第2827話 第2軍指揮官が到着しました。(カストとボナ仕事中。)
デムーロ国 隣接の港町の門から300m地点の王軍陣地。
グリフォンやワイバーンが降り立っている。
「指揮官殿に敬礼!」
その場の兵士達が敬礼する。
「お疲れ、芳しくないとの事で応援を連れてきた。
大隊長の所で打ち合わせをしたい。」
「はい!今攻撃をしている中隊以外の中隊長が揃っています。
こちらになります!」
「うむ、頼む。
連れてきた皆は小休憩に入れ。
中隊長は私と一緒に打合せだ。」
「わかりました。」
兵士を先頭に指揮官と中隊長達が歩いて行くのだった。
・・
・
「・・・厄介だな・・・門が開けられないか。」
臨時のテントで状況を説明された第2軍指揮官が考える。
「現在、第4軍の協力で港町内に1個中隊を送り込んでおりますが、占拠できたのは1区画の1つの通りのみ。
前後を奴隷や守備している兵士に塞がれており、前面には奴隷が泣きながら剣を構えていて・・・
強引に突破を試みるとなれば、奴隷が命を落としてしまうかもしれませんので、兵士達が盾等での防戦のみで・・・」
大隊長が苦渋の表情で言う。
「ふむ・・・だが、奴隷船の奪取が我らに与えられた任務だ。
出航されてしまえば、多くの国民に犠牲が出る。
悠長には出来ん。」
「はい・・・」
「奴隷を一撃で昏倒させ、魔法師が眠らせて捕縛し、その後、回復させるしかないだろうという強行案も出されている。」
「それは・・・陛下からですか?・・・ですが・・・」
大隊長が渋い顔をさせる。
「・・・命令!」
指揮官の言葉に全員が背筋を伸ばす。
「連れて来た第1大隊 第1中隊および第5軍 臨時編成1個中隊を追加で港町内の占拠している通りに投入する。
第1中隊長。」
「はっ!」
兵士が立ち上がる。
「第2軍 第1大隊 第1中隊は港町内に入り、門に向かえ。
また、道中の敵に対しては、同行している第5軍の臨時1個中隊と連携し、即座に無力化しろ。
ただし、奴隷の首輪をしている者は一撃で意識を刈り取り、捕縛し回復をしろ。
門開放までの指揮権を第1中隊長に任せる。」
「了解しました!」
「第2軍 第2大隊は開門したら即座に突入し、輸送船を確保をしろ。
大隊長、いつでも突入出来るよう準備しておけ。」
「はっ!了解しました!」
大隊長が返事をする。
「先行している第4軍のワイバーン部隊についてだが、今回連れて来た者達の一斉輸送をお願いする。
第4軍 中隊長、港町に潜入している者はどのくらいだ?」
「はっ!現在50名が港町に入っており、半数は展開中の第2軍 1個中隊と共におります。
あと半数は輸送船の監視と受付している建物の監視に向かっております。
こちらについては現在、連絡が途絶えておりますが、監視中であると考えます。
大隊突入後、合流する手はずになっています。」
兵士が立って言う。
「孤立させてしまったか・・・早々に門を開放して大隊を入れないと危険だな。
第5軍 臨時中隊長。」
「はっ!」
「第1中隊と共に港町内側から門を開放するのに協力願う。」
「了解しました。
奴隷達を捕縛し、回復させるのは我らにお任せください。
第2軍 第1大隊 第1中隊は囲んでいる敵を突破し門の解放をする事を最優先で行ってください。」
兵士が立って言う。
「言葉に甘えよう。
さて・・・こちらに先行した者は不思議に思っただろうが、グリフォン隊が居たな・・・カスト伯爵殿、ボナ子爵殿もこちらに向かっていたが、向かう街道沿いに不審者がいたので、そちらの対応をお願いした。」
「両領主殿がですか?」
兵士が聞いて来る。
「ああ、陛下やキタミザト殿の前では冷静に対応していたが・・・相当怒っている。
本来はこちらに参戦したかったのだろうが、我ら王軍に任せて貰っている。
そして港町攻撃にはグリフォン隊は参加させない。
・・・この地に居る総員に伝令せよ!
覚悟を決めろ!決戦の時だ!
今決しなければ今後の禍根となりうる!
全ての責任は私が取る!職務を全うしろ!
以上!作戦を開始せよ!解散!」
「「「了解しました!」」」
兵士達が立ち上がりテントを出て行く。
「・・・はぁ・・・これは皆のフォローが大変だろうな。
それにしても・・・港町がなぜにこうも強固な抵抗をするんだ?
奴隷船があるだけではこうはならんと思うんだが・・・」
第2軍指揮官がぼやくのだった。
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港町とデムーロ国王都を結ぶ街道では。
「ぎゃー・・」
「くそっ!!なん・・ぐはっ・・」
「「・・・」」
グリフォンとドワーフ達が無言で幌馬車数台を襲撃していた。
「くそっ・・・我を誰だ・・ぐっ・・・」
問答無用で幌馬車に同乗ないし、同行していた者達の息の根を止めていた。
「・・・討ち漏らしはなさそうだな。」
ボナがハルバードを担ぎ周囲を見ながら言う。
「・・・ボナ殿、お疲れ様です。」
カストが人間形態になってボナに言う。
「カスト殿も怪我がなく、何より。
・・・相変わらず単体の攻撃力は高いですな。
武器要らずというのは私からしたら考えさせられる。」
「私達は種族的なものですよ。
それよりボナ殿のその武器も一振りでそこの者を薙ぎ払っておいででしたが・・・」
カストがボナが倒した人の形を先ほどまでさせていた亡骸を見ながら言う。
「ふむ・・・陛下のように綺麗には出来ん。
やっぱり私らは戦闘には向かんな。」
「はは、ボナ殿達が向かないのでしたら私達もですよ。」
「お互い領主だ、防衛を主眼に置くのだから、これで良いのかもな。」
「そうですね。
で・・・幌馬車を押収しましたね。」
「引き返すか、港町に行くか・・・
陛下に持って行くか。」
ボナが軽く言う。
「そうですね・・・港町は王軍が何とかするでしょう。
私は一旦、陛下と第2軍指揮官に報告に行って戻ってきます。」
「ああ、すみませんがよろしく頼みます。
こちらは荷物を整理して、遺体を乗せたらデムーロ国の王都に向かいます。
街道を行きますので、後ほど合流しましょう。」
「了解しました。
その通りに。」
ボナの言葉にカストが頷くのだった。
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