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第2445話 追加で訓練をさせましょう。(戦闘が終わったようです。)

第二研究所陣地内の臨時大穴の縁。


「よいっしょ!」

ドサっ

試験小隊のベテラン勢が腕と足を斬り落としたオーガの死体を穴に捨てていた。

落とし穴の中には大量のスライムが居て、降ってくるオーガに対応している。

「・・・初雪、このスライム達はこの周辺にばら撒いたやつですか?」

「はい、周囲に偵察に出ているスライムの半分です。

 もう半分はこのスライム達が吸収し終わったら交代します。」

穴の縁からスライム達の処理を覗いている武雄の隣で初雪が言う。

「タケオの方は大丈夫ですか?」

「私は腕と足をリュックに入れるだけなので苦労はありません。

 マイヤーさんは報告書書いていましたか?」

「はい、マイヤーもまとめ終わって今、最終的な報告書を書いています。

 もう少ししたらタケオに提出すると言っていました。」

「そうですか。

 ならば、それを見ながらアリス向けの報告書を書きますかね。」

「・・・昼に飛び立つのでしたよね。

 タケオ、大丈夫ですか?」

「・・・そんなに書く内容はないと思いますが。」

「そうですか。

 マイヤーが唸りながら書いていましたので、タケオも唸ると思いましたから。」

「え・・・そんなに複雑な事はしていないはずですが・・・」

「マイヤーは唸っていました。」

「・・・わかりました、覚悟してマイヤーさんの報告書を受けとります。」

武雄がぎこちなく頷く。

「アンダーセン隊長、用意出来ました。」

ブルックの声を聞き武雄が顔を向ける。

アンダーセンの前に旅装束のブルックとアーキン、アニータとミルコが並んでいた。

「うん、では、これより捜査と監視、警護の訓練を始める。

 対象はケードとコーエンだ。

 2人を探し出し、見つからないように監視と警護をし、17時にここに戻って来る事。」

「「はい!」」

アニータとミルコが返事をする。

「ブルックとアーキンはケードとコーエンが絡まれたりしていたら対処してくれ。」

「「了解しました。」」

ブルックとアーキンが返事をする。

「いじょ・・・所長、何かありますか?」

武雄が見ている事に気が付きアンダーセンが声をかける。

「・・・ブルックさん、あったらで良いので、夕食後に食べるスイーツの調達をお願いします。

 銀貨2枚くらいで足りますかね。」

武雄がリュックから銀貨を取り出す。

「はい、頂きます。」

ブルックが武雄に近寄り、銀貨を貰う。

2人に見つかった時(・・・・・・・・・)に使いなさい。」

「了解しました。」

武雄の小声の呟きにブルックが頷いて、アンダーセンの前に戻る。

「アニータとミルコも気を付けてね。

 美味しそうな物があったら買って来て良いですよ。」

「「ははは。」」

武雄の言葉にアニータとミルコが苦笑する。

「ま、所長の要求は訓練が終わってからで良い。

 まずはケードとコーエンを探す事から始める事。

 事前情報としては『関の方に行く』という言葉が残されている。

 これを頼りに捜査を開始し、ブルックとアーキンに相談しながら行動しろ。」

「「わかりました。」」

「では、行動開始。」

「「はい!」」

アニータ達が返事をして出かけて行く。

・・

「戦闘があったのに、もう訓練ですか?」

武雄がアンダーセンに聞く。

「戦闘があったからすぐに訓練をさせるんです。

 戦闘後は感覚が鋭敏になっている事がほとんどです。

 捜査は普段なら見落としそうな事も見落とさないようにする事が必要になります。

 感覚が鋭敏になっている今が鍛えるのに適しているんですよ。

 本当ならベテランの誰かを関の方にやって、子供達4人に捜査の訓練をさせたかったのですが・・・まぁ、仕方ないです。

 ケードとコーエンは違う機会にさせます。」

「ふーん。

 アンダーセンさん達もしたんですか?」

「皆、騎士団時代にやらされましたよ。

 今回のなんて優しいものです。

 私の時なんて、監視対象が思いっきり逃げましてね。

 大変でしたよ。」

「・・・監視対象の性格によって難度が違うんですね。」

「ええ、困った訓練です。

 やる側に回ってみると、『それも良いか』と簡単に考えてしまうのですけどね。」

「ま、そういうのもありでしょうね。

 もうすぐ、解体も終わりそうですね。

 皆さんは?」

「んー・・・洗濯をさせて、マイヤー殿が報告書を書き終えたら打ち合わせ室でベテランだけで反省会です。

 夕食後に子供達も一緒に反省会ですね。

 所長は?」

「アリスと王都向けの報告書の作成を自室で書いてから、伯爵方と反省会ですかね。

 まだ、お呼びがかからないので・・・かかったら行って来ます。」

「わかりました。」

と遠くで歓声が上がるのが聞こえる。

「・・・終わったようですね。」

アンダーセンが言う。

「死傷者の数がどうなっているか・・・そこが私達の話題に上がりそうですね。」

「こちらは、死傷者なしですからね。

 比べられるのでしょう。」

「ま、私達の方の反省会の内容は終わったら教えますよ。」

「はい、お願いします。

 そう言えば今日の昼食はなんでしたか?」

「簡単なサンドイッチですよ。

 少し塩気が強めのスープでも作りますか?

 簡単なので良いならソーセージと野菜でパパっと作りますよ。」

「出来ればあるとありがたいですね。」

武雄とアンダーセンは昼食の話を進めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点]  ちょっと勘違いしてたけどこれって今昼時か。昨日の感じだとまだ今日の戦闘って終わってないと思うんだけどもう半日休息与えたのか? 戦闘がある可能性大なのに新人4人とベテラン2人が陣から離…
[気になる点] 前話から気になってたけど、他軍の死体を回収するのはいいのかなぁ。 オーガとか立ち位置が相手にとって家畜レベルでも、人間側にとって脅威の相手で、戦争してるのに相手側の戦力だったものを回収…
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