第2819話 リーザはアリスの下に戻っています。(これからの輸入品は食料かも。)
エルヴィス伯爵邸の客間。
「ぎゅ~。」
「へぇ、ジーナをスミスの妻にと考えてたと。」
リーザの話にチビコノハが頷く。
「ぎゅ、ぎゅ♪」
「そりゃ、ジーナは焦るでしょうよ。
でも、なかった事になったのね?」
「ぎゅー。」
「確かに2人娶れば十分か。
ジーナは、スミスの妻よりもしたい事あるだろうけどね。」
「ぎゅ?」
「確かにスミスの妻の方が楽かもしれないけどね。
やりたい事があるならやりたい事をするべきよ。
リーザもやりたい事をしたいでしょう?」
「ぎゅ。」
「なら今ジーナはやりたい事をする為に頑張っているんだから私達が何かいうのは違うわね?」
「ぎゅ。」
リーザが頷く。
「・・・ふむ、お爺さまはお爺さまが発起人としてゴドウィン伯爵とテンプル伯爵を動かす方が良いと考え動くそうです。」
アリスがエルヴィス爺さんからの手紙を読み終え、顔を上げる。
「それも良いんじゃない?
ジェシーがあまり王都関係は好きじゃないような事言っていたし、伯爵から皆に依頼が行けば丸く収まるわよ。」
「それと領主の判断で無許可越境者は奴隷商の時と同じ対応をする事にしようと提案するとあります。
これはタケオ様に報告しないといけないですね。」
「そうだね。
向こうでタケオが魔王国の陛下とブリアーニ王国の女王陛下に『そうなった』と伝えれば、魔王国側で準備してくれるだろうしね。」
「ですねー・・・デムーロ国の人達にとって、アズパール王国と魔王国が連携しているとは思いもしないでしょうね。」
「ま、魔王国がそもそもそう思わせるようにアズパール王国と慣例の戦争をしたんでしょ?
まんまと嵌っただけよ。
ついでにタケオが街中を物色して魔王国民を解放して恩を売っていると。」
「タケオ様もタダ働きはしない方ですから。」
「ま、タケオとパナちゃんは自由にしているんだろうね。
成果があり過ぎて魔王国でも困っていそうだけど。」
「それは・・・タケオ様、貴族にしておいて良かったですね。」
「んー・・・貴族だからこの程度で終わらせているのか、貴族だからこんなにしているのかはわからないけどね。
あ、アリス、他にタケオに伝える事ないの?」
「え?・・・んー・・・タケオ様に同行しているベイノン殿とブレア殿のご家族に無事の連絡をするのは明日、ヴィクターにお願いするし。
スズネさんの方の報告はないと言っていたし、町中も割と何もないし・・・
特に伝える事はないですよ。」
「味噌もにごり酒も始まったばかりだし、杏の木も植えたし、陸稲の収穫はお任せ中だから結果はもう少し後だし。
前にビエラが持って帰って来た『パナちゃんの苗木』もシグレ達の棲み処に持って行ったし・・・コンテナ搭載馬車は王都に納品に行っているわよね。」
チビコノハが考えながら言う。
「ピザの普及も順調で一時期の混乱は収まっていると聞いていますし、鶏肉と卵の量産は順調。
鶏糞の肥料も価格抑えめで各町で販売をし始めて、試しに買う方がちらほら出始めているとは聞いていますよね。
人工湖の造成は再開していて、ローチ工房の方々も参画して計画の見直しと実施をしていると聞いています。
ハワース商会やベッドフォードさんの所、ステノ技研は相変わらず忙しいようですし、ラルフさんの仕立て屋は冬物を今売り出していて好調と聞いていますよね。」
アリスも考えながら言う。
「各協力工房が忙しいのは良い事よね。
そういえば、雑貨屋を協力工房に入れていたよね。」
「店の半分に魔王国からの輸入品を置かせて貰う奴ですね。
セレーネちゃんとルアーナちゃんがアスセナさんの監督の下、売り子の研修をしている最中ですね。」
「売り上げはどうなの?」
「ヴィクターから売り上げが来ないので・・・赤字じゃないですか?
一部の小麦粉はアズパール王国より品質が良いから注文はあるとは聞いていますけど、他の物は・・・」
「目新しさが足らないのか、品質が良くないのか・・必要性をそこまで感じないから他国製の物を避けているのかなぁ?」
「国内産、領内産が安心という事ですね。」
「うん、やっぱり毎日食べる物や身に付ける物は安心な物が良いというのは誰しもが考えるでしょう?
他国でよりこの領内で作った物の方が安全そうというのはわかる心理ね。」
「となると輸入業をしている私達キタミザト家では目新しさをまずは考えないといけないという事ですね。」
アリスが頷く。
「んー・・・奇抜な物は一過性の流行にはなるだろうけど・・・
やはり輸入業者としては、月毎に変わらぬ輸入量を確保出来る事が望ましいわよね。」
「小麦も国内で作られるようになれば、需要は落ちますよね。
長期的に安定した量の輸入品ですか・・・」
「魔王国の東側のカスト伯爵だっけ?
リザードマンの肉の干物の輸入量を固定化する?」
「んー・・・あれ売れるんですかね?
確かにタケオ様が火に焙って、ソースを付けて食べていましたが・・手間がかかり過ぎますよね。」
「スズネやモニカ達にお願いして、贔屓の酒場で買って貰って、市場の反応を見てみるというのも手かもね。
そこであまり売れ無さそうなら、違う食材を探すという事にしてさ。」
「なるほど・・・なら、タケオ様に魔王国から輸入出来そうな食物を探してくださいと書いておきますね。」
アリスが言うのだった。
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