第2734話 334日目 テントに戻った武雄達の反省会。(現状維持なら悪い話ではないでしょう。)
ブリアーニ王国のデムーロ国との関から3時間程度行った広場の魔王国 王軍陣地内の武雄達のテント内。
ベイノンとブレアは先の雑談の内容を報告書にまとめているし、ミアとリーザは間食するオレンジの選定をしていて、武雄はノートに何か書き込みをしている。
「所長、先ほどの話ですけども。
あれは・・・魔王国にとって有利な話ですよね。
研究はお互いにする、配備もして良いが、使用する気なら相互に痛手があるかもよ。
という感じで話は終わっていましたが、所長の方が少々戦力としては不利なのではないでしょうか。」
ベイノンが言う。
「所長の小銃改とドラゴンのブレスと同じ威力の大砲。
数が違えども所長の方の制約の方が多いような気がします。」
ブレアが言う。
「そうですかね?
そもそも私が小銃を普及する気がないのであの程度の口約束で良いと思いますね。
現状より悪くなるわけではありませんし、知られた所で魔王国がアズパール王国より軍事面で優位なのは変わるわけではありませんからね。
むしろ知らせる事により魔王国の選択肢を減らせる事が出来て、本来なら見れないはずの大砲という兵器を見れるので、私としては十分に利益があった感覚ですよ。」
武雄が言う。
「まぁ・・・所長がそういうのなら。」
「私達は平気ですけども。」
ベイノンとブレアが言う。
「まぁ・・・大砲はしょうがないですよ。
今回とは違ってドラゴンの召集が難しい時の城門戦用にと前々から作っていたのでしょう。
もしかしたらダニエラさんが就任する前からの研究かもしれませんし。
国家としては真っ当な研究をなさっているんですよ。
それを私に教えるという事は・・・まぁ、攻め込んでくれるなよという意思表示でしょうか。」
武雄が言う。
「所長も負けじと小銃改を開発すると言っていましたね。」
ベイノンが言う。
「当然。
一方に威力過多の兵器があるのと、相互に警戒する兵器を持っているのとでは戦略が変わります。
それは国家としての態度として現れる物ですが・・・少なくとも30年は穏便に行くでしょう。
むしろ魔王国は大人しくしてくれても我が国がどうなるか。
今後30年という事はクリフ殿下の治政ではなく、パット殿下の治政時代になりますか・・・
クリフ殿下は何とかなるだろうけど・・・2代先は想像が付きませんね。」
「そうですねぇ。」
「今の文官、武官達ではなく、今の新人達が局長の時代ですからね・・・」
ベイノンとブレアが考える。
「スミス坊ちゃんやゴドウィン伯爵の息子、私の子供達の世代かぁ・・・
魔王国への畏怖は薄まっているでしょうね。」
武雄が言う。
「ですね。
いくら報告書、文献、口伝で残しても昔の事だからと一蹴されそうです。」
「我々も50年前の文献を読んでも当時は当時だという風に思ってしまうきらいはありますしね。」
ベイノンとブレアが言う。
「その辺は教育の問題ですから今考えなくても良いでしょう。
戻ったら問題提議をして王城の人事局と軍務局に渡しておきましょう。」
「「所長、渡してきてください。」」
「はいはい、わかりました。
報告書は作ってくださいね。」
「「はい。」」
ベイノンとブレアが返事をする。
「で、所長、魔王国に小銃改を見せるという話をしていましたが、小銃改3をですか?」
「いえ、小銃改1で良いでしょう。
小銃の弾丸で作ろうと思ったが、難しかったので魔法師用に作ってみたとか言ってね。
見せはしますが、中身を見せない方向で報告をします。
それに威力は最小の方がいいでしょう。
それまでは彼らの前では大っぴらに使えませんけどね。
当面は拳銃と剣で私は対処していく事になるでしょう。」
武雄が言う。
「確か、フルプレートを凹ませる程度の威力でしたか。
小銃改を見ているとそこまで凶悪とは思えませんね。」
「私がファイアとかを放つよりかは威力があります。
それに狙っても100m程度ですよ。
魔法師方の射程には及びません。
身を守る為の装備ですし。」
「まぁ、確かに身を守る為の装備なら100mの有効射程で問題ないですね。」
ブレアが言う。
「今回は戦闘とは無縁と考えていますからこの程度で良いんですよ。
さてと・・・ベイノンさんとブレアさんは引き続き報告書を。
私は書き物をしているので、のんびりと過ごしましょう。」
武雄が言う。
「所長、ちなみに何を考察されているんですか?」
「どうってことないですよ。
大砲がどんな物か想像しているだけです。
ドラゴンのブレスはビエラで経験はありますけど、結構威力があるので、かなり大型装置かなぁとか、大型の装置だった場合にどこを壊すのが良いんだろうとかです。」
武雄が言う。
「そうでしたね、所長はドラゴンのブレスも体験されていましたよね。」
「経験値が私達と違っていましたよね。」
ベイノンとブレアが呆れながら言うのだった。
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