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第2444話 武雄とビエラは暇人です。(臨時同期会があるようです。)

第二研究所陣地内の焚き火周り。


「あ~・・・」

「・・・」

ビエラと武雄は仲良く焚き火に当たっている。

試験小隊の面々はオーガの死体の受け入れ準備や解体準備、リーザはそんな作業を見学中。

マイヤーと初雪は打ち合わせ室で報告書の作成、武雄は「まだ報告にくるな」と伝言を受け、待機中。

なので、武雄とビエラは手持ち無沙汰で焚き火の所で大人しくしている。


「ビエラ、戦闘はどうでしたか?」

戦闘中はマイヤーの所にいたミアがビエラの頭の上に乗っかりながら聞く。

「あ~・・・」

「え?魔法ポーションが不味かった?

 ビエラ、それは戦闘の感想ではないですよ。

 何かないんですか?

 意外と強かったとか、逆に弱々だったとか。」

「・・・あ。」

ビエラが少し考えてから言う。

「『オーガならあんなもん』と言われてしまうと、そうなんだとしか言えませんけど。

 マイヤー様が『ビエラ殿はボコボコに殴ってますなぁ』と呆れていましたよ?」

「あ、あー?」

「まぁ、確かにビエラは剣技を身に付けていませんけど・・・

 ビエラは剣技を学びたいのですか?」

「あ?・・・あ~?」

ビエラが腕を組んで考える。

「主、ビエラは剣技を習った方が良いんですか?」

ミアが武雄に聞く。

「どうでしょうかね・・・今回のオーガでも素手で倒していましたし、無理に覚える必要性はありませんが、知っておいて損はないですよね。

 今後、万が一、対峙してくる者が居た場合、どういった動きをするのかを知っておけば対応は思い付きやすいですから。」

「んん~・・・そっか・・・ちょと考える。」

ビエラが考えながら言う。

「うん?主、お客様が来たようですよ?」

ミアがキッチンカーがある側のエルヴィス伯爵領軍との第二研究所陣の入り口に顔を向けて言う。

「うん?・・・テンプル伯爵の方は歓声もあがっていないので、まだ終わっていないと思うんですけどね。

 なんでしょうかね?」

武雄が帽子を被ってから立ち上がり、陣内を覗いている者に近付くのだった。

・・

「キ・・・キタミザト様!自ら来て頂き申し訳ありません!」

「他の面々は今作業中でね。

 確か、ブロウズさんだね?」

「はっ!覚えて頂きありがとうございます!」

ジーニーが嬉しそうに返事をする。

「で・・何か御用かな?」

「はっ!軍務ではないのですが!ケイ・・・ケードとコーエンに会いに来ました!」

「うん、あの2人がどうかしましたか?」

「いえ!私達の班が夕食まで休みになりましたので、2人の予定が合えば同期で関の方に行って、お茶をしようと考えました!

 その予定の確認に来ました!」

ジーニーが言う。

「あー、なるほど。

 ちょっと待っていなさい。」

「はい!」

ジーニーが返事をする。

「アンダーセンさーん!」

武雄が手を振りながら呼ぶとアンダーセンが駆け足でやってくる。

「所長、お呼びでしょうか?」

アンダーセンが武雄の前に立つ。

「ええ、まずはアンダーセンさん、この子はジーニー・ブロウズ、ケードさんとコーエンさんの魔法師専門学院での同期です。

 前に魔法師専門学院で会っていますね?」

「はい。

 改めて、第二研究所 試験小隊を任せられているドム・アンダーセンだ。」

「はっ!エルヴィス伯爵領軍 第16新人小隊 ジーニー・ブロウズであります!」

アンダーセンは挙手の礼、ジーニーは胸に手を当てる礼をする。

「任官後は初めてですね。」

「はっ!その節はお世話になりました!」

「で、同期でお茶をしたいんですって。」

武雄が2人が敬礼を止めたのを見て言う。

「はい!時間が合えば2人と同期の何人かとで関の方でお茶をしながら今回の戦闘の話を聞こうかと思いました!」

「あー・・・確かに戦争の体験という事では、うちの者達が最初ですかね。

 所長、夕食まで休暇でよろしいでしょうか?」

「ま、初めての戦争の戦闘をしたので特別に半日休暇としますか。

 明日の午前中はアニータとミルコを休ませなさい。

 また、ベテラン達も2人ずつ半日休暇を実施するように調整をしなさい。

 もちろん、何かあれば即応しないといけないのは念頭においてね。」

「了解しました。」

「戦闘中ではないので、ヘルメットではなく、帽子で行って良いでしょう。

 それと戦闘ベストとナイフは万が一を考慮して装備させておいてくださいね。

 主戦武器の携帯は個人の判断に任せます。」

「了解しました。

 では、2人を呼んできます。」

アンダーセンが2人を呼びに行く。

「ブロウズさん達は今何の仕事をされているんです?」

「はっ!私達新人小隊は雑務を仰せつかっています。

 最前列の小隊方の武具や食事の用意、物の移動作業等です。」

「なるほど。

 戦闘をする部隊ではなく、裏方の部隊ですか。

 まぁ、裏方作業は苦々しく思う方も居るでしょうけどね。

 兵士数が多くなれば多くなる程、役割が細分化され戦闘をする部隊よりも裏方の部隊の方が多くなるでしょう。

 どんな仕事でも真面目に熟していれば、いずれは希望の部隊に行けます。

 腐らずに頑張りなさい。」

「はい!ご助言を頂き、ありがとうございます!」

「うちみたいな少人数だと全員で戦闘、全員で雑務ですよ。

 部隊員をしっかりと休ませないといけないんですよね。

 おっと、2人が来ましたね。」

「所長!半日休暇ありがとうございます!」

「ありがとうございます!」

ケイとパメラが武雄の前に走って来て、挙手の礼をしながら言う。

「気を付けてね。

 同期と愚痴でもなんでも話してきなさい、夕食までに戻る事。

 あー・・・18時には戻ってきなさい。」

「「了解しました。」」

ケイとパメラが返事をする。

「じゃ、これで。」

「はい!」

武雄が3人の下を去るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ドム・アンダーセン [一言] カクヨムの小説に グフ・アクージ さんがいるのです。
[気になる点]  もちろん、何かあれば即応しないといけないのは念頭においてね。」  →関の方へ戻ると言ってるのに即応も何もあったもんじゃないかと。話をするにしても陣地の隅っこでいいと思う。  あと買…
[一言] >「で、同期でお茶をしたいんですって。」 コレの内容ももう書かれてそうだけど、どんな話をするのか楽しみ。 なんというか週ごとにちゃんと休みもあって、戦争中でも休みをくれて優しい? でもいき…
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