第2829話 港町の戦況変化。(カスト、一旦戻る。)
門の内側にて。
「以上!報告終わります!」
伝令が第1中隊長に言う。
「・・・そうか・・・間に合わなかったか・・・
総員!聞け!
これより第3段階に移行する!第3段階だ!」
一瞬空を見上げた中隊長がすぐに戦闘している皆を見ながら言う。
その言葉に皆の顔が緊張が走り、覚悟をした顔つきになる。
「総員!奮戦せよ!
行くぞ!開け―!!!!」
「「「「おおおおお!!!」」」」
第1中隊の兵士達が盾で群衆を押し込む。
後方にいた兵士達も剣を構えて集結し始める。
ただし、今までと違うのは両端3人目を支点に内側と外側で圧をかける人数が違っていた。
両端は押し込むのではなく防御に力を入れ、ほぼ動かず、中央は人数をかけ圧を最大限にかける。
それも正面に向かってというよりも若干両脇に向けての斜めに圧をかけ始める。
いきなり圧が変わり始め、観音開きのように開いて行く。
開いて行くと中央の盾持ちが露になり、攻撃を受けそうだが、そこは王軍。
隙間が空いた時点で、突きをしていた兵士達が詰め、敵に斬りかかり、攻撃をさせない。
相手が兵士だろうと奴隷であろうと変わらずに斬り伏せる。
盾持ちが気にせずに両脇に向けて開いて行くと、王軍が次々に前面に突撃して行く。
精鋭部隊である王軍は命令が下れば、個人の感情よりも戦闘に集中していく。
また第5軍の兵士達も敵後方にある門に向かって魔法を撃ち、王軍は圧倒的に敵を制圧し始める。
門はすぐそこに迫るのだった。
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デムーロ国 隣接の港町の門から300m地点の王軍陣地。
「報告!観測中の第4軍より。
第1中隊が門に向かい突撃開始!」
伝令が大隊長に報告する。
「総員!突撃用意!
目標!敵保有の奴隷船!
第1および第2中隊は確保に!第3中隊は受付の建物を押さえろ!
我らを邪魔する者は排除しろ!」
「「「「おーー!!!」」」」
兵士達が腕を上げるのだった。
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デムーロ国 王都の城門外にあるヴァレーリのテント。
「さーって、夕食も取ったし、キタミザト殿が何を見つけるか宝物庫に行くか。」
ヴァレーリが言う。
「・・・焼け落ちているんですよね。」
一緒に夕食を取っていた武雄が見るからにテンションを下げながら言う。
「うん、最初からそう言っているだろうに。
何か残っていれば良いな。」
ヴァレーリが言う。
「ぎゅ?」
「え?リーザも何か欲しいのですか?」
リーザの問いにミアが反応する。
「ぎゅ、ぎゅ。」
リーザが身振りを交えて言ってくる。
「ほぉ・・主、リーザがエルヴィス伯爵邸にある私達の部屋のドールハウスが欲しいそうです。」
「・・・いや、別にデムーロ国で探さなくても戻ったら作らせますよ?
ついでにあの部屋の住人皆の分を作りましょうか。」
武雄が呆れながら言う。
「ぎゅ!?ぎゅー♪」
リーザが喜ぶ。
「主、私のは今のままで良いですよ。
どうせ、寝るだけの部屋ですし。」
「作っても良いですよ?」
「んー・・・あ、なら、サスケとかハンゾウ、フウガの小屋を広げましょう。
広くしておけば、子を作るでしょうし。」
「わかりました。
今回の魔王国との戦争で酷使しましたからね、報酬と言う事で新たな小屋を作りましょう。
ミアはサスケ達と話し合って、どんな室内が良いか決めてくださいね。
ま、用意出来る大きさは帰ってから確認しますからその後にお願いしますね。」
「はーい。」
ミアが返事をする。
と、兵士が入って来る。
「失礼します。
カスト伯爵殿が戻られました。」
兵士が言ってくる。
「「・・・」」
ヴァレーリとアンナローロが武雄を見る。
「・・・」
武雄が「知らなーい」という笑顔を向ける。
「・・・そうか、入れてくれ。」
「はっ!」
兵士が返事をするとカストが入って来る。
「陛下、戻りました。」
「うん、ご苦労。
ボナは生きているか?」
「はっ!大丈夫です。
現在、第2軍とは別行動を取っており、進捗を伝えに参りました。」
「別行動・・・ねぇ・・・」
「陛下?」
カストが不思議そうに聞き返す。
「いや、何でもない。
それで何をした?」
「はい、港町に続く街道を行く武装集団を発見し、私達とボナ殿の部隊で強襲しました。
怪我人はありません。
捕獲した幌馬車等をこちらに輸送する事にしましたので受け入れをお願いします。」
「そうか・・・わかった。
おい、第1軍に伝えて、受け入れ場所を用意。
引き渡されたら検分するように。
また、戦闘をしたカストとボナの部隊に軽食と寝床の用意をしておけ。」
ヴァレーリが部屋に入って来た兵士に言う。
「了解しました。
失礼します。」
兵士がテントを去る。
「で、カスト。
私見で良い、何を輸送していそうだ?」
「中身はボナ殿が確認しているとは思いますが・・・少なくとも盗賊ではなさそうですので、王都を脱出したなにがしかで、輸送しているのは高級な金品かと。」
カストが言う。
「・・・だって。」
ヴァレーリが武雄に言う。
「それはようございましたね。」
武雄がにこやかに頷くのだった。
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