第3291話 サテラ製作所に行ってみよう。(予定は未定で想定を話します。)
昼食後のサテラ製作所 応接室。
武雄がキャロルと話をしていた。
武雄に同行したアスセナは議事録を作る為に書記をしている。
「ふむ、その木版を使って、連続で紙や不織布に転写するというシステムを作る可能性があると。」
「はい。
簡易的に考えれば黒色の1色刷り、難しく考えるのなら3色ないし4色刷りかと。
まぁ、初期なので、1色刷りの連続印刷技術を考察してみてはどうでしょうか。」
「ふむ・・・流れとしたら、セットした木版にインクを塗る、紙を置く、紙を均一に押す、紙を剥がすという流れ・・・と言うのはわかりました。
どれもすぐに出来そうに思われない技術ですね。」
「だからこそ、製品化されてないのです。」
「確かに。
・・・ふむ。」
キャロルが考える。
「この流れをどうやって作るか。
木版にインクをローラー等で塗る、その上に毎回同じように紙に置く。
もしくは木版をセットされた紙に押し当てて、転写し、紙を移動させる・・・という手もありますか。」
武雄が言う。
「なるほど、紙が動かないで、印刷部分が動くというのも・・・確かに考え方としてはありですね。
そうすれば、バラける可能性が高い紙は最初の状態から動かないので、ズレが最小で済む可能性がある。
そこに印刷する物を押し当てて・・・押し当てるか・・・・均一にですよね?」
「ええ、動きの予想はこうやって。」
武雄が腕を畳んだり伸ばしたりしながら言う。
「ふーむ・・・・それだと転写した物が滲む可能性があるように思いますね。
上から均一に押し当てる方が良いと思いますが・・・・」
「インクを塗る方法がそれでは難しいのでは?
こうやって毎回、起き上がって来る方がインクを塗り易いと思います。」
「それは確かに。」
「なら押し当てる方に角度を付けるとか。」
「ふむ・・・・押された紙を退ける方法も必要ですね。」
「人の手で剥がして、紐等に吊るして乾かすしかないのでは?
乾いたら裁断すれば良いかと。」
「ふむ・・・まぁ、こちらで検討します。」
「はい、お願いしますね。
上手く行ったら他の仕事も依頼しますので。」
武雄が言う。
「・・・他の仕事で・・・これはハワース商会の仕事ですよね?」
「ええ、でもペナントの印刷用だけにしたら4町とこの街分で・・・500枚とか1000枚とかで終わってしまうでしょう?
その後にも同じ機構を使って継続的に仕事が出来るようにしないと、サテラ製作所に依頼する程の機械を導入してくれませんよ。」
武雄が「なーに言っているんですか」と笑いながら言う。
「つ、次の仕事ですか、何かあるのですか?」
「うん?・・・まだ未定ですけど、今考えているのは毎月か隔月毎にエルヴィス家から官報という広報誌を作ってみても面白いと思っています。
今、どういう事を検討しているとか、こういう方針に決まったとか、領内やエルヴィス家の予定とかを記載し、区画毎や各町、各村に張り出したら領民の皆さんにお知らせが事前に出来て、便利だと思います。
なので、今度、こういう企画をしませんかとエルヴィスさんに提案しようかと。」
「エルヴィス家の動きを領民皆に知らせるという事ですか。」
キャロルが考えながら言う。
「まぁ・・・色々あるから、政策の結果と予定が記載されるだけかもしれませんが、そこは何を書くかはエルヴィス家が考える事。
その大枠を書いて貰って、ハワース商会で木版にして、サテラ製作所の機械に組み込んで紙に印刷して、貼りだし周知する・・・という流れが出来れば、定期的に仕事になるでしょう。」
「ふむ・・・確かに仕事として成り立ちそうですが・・・」
キャロルが考えながら言う。
「あとはイーリーさんやローさんとかに頼んで、商店の広告やチラシをお願いするか。」
「・・・どういった内容で?」
「うーん・・・何月何日から1週間、この商品を1割引きにするとか?
もしくは新商品の紹介を書いて、認知度を上げるとか?
イーリーさんもローさんも数に限りがある商品なので、先着何個と書けば、集客に繋がるかもしれないですね。
キャロルさん達の良く行く酒屋さんで考えるなら、いついつから1週間限定の料理が出るとか、安くするとかを告知すれば、それ目当てでくる客もいるかもしれません。」
「・・・キタミザト様、それはハワース商会に言ったのですか?」
キャロルが聞いてくる。
「言っていませんよ。
ペナントの製作で木版画を使うだけかと思ったら、さっきヴィクターの所に契約書を持ってきたので、今後も木版画関連を受け付けるっていう意思表明をされたと受けてしまったので、ヴィクターと話して、キャロルさんに一応知らせておこうと思って、今があります。」
「なるほど・・・だからシステムを作る話なのですね。
仕事が多くなった際に私共に声がかかるという事ですか。」
「ええ、そう言いませんでしたか?」
「私が聞いたのは、ハワース商会が印刷する技術を導入し、ペナント等を印刷する可能性があるとしか聞いていませんが?」
「うん、正確でしょ?
その先の発展は私の想像でしかないですからね。」
「仕事増やすんですよね?」
「予定は未定ですよ。
ま、動きますけど。」
「はぁ・・・相談が来るまでに何が出来るかの検討をしておきます。」
キャロルが若干疲れた顔をさせて返事をするのだった。
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