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第2823話 追加部隊お見送り。(武雄、重要な事気が付いちゃった。)

デムーロ国 王都の城門前にて。


「陛下!行って来ます!」

第2軍指揮官がワイバーンに騎乗しながら言う。

「おう!気を付けてな。

 カスト、ボナも怪我はするなよ。」

「はっ!」

ボナが返事をし、騎乗しているグリフォンが頷く。

「出撃!」

第2軍指揮官の号令の下、兵士達を乗せたグリフォンとワイバーンが飛び立っていく。

見守っていた出撃しない王軍の兵士達が手を振りながら見送っている。

「・・・あの数が攻めるのですか・・・怖い物です。」

「攻撃に関しては大丈夫だろうが、怪我人がどれだけ出るかだな・・・」

武雄とヴァレーリが呟く。

「第5軍の魔法師を5個小隊 100名を連れて行きましたので、何とかなると思いますが。

 それにしても参加者増えてしまいました。」

「・・・まぁ、第2軍指揮官が現地でやるって言って、主力の第1中隊も行くからな。

 指揮官が行けば、全体的な攻撃が出来るだろうし、大隊長よりも判断力があるだろう。

 ま、誤差と言う所か。

 アンナローロ、全体への影響はありそうか?」

ヴァレーリがアンナローロに聞く。

「各王軍の指揮官補佐間での打ち合わせは終了しています。

 王都の方では治安維持に回せる人員が少々少なくなってしまいましたが、他の王軍がカバーしますので、短期的な問題はないとしています。

 港町の方が陥落したのちに兵員の配置を再度検討します。」

「明日は港町に行こうと思っているが・・・フレッディからはまだ何も言ってきていないな?」

「はい、先ほどこちらに向かう際に陛下から言われた降伏条件の一部見直しについては伝令を送っています。

 今はそれについて交渉をしていると思われます。」

アンナローロが言う。

「そうか・・・キタミザト殿、まだ行けなさそうだぞ?」

「え?今のは交渉事の進捗ですよね?

 宝物庫のボヤ騒ぎの話ではないので、そろそろ向かって良いと私は思っていますけど。」

武雄がにこやかに言う。

「・・・アンナローロ、宝物庫の方は?」

「鎮火に向かっているとしか・・・直ぐに確認します。」

アンナローロが言うが、動かない。

「・・・はぁ・・・大人しく待っています。」

「そうだな、我の横に居ろ。

 で、第2軍指揮官とカスト、ボナとでキタミザト殿は話していたが?」

「軽い打ち合わせです。

 特に何かという訳ではないです。」

「「・・・」」

武雄の言葉にヴァレーリとアンナローロが「本当に?」という目を向ける。

「ガミジンさん。」

「はい、キタミザト殿、お呼びでしょうか。」

武雄の問いかけにアンナローロの精霊のガミジンが現れる。

「1つ質問なんですけど。

 作戦前の軽い打ち合わせって大事ですよね。」

「作戦を遂行するのに細やかな打ち合わせは随所に必要かと思われます。

 今回のように突発的な混成軍をとなると特に必要性は高まっていると考えます。」

「意見ありがとうございます。

 今度、アンナローロさん経由でガミジンさんにアズパール王国産の茶葉をお送りします。」

「はい、お待ちしております。

 失礼します。」

ヴァレーリ達に礼をしてガミジンが姿を消す。

「第3者からの意見が必要ですって。」

武雄が言う。

「私の精霊がキタミザト殿の言う事聞いてるし・・・まぁ、良いです。

 それでキタミザト殿、どんな内容を話していたんですか?」

アンナローロが聞いてくる。

「本当に大したことないですよ。

 皆で可能性の話をしていただけです。」

「「可能性?」」

「ええ、門の攻撃に追加をする場合の上空からの突撃方法はどうするか・・・例えば、ワイバーンの攻撃を先に仕掛けてカスト殿達が降りれる場所を確保するのを先にするのか、そんな広場を設けなくても降りれるのか、広場ではなく門の上に降りれる広さがあればそこを使うのか・・・港町に向かう街道で幌馬車や馬車を連れた武装集団を発見したらどうするか・・・魔法師へ供給する魔法ポーションの使い方、カスト殿とワイバーンの攻撃方法の連携はどうするかとかです。」

武雄が言う。

「待て。

 キタミザト殿、今『幌馬車や馬車を連れた武装集団』と言ったな?」

ヴァレーリが聞いてくる。

「はい、言いました。

 だって、王城に国王が居ないのでしょう?

 あらゆる可能性は残っています。」

「ふむ・・・続きを。」

「ないですよ?」

「ないの?」

「はい、可能性を言い合っただけです。

 具体的な判断は第2軍の指揮官殿がするので、どんな事が起きても良いように可能性を言い合っただけです。

 事前に言葉にしておくと判断が止まる事はないでしょう。」

「ふむ、注意喚起をしたと言う事だな。」

「はい・・・ただ・・・」

「「ただ?」」

ヴァレーリとアンナローロが聞き返す。

「今って魔王国の国王選定中ですよね?

 もし、逃亡中の王族か、本来は宝物庫の中に無くてはならない物が発見された場合・・・

 選定条件は確か『成りたい者が立候補して、他の貴族と王軍幹部の投票で決まる』でしたよね?」

武雄が聞く。

「キタミザト殿、正確には『魔王国に貢献した度合いを観察し、王軍幹部もしくは領主から推薦された者の中で上位3名を選出したのちに10月と11月の2回王軍幹部と各領主が投票し最多得票数の者を次期国王とする』です。

 まぁ、戦争で結構ズレ込んでいるのですけど。」

アンナローロが言う。

「敵国の王族を打ち取るかデムーロ国の運営に重要な物の流出を防いだとしたら・・・これに勝る貢献というのはそれ程にあるものなのですか?」

武雄がヴァレーリとアンナローロに言うのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] この武雄の『助言』で手柄を上げた人が次期魔王国国王になった場合、武雄の突飛さに呆れつつも何だかんだで対等目線でやり取りする仲のヴァレーリさんと違い、最初から武雄に頭の上がらない国王が誕生しそ…
[良い点] 主人公が賢い。 [気になる点] 主人公、魔王国の王になる? [一言] 美味しいものに期待。
[一言] > ガミジンさんにアズパール王国産の茶葉をお送りします。   ダンディー茶 かな?    ガミジン と契約しているくらいだから、アンナローロ さんの闇も深そう。    何を願っているのかな?…
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