第3317話 エルヴィス伯爵邸での、その後の話。(皆に説明をしないとね。)
エルヴィス伯爵邸の客間。
エルヴィス爺さんは執務室に戻り、先ほどの話をフレデリックや局長を呼んで対処している。
アリスは、カレーを取りに来たエンマとニルデ、鈴音、そして鈴音と一緒に来たヴィクターと話をしていた。
「ふむ・・・概ね、こちらの要求は通ったという事ですね。」
ヴィクターが言う。
「ええ、ですが、今直ぐに何かが変わる訳ではありません。
それと魔王国からの講師を招く事を考えると試験小隊の小銃訓練については、注意が必要かと考えます。」
アリスが言う。
「はい、そのようです。
派遣期間の間の対処方法はマイヤー殿、アンダーセン殿に考察頂こうと思います。」
「お願いします。
それとベルテ一家の製作した、ラー油のレシピを売りました。
その事により交渉を心理的に我が方有利に傾いた状態で始められましたと考えております。
開発して頂いて、ありがとうございます。」
アリスがエンマとニルデに頭を下げる。
「いえいえいえいえ!お役に立てたのなら嬉しいです!」
「アリス様!私達が役に立ったのですね?」
エンマが恐縮し、ニルデが嬉しそうに聞いてくる。
「はい!とっても!
折角、ラー油を開発して頂いた直後に売ってしまった件については申し訳ありませんでした。
ですが、私達としては、ベルテ一家には領内での販売を集中的にしていただくと目論んでいるので、この件はご了承ください。」
「はい!領内分はしっかりと・・・まぁ、まずは冬の期間で出来る範囲で製作を始めます。」
「ええ、それで構いません。
まずは確実に品質を一定に保つようにしてください。」
「「わかりました。」」
エンマとニルデが頷く。
「それで・・・コノハ、お爺さまには報告をしましたけど、食材の輸入が出来そうなのですか?」
「うん、からしと昆布とコーヒー豆とレンコンだね。」
チビコノハがアリスの肩に乗りながら言う。
「コノハ殿、うちのウカとダキニが喜んでいました。」
エンマが言う。
「まぁ、喜ぶわよね。
で、うーちゃん、だーちゃん、ガミジンの話どう思った?」
「うーん・・・所詮は他領での聞き取りの結果だからね。
『現物みないとなぁ~』って感じ?
でも、情報が出て来ただけでもありがたいとも思った!」
チビダキニが言う。
「からし菜が割と近い場所にあったのには驚きましたし、昆布が南の海にね・・・
まぁ、コノちゃんが言うように、アズパール王国内で今取引していないのなら、魔王国からの輸入物にしちゃう方が私達としては楽だろうね。
友好にも使えそうだしね。」
チビウカが言う。
「うん、輸入費用だけ見ればテンプル伯爵領産だろうけど、友好やアズパール王国内での独占状態を私達が持つ事のメリットを考えると魔王国産の方が費用は高いけど良いよね。
ま、これについてはガミジンから現物が送られて来るのを待つしかないわね。」
チビコノハが頷く。
「「だねー。」」
ウカとダキニが頷くのだった。
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エルヴィス伯爵の執務室。
エルヴィス爺さんとフレデリック、夕霧、経済局長が居た。
「・・・なるほど。
・・・はい、わかりました。
となると・・・まぁ、当面はドラゴン方との協議等をして街道を潰す計画に沿って村々の避難等をして貰うというのは何とかなるでしょうが・・・
伯爵様、今の所は伯爵様の感覚で良いのですが、『からし菜の採取』について、どうやって人を充てがいますか?」
「期間を区切っての住み込み派遣が良いじゃろうの。」
エルヴィス爺さんが言う。
「現地に住み込み・・・ですか。」
経済局長が考えながら呟く。
「うむ、村を作る費用はない。
それに厳冬期は雪に閉ざされる場所じゃ。
いくらタケオが欲しい食材があろうとも、冬の間を山で過ごすのは厳しすぎるじゃろうからの。
雪が溶け、その『からし菜』の作付けから収穫するまでの期間を山で過ごし、冬は東町に戻って厳冬期をやり過ごして貰う。
なので、後々の話になるかもしれぬが、坑道内もしくは坑道の入口に簡易小屋や簡易宿泊所を設けたいと考えておる。
それに坑道の出入口には関の監視体制で小隊を常駐させないといけないからの。
その宿泊所も兼務させないとの。」
「なるほど・・・そちらも一度、検討した方が良いですね。
費用の大まかな算出結果がなければ、魔王国とも交渉出来ないですからね。
経済局や軍務局の協力が必要ですね。」
「うむ、フレデリックから皆には説明させるが、とりあえず経済局長から皆にも言っておいてくれ。」
エルヴィス爺さんが言う。
「畏まりました。
フレデリック様、この場の打ち合わせ記録は、早々に局長達のみに回覧させます。」
「ええ、お願いします。」
フレデリックが頷く。
「伯爵様、他に決まった事はないでしょうか?」
「ふむ・・・わしはないの。」
「わかりました、庁舎に戻り、この件の話を書きます。」
経済局長が言うのだった。
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