第3310話 昼食後の歓談。5(空白地帯に何がある?)
「・・・ふむ・・・キタミザト殿にとっては、そこに鉱山以上の価値があるのか。」
ヴァレーリが考えながら言う。
「あるような・・・ないような?
ですが、少なくとも、あそこを通る奴隷をなんとかしたいというのは本音です。
そこの通行を規制、監視する為にこの案があるのは確かです。」
「・・・それはわかるが。」
「それに事実として、エルヴィス伯爵領には製鉄のノウハウがありません。
なので、採掘をしようにも経費がかかるだけで、数年から数十年は手を付けられないでしょう。
そんな事をしているよりも領内の農業等の政策に費用を振り分けたいのです。
そして、魔王国、ブリアーニ王国で行動を起こされると、否応がなく部隊の派遣をする羽目になります・・・こんな土地いりませんよ。
なので、中身を空っぽにしてくれそうな国家が近くに出来るようなので、声をかけただけです。
そして、我が国の王都には中身はないけど、外側は貰ったと言って、領土拡大をしたという成果を上げたいのです。
少なくともエルヴィスさんはそれでお咎めなしでしょう。」
武雄が言う。
「ふむ・・・ふむ・・・言い含められている気がするんだが・・・」
ヴァレーリが難しい顔をさせながら頷く。
「キタミザト殿、本当の、本当に私達が根こそぎ採掘して良いんですか?」
「はい。」
「エルヴィス殿も?」
「ええ。」
ブリアーニの問いに武雄とエルヴィス爺さんが頷く。
「・・・ダ、ダニエラ、良いんだって。」
「そのようだな・・・では、その線で魔王国とブリアーニ王国で意向を固めて行こう。」
「はい、出来る限り早急に意向を渡しましょう。」
「うん。」
ヴァレーリとブリアーニが頷く。
「でだ、共同管轄という方法は良いとして・・・まぁ、鉱山内はブリアーニ王国、所有はアズパール王国というのは良いとしてだ。
坑内に居る不法占拠している集団をどうにかしないといけないのだが・・・」
ヴァレーリが武雄に顔を向けるとにこやかな笑顔を返してくる。
「はぁ・・・まぁ、その人員も我らで何とかするか。」
ヴァレーリが諦めながら言う。
「ダニエラ、私達も坑道の戦闘は苦手なんだけど。」
「わーかっている。
ボナとボニートに依頼しよう。
あそこならば坑道内の戦闘も問題ないだろうからな。」
「ボナ子爵とボニート男爵ですか?
確かドワーフとメタルゴーレムの種族ですね。」
「「「メタルゴーレム?」」」
武雄とエルヴィス爺さん、アリスが聞く。
「うん?見た事ないのか?
魔王国の東側の領主と部下達だ。
金属の生命体のようなものだな。
人型や動物の姿をしていて、意思も持っているんだ。
戦闘になると、まぁ!硬い!
防御力なら集団としても我が国内トップだろうな。」
ヴァレーリが言う。
「そういえば、ボニート男爵領産の焼き物をお土産で買って来ましたか。」
「うむ、あいつらは食器等の職人みたいなものだな。
焼き物が評判が良いとは聞いているぞ。」
「ダニエラさんは使わないので?」
「高いらしいからな。
割れると大変そうだから我の代では使っていないぞ。
来賓が来られた際には意匠が映える物にしているしな。」
ヴァレーリが言う。
「なるほど、その2貴族に依頼をかけられると?」
エルヴィス爺さんがヴァレーリに聞く。
「うん、とはいえ、ボナは南のデムーロ国への対応でファロンの支援をしている。
すぐに対応は出来ないだろうが・・・坑道内の方も一旦、持って帰って相談だな。
エルヴィス殿やキタミザト殿の方にも一度、戦闘計画を見て貰った方が良いかもしれないし。」
ヴァレーリが言う。
「「わかりました。」」
武雄とエルヴィス爺さんが頷く。
「空白地帯の坑道内は我らで対応するとして、確か坑道に入らないでドワーフ王国へ抜ける街道が山肌にあったと思います。
こちらはどうしましょうか?」
アンナローロが聞いてくる。
「そこはエルヴィス殿達の管轄だな。」
ヴァレーリが武雄とエルヴィス爺さんに言う。
「・・・グローリアさん。」
武雄がグローリアに言う。
「うん?我か?」
我関せずで話を聞いているグローリアが顔を向ける。
「前にブリアーニ王国でドラゴン達の訓練の話をしていましたが、あれをこっちでしませんか?
まぁ、レッドドラゴン、ホワイトドラゴン、ブルードラゴン限定ですが。」
「ふむ・・・仕事という事だな?」
「訓練も加味してお安くして欲しいのですが・・・」
「うむ・・・内容によるか。
何をお望みか?」
「はい、街道より山側50m付近の指定した地点へのレッドドラゴンのブレスによる森林焼失と一昼夜に及ぶ、ホワイトドラゴン及びブルードラゴンのブレスの断続的な実施です。
それにより地盤内の水分量を増やし、ブレスによる振動を断続的に与える事により街道への地すべり・・・人為的な山崩れを誘発させたいです。
そして物理的に街道を使用不能にすると共に被害甚大につき復旧不可能に追い込みます。」
「「「!!?」」」
ヴァレーリ、ブリアーニ、アンナローロが目を見開きながら驚くのだった。
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