第2830話 王城の宝物庫に行こう。(手伝い募集です。)
デムーロ国 王都の城門前にて。
「カスト!気を付けて戻れ!」
ヴァレーリの言葉でグリフォンが頷き、飛び立っていく。
「はぁ・・・で、キタミザト殿、どうするんだ?」
「私は帰国です。
あとはご自由に。」
「はぁ・・・まぁ、予備として懐においておくか。」
ヴァレーリが諦めながら言う。
「では、王城に移動しましょうか。」
アンナローロが言い、先導し始める。
「はーい。」
武雄が返事をする。
「あ、そういえば・・・陛下、これを。」
アンナローロがヴァレーリに手紙を渡す。
「なんだ?これ?」
「私の退職届です。」
「おおおおおおおおおおお・・・」
ヴァレーリが震える。
「陛下が替わる前に辞める気ですので。
受理を!」
「いや、直接我に持ち込むな。
フレッディに渡せよ。
ついでに相談もしてこい!
というより、前の話は冗談ではなかったのか?」
「はい、冗談ではないですよ。
陛下が替われば、どこがどうなるか・・・巻き込まれる前に辞めます。
指揮官補佐の引継ぎ準備は終わっています。」
「・・・アンナローロ、お前、前から準備していたろう?」
「ええ、陛下が引っ越す気満々だったので、私も準備しています。」
アンナローロがいけしゃあしゃあと言う。
「・・・まぁ、辞める我がいう事ではないが・・・第1軍は大丈夫か?」
「誰がなろうと一定以上の質は保てるのが組織ですよ。
引継ぎもしますし、後輩は優秀です。」
「うむ、そうか。
その旨をフレッディに言ってくれ。」
「はい。」
アンナローロが言うのだった。
・・
・
で、デムーロ国の王城内の宝物庫内。
警護していた王軍の兵士達は室外に出ている。
「・・・焼けてますね。」
「焼けているなぁ。
だが、一部は焼けていないな。」
武雄とヴァレーリが室内を見回しながら言う。
「扉はちょっと開けるのが重くなっていますね。
熱で蝶番が曲がりましたかね?」
アンナローロが扉を見ながら言う。
「元々、重厚に出来ていたのが開きづらくなった程度なら宝物庫としては良いんじゃないか?」
ヴァレーリが言う。
「一応、この部屋自体は石造りの構造で大抵の火災にも耐えうるはずとの事です。
第3軍の者に調べさせましたが、崩落の危険はないと結論付けました。」
アンナローロが言う。
「・・・焼けた匂いは独特ですね。」
武雄が言う。
「まぁ、そうだな。
あまり良い匂いではないし、服にも付くからな。
キタミザト殿もこの後に着ていた服は洗った方が良い。」
「そうします。
・・・さてと、やりますかね。
タローマティさん、ガミジンさん、お手伝いお願いします。」
「喜んで。」
ガミジンが現れる。
「うん?タローマティさんは?
大砲の」
「ヨロコンデシマス!」
タローマティが現れる。
「・・・」
チビダハーカがタローマティの肩に現れ「私にはないの?」という雰囲気を出している。
「ダハーカさん、瓦礫を一角に集められますか?
力仕事になってしまいますが、頼めますか?」
「・・・」
ダハーカが人間大になり頷く。
「いや・・・キタミザト殿、我らの精霊を使うのか?」
ヴァレーリが呆れながら言う。
「あぁ、報酬はガミジンさんはお茶の葉、タローマティさんにも同じので良いでしょうか。
ダハーカさんには・・・欲しい物があって、私が買える物であれば、用意をしますよ。」
「・・・」
ダハーカが首を振る。
「で、あるのなら、私がこの後、お茶を一式用意しますね。
お茶とお菓子を楽しんでください。」
「・・・」
ダハーカが頷く。
「ちょっとまてー。
キタミザト殿、格安過ぎないか?」
「ご本人が良いのでしたら問題ないでしょう。
では、ダニエラさんとアンナローロさんにもお茶とお菓子を。」
「うん、なら良い。」
ヴァレーリが頷く。
「はぁ・・・私もこれと言ってありません。
ですが、キタミザト殿も精霊が居ませんでしたか?」
「あれ?見せましたかね?」
武雄がにこやかにアンナローロに言う。
「はぁ・・・キタミザト殿、取って食ったりはせん。」
ヴァレーリが呆れながら言う。
「私の精霊殿。」
「はい、お呼びですか。
ヴァレーリ殿、アンナローロ殿、私の名は言えませんが、タケオに契約している者になります。
よろしくお願いいたします。」
スーツ姿のチビパナが武雄の肩に現れてヴァレーリとアンナローロに言う。
「ふむ、名を名乗れないというのは、他の精霊にも知れ渡る上位だからか?」
「いえ、逆です、私が弱すぎるので名がわかってしまうとタローマティやガミジン相手でも何も出来なくなりますので、秘匿させて頂いております。」
チビパナが言う。
「ふむ、秘匿すればどういう相手かわからずに自ずと手を出さないという事だな。」
「はい、情報戦を仕掛けないといけない程、私は弱いので。」
チビパナが表情を出さずに言う。
「その言葉を信じるかどうかも情報戦と言う事か。
ま、また会う機会があるだろう、いつか教えてくれ。」
「はい、ヴァレーリ殿、主タケオと懇意にして頂けるのでしたら、いつかはしっかりと挨拶させて頂きます。」
チビパナが言うのだった。
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