第2742話 説教に来ました。(見落としはすぐに修正しましょう。)
武雄の前に仁王立ちのアンナローロと呆れているヴァレーリが居た。
武雄達と一緒に来た補佐官がすぐに大隊長に許可を得て、アンナローロに連絡を入れて、すぐにこの2人が飛んで来た。
文字通り、ワイバーンを使って。
「キタミザト殿!今は行軍中ですが?
商売しようとしないでください!」
アンナローロが言ってくる。
「行軍の邪魔にならないように、魔王国の方々が考えていない事で小銭稼ぎを思いついて、ついでにそれするのに物を持っているカールラさんと輸送をしてくれそうなグローリアさんを知っていただけです。
誰もやらない事を率先してやるから商売は成り立つんです。
それに裏を取ったらアンナローロさんとダニエラさんに許可は取るつもりでした。」
武雄が言う。
「なんで、簡単に声をかける相手がブリアーニ女王陛下とドラゴンロードのグローリア殿なんですか・・・」
「アズパール王国から来た幌馬車を大量に持っていて、あれを丁寧に運ぶにはドラゴンが最適ですからね。
売り上げを3等分すれば皆で小遣い稼ぎが出来そうでしょう?」
「『出来そうでしょう?』じゃないですよ!
いくら稼ぐ気だったのですか?」
「・・・しょうがないですね。
なら売る幌馬車の値段を適正価格の3倍にしてアンナローロさんとダニエラさんにも分けますか。」
武雄が渋々言う。
「いや、そうじゃなくて。
巻き込もうとしないでください。
そもそもその案を大隊長に言ってくださいよ。」
「え?思いついた時はもう大隊長はテントで幹部方と降伏勧告とか買い取りの方法とかを詰めている最中でしたから、邪魔しちゃ悪いじゃないですか。
で、雑談ついでに護衛の小隊長さんと輸送隊の補佐官さんと話していたら、補佐官さんからアンナローロさんに密告されたんですよ。
まだ計画段階だから未遂です。」
「密告ではないですけどね!
事件ではないので未遂でもないですけどね!
それにあれは仕事上のちゃんとした報告です。
で?キタミザト殿、それをこっちでしたいんですけど。」
アンナローロが圧強めに武雄に言う。
「えー?・・・だって、皆さん忙しそうですし。
私暇なんで、暇な人集めてやりますよ。
声をかければ来てくれそうな人知っていますし。
カールラさんとグローリアさんは来てくれると思うんですよ。」
「止めてください、暇な人の中にブリアーニ女王陛下とグローリア殿を入れないでください。」
「ダニエラさん、やります?
酒代にはなりますよ?」
「え?どうしようかなぁ・・・ん?すまん、アンナローロの目が怖いから今回は無理そうだ。
あ、違ったな、我は忙しいのでな。」
ヴァレーリがアンナローロを窺いながら半笑いしながら言ってくる。
「キタミザト殿!私達がしますから!
案だけください!ちゃんと提供代は払いますから!」
「・・・しょうがないかぁ・・・」
武雄が肩を落とすのだった。
「さ、行きますよ!」
「え?もう?」
「当たり前です!すぐに降伏勧告も・・・というよりそっちもキタミザト殿が提言していましたよね!
その話も聞きますから!さ!早く!」
「ええぇ・・・」
アンナローロが武雄の腕を取って大隊長達が居るテントに向かう。
「で?どうだ?
キタミザト殿に付いた感想は?」
ヴァレーリが小隊長に聞く。
「あんな方が居るのですね。
流れはわかっていて、その流れを変えなくて良いような不備な点を見つけようとされています。
あの方々と地方領は対峙しているのかと思うと気の毒です。」
「うん、そうだな。
ああいうのが居る内は仲良くするべきだな。
ただ、キタミザト殿は発想力と行動力をもってあの地位を時の国王から与えられた者だ。
アズパール王国はよほどキタミザト殿の流出が怖いと見える。」
「些か奇抜で行動力がおありですからね。
実際、他国の魔王国に来てこれですし。」
「そうだな。
補佐官が泣きながら訴えてきたと報告を受けた時は部隊が壊滅したかと勘ぐったが。」
「え?どういう事ですか?」
「あの補佐官、お前と同じで第6軍内定者だ。
第1軍が送り出すのに能力十分としていた者が、狼狽えているとなれば相応の惨事があったのだろうと思って身構えたんだが・・・大惨事一歩手前だった。」
「はは、確かにこれを知らずに決行していたら、住民の不満が高くなって不測の事態もあったでしょう。」
「だな。
という訳で、訳を聞いたアンナローロが慌てて我を連れてこっちに来たという事だ。」
「指揮官補佐殿が慌ててですか?
キタミザト殿にしっかりと説教をしていましたが?」
「アンナローロが本気で怒ったのならこの程度じゃないさ。
形だけキタミザト殿に注意を促したに過ぎん。
こういう行動をする事を我もアンナローロもが認めている。
大隊長に助言はくれると思っていたが、まさか商売をすると言いだすとは思わなかった。」
ヴァレーリが笑う。
「・・・キタミザト殿は凄い方ですね。
陛下や指揮官補佐殿を手玉に取るなんて。」
「おいおい、しっかりしてくれ次期中隊長。
ああいうのと交渉する事も増えると思うから特級のキタミザト殿の護衛をさせているんだ。
慣れてくれよ。」
「陛下、私にはキタミザト殿と交渉なんて出来そうにありません。」
小隊長が諦めた顔つきで言うのだった。
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