスミスに聞く。
「11日に着く予定ですよ。」
「ジーナ、2日で部屋が片付くのですか?」
「9日の朝に荷物を入れる箱が届きますので、10日昼過ぎには発送手続きを終わらせます。
ご主人様が着くまでにリュック1個分の手荷物以外は基本的には全て送ってしまおうかと思っています。
王都を出る前に手続きは終えています。」
ジーナが言う。
「えーっと・・・エイミーお姉様、出来るのですか?
部屋1個分ですよね?」
アンが「出来ないですよね?」と言う顔をエイミーに向ける。
「ジーナ、机とかベッドは残すのだったわよね?」
エイミーが聞いてくる。
「はい、後任に渡します。
それが10日の昼過ぎに机やベッド等の家具は後任の部屋に移動させます。」
ジーナが言う。
「ジーナ、人はどうする?
僕は、その辺聞いてないけど?」
スミスが聞いてくる。
「今回の警護に付いてくれている方々が手伝いに来てくれる予定です。
スミス様、ヴィートは男の子ですので、身の回りの事とか気を使ってあげてください。」
「うん、右も左もわからないからね。
僕も出来る限り、見るようにするよ。」
スミスが言う。
「・・・スミスの方がお付きになっているわね。
王都が初めてなら店も道もわからないだろうから仕方ないか。
ま、スミスが外出する機会が増えるから良い事かな?」
エイミーが言う。
「・・・外に出ているよ?」
「足らないわよ。
新しいお付きが来たら、街中を覚えさせるついでにスミスも新しい店を探すようにね。」
「エイミーお姉様、私も外に出た方が良いですよね?」
「アンは私と出かけますよ?
王家ご用達の店々を巡るわよ。」
エイミーがアンに言う。
「ご用達のお店ですか?」
「うん、アンも婚約が決まってはいるけど、一応、知っておかないとね。」
「はーい。」
エイミーの言葉にアンが返事をするのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




