第3366話 魔王国の新年会。(事後だが知らない者に伝達しよう。)
魔王国の広間では円卓に各王軍幹部、各領主、ブリアーニ女王が座り、新年の昼食懇談会が開催され和気藹々としていた。
「はぁ・・・ここから見る景色も今年で最後か。」
ヴァレーリが酒を飲みながら言う。
「いや・・・陛下は来年はこっちに座って居ますよね?
そこまで変わるのでしょうか?」
ボナが聞いてくる。
「気になるのならカストに言って、カストの次にこの椅子に座れば良いが?」
「ははは、お戯れを。
私なんぞ・・・カスト殿!メモをしない!メモをしないで!」
ボナがカストを止めにかかる。
「ファロンが一番大変だが、ある意味ではファロンの所のみに面倒が集中しているだろう。
ファロン、移動してまだ日が浅いがどうだ?」
「はっ!まだ引継ぎだけですが・・部下が言うには、掌握に手間取っているようです。」
ファロンが言う。
「ふむ・・・他種族なのだし、仕方ないがな。
かといって、向こうの住みやすいように習慣や政治をそのままという訳にもいかないよな。
ファロンが統治しやすいように政治事を変えて行かないといけない。
・・・ファロン、締め付けはほどほどにな。
妥協は大事だぞ。」
「はっ!試行錯誤します。」
ファロンが頷く。
「ボナ、ベッリにはファロンの領地南部のデムーロ国との国境の壁の建設に助力して貰っているが、現地でイザコザは・・・あるだろうが、大事に発展させるなよ?」
「「了解です。」」
ボナとベッリが言う。
「そういえば、ブリーニ、お前の所で米というのを栽培していたよな?」
「え?あ、はい、しております。
食されたのですか?」
「あぁ、面白いから第7軍に入れて欲しい。
どのくらい出せる?」
「え?食されるのですか?」
「うん?あぁ、ダメなのか?」
「い、いえ、可能です。
前にブリアーニ王国からアズパール王国に輸出すると言っていましたが、陛下も食べたのですか。」
「あぁ、ブリアーニ王国で食させて貰った。
出せるか?」
「そうですね・・・王城にも入れましたので・・・年450kgは出せると思います。」
「なら、全部買おう。
第7軍指揮官補佐に送ってくれ。」
「え?全部ですか?
はい・・・わかりました。」
ブリーニが頷く。
「陛下、良かったですね。
第7軍駐屯地は穀物等々を買わないといけないですから、小麦以外にも買うのですね。」
第1軍指揮官のフレッディが言う。
「あぁ、多種多様な種族が集まるからな。
それに伴って、取り扱いの種類も増やさないといけない。
ブリーニ、米については頼む。」
「了解しました。」
ブリーニが頷くが、王軍幹部は「あー、陛下のお気に入りの米を食べるのなら第7軍に出張だな。」と思っているし、アンナローロは「よし!キタミザト殿に頼んで、玄米精製機を買わないと!」と思っていたりする。
「さて・・・今年はカストにこの地位を譲るが、カスト、勉強は進んでいるか?」
「はい、しっかりとさせられています。
領主の方も息子に譲りました。」
「あぁ、さっき領主の変更届が来ていたから処理しておいた。
南はファロンの手腕に期待するし、東は警戒網を敷く。
西は領地異動に伴って、現状維持を目指すというのは前回で決まっていたな。
あとは・・・あぁ、ブリアーニ殿からの依頼があったか。」
ヴァレーリがわざとらしくブリアーニを見る。
「はい、よろしくお願いします。」
ブリアーニが頭を下げる。
「陛下、ブリアーニ殿より何かあったのですか?」
ボナが聞いてくる。
「あぁ、我が国とアズパール王国、ドワーフ王国に面している空白地帯を解消する外交工作をしていると言われた。
我が国に対して、容認と補助をして欲しいとな。
我はこれを了承し、支援する事を決めた。」
「「「え?」」」
ファロンやブリーニ、パーニが驚き顔をブリアーニに向ける。
ボナやカスト、ボニートは、この内容を知っているので、何も言わないでいる。
「陛下、ブリアーニ殿はどんな提案を2か国にされたので?
そして我が国にどのような支援依頼を?」
フレッディが聞いてくる。
「うむ、今はキタミザト殿が来てくれていた事もあって、アズパール王国との話をしている。
紆余曲折はあるが、要は領地としてはアズパール王国が所有し、鉱山内部はブリアーニ王国が所有する。
そしてブリアーニ王国から魔王国に採掘を依頼するという事だな。」
ヴァレーリが言う。
「・・・ふむ、実質的な所はわかりました。
副次的には何かありますか?」
「奴隷の陸路輸送を止める。」
「王軍は支持します。」
ヴァレーリの言葉にフレッディ以下各王軍幹部が頷く。
「私も支持します。」
「私もです。」
ボナとボニートが頷く。
「私も支持します。」
カストが言う。
「陛下がやると言い、次期陛下のカスト殿が認めるのなら、私は異議は挟みません。
穀物や武具、鋼材等で必要な事があるのなら協力します。」
「私も協力は惜しみません。」
ブリーニとベッリが言い、ファロンとパーニも頷く。
「うむ、なら、ブリアーニ王国の提案を魔王国は支援する事を正式に受ける事にする。」
ヴァレーリが言うのだった。
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