第2817話 アズパール王、アリスからの手紙を見る。(上まで報告はあげませんよ。)
「凄いな、王軍というのは・・・6日でデムーロ国の王都を攻略か。
町が5つあっても・・・・か」
アズパール王が手紙を見ながら呟く。
「ドラゴン20体が集中的に攻撃をしての開戦との事です。
動員数は20000名で、それも全部、騎士団並みの技量との事。
タケオからは魔王国の被害が皆無に等しいとの事です。」
「やってられんな。
良く我が国は今まで生き残っていたな。」
「魔王国にとっての魅力がないという事ですね。」
「ふむ・・・我が国に魅力がないというのは哀しいな。」
「はい、魅力がないというのは哀しい事ではありますが、放置しておいても害はないと思われている事、そして勝ちはするが被害が出過ぎるという点で今まで侵攻していなかったのでしょう。
これからもそうであらねばなりません。」
「そうだな。
それと・・・4名を雇用か。
良く魔王国が許可を出したな。」
「3倍くらいは助けたのではないかと私は考えます。」
「なるほど、大半を魔王国の為にという事で救出したからその内何名かをタケオが雇用したか・・・
確かに助けた内の何名かが自らの意志でタケオに雇用されたいと言えば、魔王国は頷かない訳にはいかないだろう。
タケオが今まで魔王国出身の奴隷を採用した実績を向こうは知っているのだからな。
仕事の肩代わりをさせておいて拒否は出来んな。」
「はい、ただ・・・種族が。」
「狐の獣人の母娘とドワーフとエルフか。
ジーナ、この狐の獣人というのは知っているか?」
アズパール王がジーナに聞く。
「いえ・・・魔王国にはおらず、狐系は殲滅されたと聞いているのですが・・・」
ジーナが考えながら聞く。
「うん?殲滅とは?」
「魔王国建国に際して、私達『人間から狼になる獣人』と『変身しない獣人』の狼系が魔王国の為に多くの血を流し、領主とまでなりました。
その他の猫、犬、鳥等々獣人の部族はありましたが、領主にまで成れませんでした。
狐系はその際に滅んだと聞いています。
少数が残って居たのは驚きですが、居たという事とご主人様が採用されたという事は私の同僚ですので、問題なく対応します。」
「代は変わっただろうが・・・我が国に仕えるというのは複雑な心境かもしれんなぁ。」
アズパール王が腕を組んで考える。
「はい、ですが、ご主人様の事ですから本人が嫌がるのであれば採用はしていないかと。
採用したという事は本人達も納得しての事です。
今更、当時の事を蒸し返す事はせず、普通に接してあげるのが本人達の為と考えます。」
「そうか。
その事は我の胸にしまっておく。
ほぼ人間種の我が国に来るのであれば、色々と差別はされるだろう。
過度になった場合は、国としても対処する。
受け入れる者達に安心を与えろ。」
「ありがとうございます、陛下。」
ジーナが陛下に頭を下げる。
「ま、エルヴィスが先に手を打つだろうがな。」
「今の所、異種族に対して何かあったとは聞いておりません。
今後も差別等はさせないようにしていきます。」
エルヴィス爺さんが言うのだった。
「うむ、頼むぞ。
異種族かぁ・・・王都も欲しいものだな。」
「はは・・それは前にタケオと話し合ったのでは?」
「したが、増えんな。
王都守備隊にウィリプ連合国から連れて来た者は入れているが、あまり効果はない。
ま、こればかりはすぐに増えはしないという事はわかっているんだが・・・」
「雇用問題は短期的には成果は出ないですから。」
「そうなんだがなぁ・・・」
アズパール王とエルヴィス爺さんが難しい顔をさせるのだった。
「で・・・デムーロ国の王都を攻めていて、誰かがアズパール王国に越境するかもと書いてあるんだが?」
「それでしたら、ビエラ殿にゴドウィン伯爵の所に向かって貰いました。
ゴドウィン伯爵の所からテンプル伯爵の所に無許可越境の監視を早急に強化するようにと依頼を出すように依頼をしておきました。
見つけ次第、保護し、魔王国に引き渡すようにと。
また、魔王国方面の3貴族は従来の方針の通り、無許可で越境する者を捕らえ、元居た国に戻す事をこれからしばらくは強化して実施して行くようにテンプル伯爵とゴドウィン伯爵に依頼を出しています。
従来の政策のままですので、陛下から特命で出す必要はありませんし、今出すと知らない者から裏で何かしていると言われかねません。」
「ふむ・・・アリスから『我からして』と書いてあるが・・・
・・・ま、エルヴィスの方で対処したというのなら我は何も指示は出さん、王城への定例報告に載せてくれるだけで良いだろう。」
「畏まりました。
今の事も後に2伯爵に伝えます。」
エルヴィス爺さんが頷く。
「・・・タケオは王族が逃げたと考えたんだな。」
「そのようで。
ただ、ロバートの所は森に生息する蟲が厄介だったかと。
そこを抜けるのかというのは疑問が残りますので、あくまで可能性としてはある程度でしょう。
取り締まりの強化で対応出来ると思います。」
「来られたら厄介な事になりそうだな。」
「ええ、ですから私達領主の仕事として終わらせてしまうのが一番でしょう。
今までの政策通りに、誰が来ても送り返すのみです。
ま、元来の法令は奴隷に対してとあったと思いますが・・・自治領主の解釈で皆を送り返したという報告に終わらせます。」
「そうか・・・頼むぞ。」
「はい。」
エルヴィス爺さんが頷くのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




