第3314話 昼食後の歓談。9(昆布について。)
一方の精霊達の会談では。
「さて、コノハとキタミザト殿から依頼されて調査するとしたのは、からし、天草、昆布、ワカメ、コーヒー豆があります。
タローマティを使い、調査をしました。」
ガミジンが言う。
「あ、タロちゃん、動いてくれたんだ。
ありがとねー。」
コノハが言う。
「いえ、仕事の一環です。
とはいえ、魔王国の王都で各商店への聞き取り調査をしただけです。
ガミジン、続きを。」
「うむ、一次調査の結果ですが、からしは微妙、天草もない、昆布は微妙、ワカメは無い、コーヒーは微妙となりました。
取り引きの有無の調査なので、各地への確認はこれからになります。」
「うんうん、からしと昆布とコーヒーが微妙と言うのは?」
コノハが聞く。
「噂を聞いた事がある、もしくは成育状況、形状に類似するような点が見られます。」
「どういう説明したかによるけど、前者がコーヒーとからし、後者が昆布っぽいね。」
「まぁ、そうですね。
そして全部魔王国外です。」
「あらま。
そっかぁ、国外かぁ。」
コノハが難しい顔をさせる。
「まずは昆布から行きましょう。
昆布の群生地はアズパール王国と旧デムーロ国である第6軍管轄地との中間に森がありますが、その沿岸であると想像します。」
「根拠は?」
「難破した漁船の船員が救助後に『海の中に森があった』という証言があったそうです。
まぁ、そもそもが噂話ではありますが、海の中を見て森という表現が出来るのは、そう多くありません。
また、デッサンされた物を見ましたが、似ています。」
「ふむ・・・でも、昆布って寒冷地地方の方が繁殖するんじゃないっけ?」
コノハがガミジンに言う。
「もちろん、天然の昆布の産地や養殖が盛んなのは寒い地方でしょう。
ですが、種類を問わずに見ると割と温暖な気候帯でも生育していますよ。
まぁ、日本での流通量自体が寒い地方が多いのは確かですが。
とはいえ、形状が似ていて、森と例えるとなると・・・群生している可能性は高いです。」
「ふむ・・・なるほど。
一度、採取して貰わないといけないけど、今まではアズパール王国とデムーロ国の国境付近だったから漁船も近寄らなかったのかな?」
「ええ、デムーロ国とアズパール王国の関係はわかりませんが、キタミザト殿が探してもないという事は、アズパール王国では、この海藻を採っていないという事になるだろうと考えます。
とはいえ、現在も魔王国とアズパール王国は仮想敵国同士です。
なので、群生地付近に近寄ると相手方に拿捕される可能性は否定できません。」
「ふむ・・・わかったわ。
タケオと伯爵と相談して、魔王国の船もしくはその地を治める貴族の船が近寄っても平気なような政策提言を何かしてみようかな。
ガミジンもわかっているだろうけど、昆布は日干しが重要だからね。
その作業は大変だから・・・んー・・・ダニエラ達がやる気になれば魔王国側でしてくれても良いけど・・・ガミジンとしては魔王国が良い?アズパール王国でする?」
「私としては、キタミザト殿に売れる物があると我が主は喜びますし、何より昆布は乾燥させれば、日持ちもする。
輸出に適していますし、養殖が成功すれば魔王国内での消費も出来るでしょう。
カスト新国王の地位を不動にさせる方法かとも思います。」
「なるほど・・・次の事を考えれば、国民の食生活を良くしたという実績作りに使いたいか・・・
私としてはどっちでも良いけどね。」
コノハが言う。
「おや?アズパール王国でしたいと言うかと思いましたが。」
「んー・・・昆布は欲しいけど、それで他領発信の食材というのは私としては・・・ね。
俗な話、やっぱりタケオやアリスに利益がないといけないと思うんだよね。
生産方法を対応貴族に教えても良いけど・・・昆布はなぁ・・・ちょっと危険だよね。
最低でも今の段階では、アズパール王国の貴族に教えるよりもダニエラやアンナローロに教えた方が、こっちに利益くれそうでしょ?
タケオなら派生の昆布料理教えそうだし、お互いに持ちつ持たれつ状態になれそうな気がするんだ。」
コノハが言う。
「わかりました。
では、コノハ、魔王国で昆布と思われる物の干物化を進めるように主に提言します。
アズパール王国側の貴族には、何かしてくれますか?」
「そうだなぁ・・・伯爵とアリスに相談だけど・・・働きかけは出来ると思う。
漁獲量や漁の期間を決めさせて貰って、魔王国の越境を許可するような感じになるかな?
ちょっと、どうなるかわからないから、なったら良いなぁ程度に考えておいて。」
コノハが言う。
「では、それは頭に入れておくとして。
まぁ、魔王国の方は勝手に昆布の採取を始めるとしましょう。
とはいえ、まずはその群生地があるのか、それが昆布なのかの確認をしないといけませんが。」
「任せっきりになるけど、よろしくね。」
「ええ、大丈夫です。
輸出に繋がる可能性があるとわかれば皆やるでしょう。」
ガミジンが言うのだった。
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