第3315話 昼食後の歓談。10(コーヒー豆とからし菜について。)
「さて、コーヒー豆ですが・・・デムーロ国の南端、そこからさらに船で南下した孤島にあるとの噂があります。」
「デムーロ国かぁ・・・混乱の最中だね。」
「ええ、これはデムーロ国から魔王国に移住した者の話です。」
「ほぉ、なるほど。
どんな噂が出てきたの?」
「実から採った豆を乾燥させ、粉砕し、煮出すという飲み方であり、色が茶色で風邪の症状の際に飲むとの事です。
実は塩漬けにはするそうです。」
「焙煎と挽く事はしないか・・・風邪の初期症状がある時に飲む民間療法という事ね。
お茶も元々は薬だしね。
あり得なくはないか。」
コノハが頷く。
「こちらは入手に動きますが、デムーロ国の情勢が情勢なので、入手出来るかは不透明です。」
「まぁ、遠方でもあるからね。
商店を幾つも経由するだろうし、そこは期待して待っているしかないよね。」
「わかりました。
では、こちらも入手に動くとします。」
ガミジンが頷く。
「からしというより、からし菜についてですが・・・空白地帯と思われる地点にあるとの事。
こちらも輸送時に幌馬車の車軸が破損、運悪く食料が放り出され食べれなくなったそうで。
他の商人が来るまでの間の空腹を紛らわす為に食べた所、辛かったとの事。」
「・・・からし菜って、生でそこまで辛いんだっけ?
茹でたり、塩漬けが一般的だと思うし、種子は潰して水で溶くよね。
何かしら加工して辛くなるという認識なんだけど・・・」
「種子付きで食べたのでは?
嚙み潰して辛くなったとか。」
ガミジンが言う。
「うーん・・・まぁ、いいや。
本物があるかどうかが重要なんだから。
で、あの地域は今タケオ達が話し合っていると。
ガミジン、アンナローロは知っているの?」
「一応、報告はしていますが、ダニエラ様には言っておりませんね。
キタミザト殿が知れば、有効活用して何か魔王国に売ってくれるだろうという打算もあるでしょう。
カールラ殿は・・・まぁ、言わない方が良いでしょうね。
折角、話がまとまっているのを混乱させる必要はないでしょうし。」
ガミジンが言う。
「そうね、調査の対価という事ではないけど、タケオの協力工房で不織布が出来ているわ。
輸出品目に入れるようにタケオに言っておくね。
コーヒーのフィルタに使えると思うわ。」
「わかりました。
それを加工し、魔王国およびブリアーニ王国へ普及をさせて行きましょう。」
ガミジンが頷く。
「それにしても奴隷が少数でも居て、マリス達のような迫害もしているデムーロ国の国土南端から海を挟んだ孤島か・・・何気にヤバい雰囲気だね。
風邪の初期症状に効くという事は魔人種でないようだし・・・悶着あるかな?」
「さーて?
生産量がどのくらいか・・・人気が高まれば取り合いですかね?」
ガミジンが言う。
「価格高騰は怖いねぇ。
ただでさえ、輸送費がかさむというのに・・・コーヒー豆はしょうがないか。
あ、そうだ、ガミジン、こっちでは代替品のダンディ茶・・・タンポポ茶を扱っているよ?」
「ほぉ、あれの製品化をしたのですか。
となるとコーヒーも浸透しそうですね。」
「うんうん、妊婦用のお茶という括りでライ麦の麦茶とダンディ茶を国内の上流階級に売り込み始めたんだ。
まだまだ少量だけどね。
帰る際にお土産で持って行く?」
「魔王国では希少なお茶が2つもですか。
今回の調査報酬として頂いておきましょう。」
ガミジンが頷く。
「これからローの所の酒場で爆買いでしょ?
その間に用意して、試験小隊の訓練場に持って行かせるよ。」
「ええ、お願いします。
今回はからし菜、コーヒー、昆布でしたが、他の物も引き続き調査をしていきましょう。
あ・・・そうだ。
コノハ、レンコンがある可能性が見出せましたよ?」
ガミジンが言ってくる。
「え?蓮の池があるの?」
「ええ、カスト殿の領地に。
あそこは沼地が多くありますからね。
そこで蓮の池があるようです。
・・・レンコンは食べられていないようですが。」
「レンコン食べたいなぁ・・・でも、カストの所からの輸送だと腐りそうだよね・・・
んー・・・月一の食事会のお土産に期待かな?」
「ははは、調査がてらカスト殿にレンコンがあるのか、収穫できるのかを聞いておきます。」
ガミジンが言う。
「魚肉ソーセージってどうやって作るんだっけ・・・」
コノハが考え始める。
「レンコンの穴の所に魚肉を入れて、天ぷらにするんですか?」
パナが聞いてくる。
「・・・何で知っているの??」
コノハが驚き顔をパナに向ける。
「いや、レンコンと魚肉ソーセージだとそれ以外にあるのですか?」
「ない。」
「レンコンというと日本だと穴にからしを入れたのがお土産であるそうですね。」
「あ!からしレンコン!そうだね!
よーし、新商品が出来るぞ!
あー・・・レンコンが手に入りづらいんだー・・・これは身内のみの料理になりそうだよ。」
コノハが難しい顔をさせて言うのだった。
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