第2438話 無事に仕事が終わり・・・はぁ・・・。(戦闘は真面目に行いましょう。)
武雄達の戦場。
「グォォォォ!!!!」
オーガが腕を振り上げる。
「ケイちゃん!」
パメラが叫ぶと同時にオーガがケイを殴りつける。
「くっ!大丈夫!」
ケイが盾で受け止める。
「良くやった!」
ベイノンがケイに殴って来たオーガの腕を切り落とす。
「グォォォォ!!!!」
オーガが咆哮しながら2歩後退する。
「集合!ケイ!コーエン!盾を構えて対峙!
アーリスは俺と2人の補助と回復を。」
「「はい!」」
ケイとパメラも直ぐにオーガに対して盾を構えいつでも受けれるように身構える。
と、ベイノンとアーリスが2人の後ろに入り、2人にケアをかけながら体に異常が無いか目視する。
「良し!ケードは大丈夫そうだな。」
「コーエンも良し!
相手は手負いだが今と同じ方法でもう片腕を狙うぞ!
力加減は出来なくなっているだろうからな。
全力で行くぞ!」
「「はい!」」
「良し!前進!」
ケイとパメラ、ベイノンとアーリス組が1体を追い詰めようとしていた。
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武雄はというと。
「・・・」
「グォォォ!」
殴りかかって来たオーガをいつもの如く、左手にシールドを発動していなし、オーガの体勢を前のめりにすると右手の小太刀を振り上げ、オーガの左脇腹から左肩口を斬りつけ、エレクを発動して傷口から流し、体の自由を奪う。
「グォ・・・」
武雄はオーガの首左に小太刀を当てエレクとエクスを発動させながら首を切り落とし、絶命させる。
「・・・ふぅ・・・さて、あっちは腕を切り落として追撃。
こっちは盾でオーガを押し込んで腹に重症を負わせている・・・どちらももうすぐ終わりそうですね。
で、ビエラ。」
「なに~?」
ビエラはお気楽な返事をしつつも自らが倒したオーガに馬乗りになってさっきからずっと顔に拳を叩きこんでいる。
もちろん、1撃1撃がとんでもない威力なのは拳が顔に叩き込まれる音が物語っている。
「・・・ビエラは強者なんですから、弱者をいたぶってはいけませんよ。
愉悦の為に戦闘はしない方が良いです。
端から見て気持ちが良い物ではありません。
周りからビエラが『快楽を求めて暴力を振るう』なんて噂が広まったらどこのお店にも入らせて貰えませんよ?
強者は強者の戦い方をした方が恰好良いですからね。
反撃の間を与えずにすぐに屠りなさい。」
「はーい。
・・・ちね!」
ビエラが一瞬力を溜めてから思いっきりオーガの顔に叩き込み、オーガの頭ごと小さなクレーターを作る。
もちろん、オーガはこの時点で絶命していた。
「タケオ、おわった。」
「お疲れ様、念の為に。」
武雄が小太刀を渡す。
「はい!・・・ふぅ・・・はっ!」
ビエラがオーガの首を落とす。
「タケオ、ありがと。」
ビエラが武雄に小太刀を返す。
「いえいえ、さて、一応、戦闘が終わりましたね。」
武雄が鞘に小太刀を戻しながら言う。
「うん?あっち、こっち、やってる。」
ビエラが右手と左手を残る2体のオーガに向けて言う。
「もうすぐ終わりそうですよ。
子供達の頑張りを横から取ってはいけません。」
「はい!確かに。」
ビエラが頷く。
「あと、念の為に魔法ポーションを飲んでおきなさい。」
武雄がリュックから魔法ポーションを取り出す。
「タケオ、それ、美味しくない。」
「薄めます?」
「そーいうことじゃなーい。
薄めたらもっと美味しくにゃい・・・しかたない、飲むよ。」
ビエラが渋々、武雄から魔法ポーションを受け取り、チビリチビリと飲み始める。
「さて・・・今どういう状況でしょうかね。
マイヤーさんに教えて貰いましょうか。」
武雄はそう言って両腕を広げて、頭の上でクロスし、また広げてと、大きく腕を振り始める。
と。
パンパンパン。
コンテナの上からファイアが上に打ち出され、直上付近で破裂する。
「・・・ええ・・・」
武雄が嫌な顔をさせる。
「うん?タケオ、なに?」
「追加が来るようです。
多くはないようですが。」
「おかわりだー。」
「んー・・・まだ正面に居ないという事は、鷲か初雪の偵察状況からですかね?」
武雄が魔王国側を目を細めながら見て言う。
「タケオ、スコープは?」
「ああ、向こうに櫓があるんですけど、ダニエラさんが来てスコープのような物でこっちを見ているそうなんです。
なので、この戦争中はこっちにスコープがあるのを教えないようにしようと思ってテント内や盾の後ろのような見えづらい場所以外では使わないようにしているんです。
ビエラも気を付けてくださいね。」
「はーい。
タケオ、どうする?」
「私達はこのまま戦闘続行でしょう。
マイヤーさんが追加と言ってきたという事は対応できる数という事です。
ダメなら撤退という合図がくるはずですからね。」
「ふーん。」
「さて、私は兵士長に相談に行って来ますね。
すぐ戻ります。」
「相談?」
「ええ、この倒したオーガの死骸をそのままにしておくとマズいので、幌馬車か何かに積んで、うちの陣地に持って行って貰おうかと。
腕と足は留守番しているサスケ達にお土産としてね。
残りの胴体はスライム達と鷲達の臨時の食事にでもと。」
「お土産、喜ぶね!」
「ミア団は皆、頑張っているからね。
お肉を持って行かないと、拗ねちゃいそうですから。
じゃ、ビエラ、ここで休憩していてください。
万が一の時はあっちかこっちに加勢してくれて良いので。」
「わかった。
座ってる。」
ビエラがそう言ってその場に座る。
「あ、水筒渡しておきますね。
魔法ポーションを飲み終わったら口直ししておきなさい。」
「はーい。」
ビエラが頷くのだった。
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