第3299話 毛布が届いたよ。(考える事は似ていても武雄は動きます。)
倉庫の片隅で武雄とヴィクターが作業を見ていた。
ラルフとイーリー、他男性陣達はエルヴィス家の文官達と打ち合わせをしている。
「・・・ヴィクター、こっちでも需要があるのなら魔王国でも需要があるのですかね?」
「ない・・・とは言えませんが、私は、そういう要望は聞かなかったですね。
それに種族の違いもあり、求められる毛布のサイズも違いがあるでしょうし、多くは売れないのでは、ないでしょうか。」
「多種族国家ならではですね。
多くを売れないとなれば、輸出品目にはならないですね。」
武雄が言う。
「何かあるのですか?」
「いえ、ダニエラさんが、『ウォルトウィスキーをいっぱい買うから、こっちからも買え』と言っていたので、もっと売ってみようかなぁと。
もっと収支差が開いたら、どんな反応をするか、ちょっと考えたら面白そうだったので。」
「・・・主も人が悪いですね・・・まぁ、魔王国としては、輸出入での収支の差が気になるのでしょう。
私がやるとするなら、キタミザト家は、個数が売れるだけで収入になるのです。
収支が気になるなら、その分をアズパール王国内で捌いても良いと思いますね。」
「ヴィクター、輸出量を減らしたら、ダニエラさんが暴れるでしょうから止めましょう。
ついでに、これでの脅し・・・駆け引きも危ないでしょうね。」
「畏まりました。
主もお気を付けください。」
「はい、わかりました。
・・・まぁ、魔王国からの輸入拡大という事だと空白地帯からの鉄の輸入があるので、放置で良いでしょうね。」
「ですが、ウォルトウィスキーとウスターソースだけでは、我が方からの支払いが多そうですね。」
「鉄を手に入れられるルートが新たに出来るのですから、多少支払いが多くても致し方ないでしょう。
それにウォルトウィスキーとウスターソースの生産量が上がり、輸出量が増えれば収支の差は縮まるでしょうから大丈夫でしょう。」
「主がそう言うのでしたら、下準備はしておきます。
ダニエラ様方が来られた際に言われますか?」
「・・・ヴィクター、国内と国外、どちらから取り掛かった方が良いのでしょうか?」
「普通は国内でしょう。
王都に許可を頂いてから交渉でしょうね。
ですが、空白地帯は領土問題です。
交渉前に持って行っても『現状維持』が大勢を占めるのではないでしょうか。」
「ふむ、ダニエラさんとカールラさんに説明して許可を得てから王都に報告しましょうか。」
「説明の流れがしっかりしていないといけないでしょうね。」
「ま、王都の方は何とかしますよ。
ダメだったら鉄くずを作って貰って輸入で良いでしょう。
専売局が居ないのです、輸出入品として買い取れば良いだけですし。」
「まぁ、声をかけておく事が重要だと思っているだけでも大丈夫でしょう。
うん?・・・兵士が飛び込んできて文官方と話をしていますね。」
ヴィクターが倉庫の入り口を見ながら言う。
「城門に輸送隊が到着しましたね。」
武雄が言うのだった。
・・
・
「ここからは3列目になります。
誘導に従って、進んでください。」
「はい!こちらに停めてください!」
「次の幌馬車はこっちに!
ゆっくりでかまいません!ここでーす!」
「はい、到着ご苦労様です。
書類は荷台に釘をうちますので、この袋に入れておいてください。
はい、はーい、大丈夫ですよ。
一緒にやりながら確認しましょう。
確認班集合!
こちらの方と一緒に準備をしてください!」
「はい、積載内容の確認は終わりました。
この書類を持って、受付に行ってください。
休憩所が隣に用意してあります、軽く寝れるようにしていますし、スープもあります。
そちらで待機しておいてください。」
エルヴィス家の文官達がスムーズに毛布を載せた幌馬車の誘導から中身の確認、受付まで対応をしていた。
で、武雄とヴィクターは邪魔にならないように眺めている。
「ふむ、もう1列目の幌馬車の確認作業が始まっていますね。」
「3班で別々に確認して行くようです。」
「3回チェックするのですね。」
「はい、1班、2班、3班で各々チェックリストの内容を見ながら確認だそうです。
そして、班でのチェックが終わったら幌馬車に番号札をかけて、チェック済みの印とするようですね。
チェックしていない幌馬車がないかを誰が見てもわかるようにしているのでしょう。」
「ふむ、慣れてますね。
まぁ、毎年、税の確認をしたり、他領から相当数の小麦を買い付けているのですから、確認作業は割といつもの事なのでしょうね。」
「報告します。」
文官が1名武雄の下にやって来る。
「はい、どうしましたか?」
「やはりというか・・・第1皇子一家と王都で少々入れ替えが発生しています。
こちらが同封されていた書類です。」
文官が武雄に書類を渡す。
「・・・私が考えたよりも少数ですね。
これは各々の所で品質確認の為に抜いたと考えるべきですかね。」
「はい、私もそう思います。」
「イーリーさんとラルフさんに言って、第1皇子一家と王都で入れ替えた物の全数入れ替えさせてください。
この地からの輸出物はカトランダ帝国産とエルヴィス伯爵領産の2種類とします。」
「了解しました。
では、作業に戻ります。」
文官が武雄から書類を受け取って、持ち場に戻るのだった。
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