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第2453話 スミス、一応、連絡に行く。(新しい事、考えよう。)

王城の門にて。


「スミス様、お待たせしました。」

ジーナが城内からやってくる。

「ジーナ、ご苦労様です。

 僕も今、来た所ですよ。」

学院の制服姿のスミスが労い、ジーナと一緒に歩き出す。

「陛下方は驚いていました。」

「だろうね、タケオ様も無茶ばかりだね。」

「はい、ですが、ご主人様が前に出たという事はオーガ戦は伯爵様には少し荷が重いと感じたのかもしれません。」

「耳が痛いなぁ。

 まぁ、オーガ10体の撃退は出来るだろうけどね。

 エルヴィス伯爵軍(僕達)では死傷者が多くなってしまうだろうね。

 タケオ様の事だから、安全策としてまずは試験小隊が出て多数を迎撃し、抜けた数体をエルヴィス伯爵軍で、と考えたんだと思うよ。

 そうすれば安全に処理が出来るだろうからね。」

「そうですね。

 ですが、結果はご主人様達で10体と5体の迎撃を成功させています。」

「タケオ様も凄いけど、回りの人達も凄いよね。

 十数名程度でオーガ4体だからね。

 その内4名が新人だというんだから、魔法師専門学院に言えば、喜んでくれるかもね。」

「かもしれませんね。

 でも、終わってからでしょうね。」

「だね。

 さて、これから真面目な顔をさせて行かないとね。」

「スミス様、頑張ってください。」

スミスとジーナは王城を離れるのだった。

・・

とある屋敷の玄関。

「えーっと・・・ノックかな?」

「スミス様、その前に・・・それ私がするのが普通なのでは?」

後ろに控えるジーナがツッコむ。

「あ、じゃあ、ジーナ、よろしくね。」

スミスが後ろに下がる。

「はい。」

ジーナが扉の前に行き、1度深呼吸をしてから扉をノックする。

と。

「はい、どちら様でしょうか。」

扉が開き、メイドが出迎える。

「突然、申し訳ありません。

 エルヴィス伯爵家次期当主 スミス・ヘンリー・エルヴィスが参りました。

 面会のご予約はしておりませんが、バッセル男爵殿に面会が可能かご確認をお願いいたします。」

ジーナが言う。

「・・・。

 はい!すぐに確認して参ります!

 少々お待ちください!」

とメイドが扉を閉めてしまう。

「あ・・・あー・・・スミス様。」

ジーナが困った顔を後ろのスミスに向ける。

「そういうものじゃないのかな?

 いきなりなんだし、『帰れ』と言われないだけマシではないかな?」

スミスが苦笑しながら言う。

「はぁ・・・メイドの専門学校を作りたい物ですね。」

ジーナがため息交じりに呟く。

「それは良いかもね。

 今度、タケオ様が来た時に相談してみたら良いんじゃないかな?」

「・・・そうですね。

 そうしてみます。」

ジーナが頷くと。

「お待たせして申し訳ありません!

 ご当主様がお会いになるそうです。」

扉が開き先程のメイドが言ってくる。

「スミス様。」

「うん、失礼します。」

「こちらになります。」

もう1人メイドがおり、スミス達を案内するのだった。

・・

バッセル男爵邸の客間。

「・・・装飾、結構良いね。」

「派手さはないですが、お金をかけているのはわかりますね。

 新貴族で・・・となると、相当資産があったのでしょうか?」

スミスとジーナは待っている間、客間内を見ながら話している。

「んー・・・このぐらいの装飾はしないといけないのですかね。」

「伯爵様はあまり金細工をお求めになっておりませんが・・・

 私としては濃いめの木材色と少し凝った意匠の木材加工品があって、雰囲気は良いと思いますが。」

「僕もあれが普通だと思っていたんだけどね。

 王城内は金細工が多いのはわかるけど、新規の貴族会議でこんなにとなると・・・実家は少し足らないと思われていそうですね。」

「金細工を飾れば良いという物ではないと思います。

 客間はお客様がゆったりと出来る空間があれば良いのです。

 金細工を多く置いて見せびらかしても・・・むしろ木材加工に力を入れてみるというのもいいかもしれません。

 意匠で凄さをわからせる方が良いかと。」

「んー・・・なるほどね、他人の真似みたいに金細工を多く置いても意味はないですかね。

 それにそんなお金はないでしょうし。

 それなら地元の人達と木材加工品で見栄えの良い物を開発した方が良いですね。」

「木材加工ならエルヴィス家と言われるくらいになったら他の貴族から一目置かれるかも知れませんね。」

「それも面白いよね。

 なら、さっきの話と一緒にタケオ様が来たら相談してみようか。」

「そうですね。」

スミスの言葉にジーナが頷く。

と客間の扉がノックされ、スミスが返事をするとバッセル男爵とボールド男爵が入ってくる。

「失礼する。」

「こんにちは、2人共。」

「突然来て、申し訳ありません。

 お二人で打ち合わせだったのですか?」

スミスが2人に礼をしてから聞く。

「いや、雑談をしていたんですよ。

 王立学院の事でね。」

「愚痴を聞いて貰っていたんです。」

バッセルとボールドが笑いながら言う。

「それで今日は何用かな?」

バッセルが聞いてくる。

「はい、公表は後ほどされるとは思いますが、魔王国側との戦争において、2日前に起きた事のご連絡をしに参りました。

 私達も詳細は知りませんが・・・一応、お耳に入れておいた方が良いと思い報告に参りました。」

スミスが言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] スミス優秀 持っている情報から目上役上でも最低限与えておくべき情報を与えようとしているのだから・・・ 現時点で情報戦ではボールド、バッセルを凌駕してるね 指揮者の能力は高そう
[一言] 2人とも、元騎士団長でしたね。  テンプル伯爵 と ゴドウィン伯爵 の。 ウイリアムの発案と指示の下、  陛下の了解の許での行動なのかな? バッセル と ボールド 両男爵は、  慣例の戦…
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