第3308話 昼食後の歓談。3(空白地帯の話をしよう。)
「ふむ・・・輸出品と人材派遣の話は終わりですね。」
エルヴィス爺さんが言う。
「はい、後は私の仕事として、王都で色々と決めてくれば問題ないかと。」
武雄が言う。
「うむ、では、私からの話に入りましょうか。」
エルヴィス爺さんが言うと武雄とアリスが背を正す。
ヴァレーリ達は「?なんの話をするんだ?」と顔を向ける。
「私からブリアーニ王国への提案と言うか、意向の確認なのですが・・・
この地の北東とブリアーニ王国とドワーフ王国が隣接している所の空白地帯。
領地替えとなったこの時を以て、私とブリアーニ殿とで共同管轄地としたいのですが、どうですかな?」
エルヴィス爺さんが言う。
「「「!!?」」」
ヴァレーリとブリアーニ、アンナローロが驚き顔をさせる。
「これはまだ我が国の了承は得ていません。
なので、この場では、あくまで意向確認とさせて頂きます。」
武雄が言う。
「共同管轄としていても、区分けは必要でしょう。
・我が国に土地の利権を認めてくれれば、採掘権はブリアーニ王国が所有する
・我が領に採掘物資での売り上げの1割を頂けるのなら、鋼材を適正価格+1割にて買取をする
・ドワーフ国が貴国に何か言って来たら、貴国とエルヴィス家、キタミザト家が協力し対処する
この3つの条件で個人としてまずは約束をしませんか?」
アリスが言う。
「「・・・」」
ヴァレーリとブリアーニが目を右往左往させながら考え始める。
「質問が・・・土地の所有権をアズパール王国が有し、採掘権と販売をブリアーニ王国が有するとの事ですが、その意図はなんでしょうか。」
アンナローロが聞いて来る。
「うむ、キタミザト殿、説明を。」
エルヴィス爺さんが武雄に言う。
「はい、最大の理由は通行監視です。
2か国の共同管理地であるのなら、一般の商隊なら良いのですが、特別な積荷を積んでいる事も考えられます。
我が国では奴隷商は入国が出来ません。
ですが、法をかい潜る者は必ず居ます。
そこでブリアーニ王国と二重の確認がしたいと考えています。
デムーロ国の国土縮小に伴いウィリプ連合国への奴隷の流入が減りました、今度は陸路を遮断したいと考えています。」
武雄が言う。
「・・・我が国では奴隷は禁止です。
ですが、今までの事を考えるとアズパール王国と二重の監視はメリットがありますね。
易々と奴隷商が暗躍していましたし。」
ブリアーニが言う。
「なるほど、奴隷商への締め付けか。
採掘権をブリアーニ王国側にするのは、なぜだ?」
ヴァレーリが聞いて来る。
「カトランダ帝国と我が国はドワーフ王国から鉄を輸入しています。
今後、ウィリプ連合国との係争において、2か国で取り合いをする事になるでしょう。
なので、ブリアーニ王国から買い付け出来るようにしておきたいのです。」
エルヴィス爺さんが言う。
「ふむ・・・だが、逆でも良いんじゃないか?
むしろエルヴィス伯爵殿達は鉱山を持っていた方が良いと思うんだが。」
ヴァレーリが考えながら言う。
「私達には採掘のノウハウがありませんので、採掘するのも長い年月がかかると思います。
一番必要な時に採掘が軌道に乗るかどうか・・・
その点、ブリアーニ王国は魔王国から人員を雇えますので、採掘が滞りなく出来るかと。
私達は土地の所有権だけで構いません。」
アリスが言う。
「ふむ・・・確かに同盟国の頼みならボナ達に行かせるが。
そうか、エルヴィス伯爵が採掘権を持っていても我らを雇えないか。」
ヴァレーリが頷く。
「ダニエラ、私達も採掘のノウハウがないので、お貸し頂けるとありがたいですが・・・」
ブリアーニがヴァレーリに聞く。
「大丈夫だ、我らの方にも利があるみたいだし、貸し出そう。
その際の取り分は、会議で決めような。」
「ダニエラ、お手柔らかに。」
ブリアーニが言う。
「むしろ根こそぎ採掘して、廃坑にしてくれて良いんですけど。」
「「「!??」」」
武雄の言葉に3人が驚く。
「うむ・・・まぁ、それもありでしょう。
そこに資源があるから係争になるのです、資源がなくなればただの土地。
私達は所有権を頂いているので、坑道を潰し、入れないようにしてから。
公園にでもして憩いの場にしますよ。」
エルヴィス爺さんが言う。
「ね・・・根こそぎで良いのか?」
ヴァレーリが聞いてくる。
「ええ、構いません。」
エルヴィス爺さんが頷く。
「採掘の1割を土地代としてエルヴィス伯爵殿に納入するのですね?」
「ええ、そうして頂ければ、ブリアーニ王国から輸入する鋼材には、相場の1割増しで購入させて頂きます。
ダニエラさん、廃棄する剣等の輸出もお願いしますね。」
武雄がブリアーニに言う。
「わかっている。
それはデムーロ国との時にも話したろう?
輸出は問題なくする。
だが、鋼材をか・・・今はこっちで全数買っているが・・・根こそぎ採掘して良いとなると・・」
ヴァレーリが言ってから考えるのだった。
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