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第2425話 もうすぐ始まります。(皆色々考えているようです。)

アンナローロがお茶を淹れ、ヴァレーリとボナ、自分の前に置く。


「さて・・・キタミザト殿は早々に確認しに来たな。」

「陛下、そのキタミザト殿と断定するのはなぜですか?」

ボナが聞いてくる。

「明らかにキタミザト殿の行動だからだよ。

 こちらから見て少数しか居ない陣地、オーガの確認が目的と思われる少数での行動の形跡。

 敵陣に近付くのに10名程度なんて余程の実力者を揃えていないと出来ないだろうよ。

 確か、キタミザト殿は今年貴族になって子爵として研究所を国から任されている。

 仕えているのは良い兵士だろう。」

ヴァレーリが言う。

「なるほど。

 では、何故にオーガの存在を?」

「我が事前に説明に行ったからな。

 あ、ちなみにキタミザト殿と共に居るエルヴィス殿にも一緒に伝えているぞ。」

「・・・」

ヴァレーリの言葉にボナが腕を組んで天井を見上げる。

「ボナ子爵殿、今回は些か特別ですので。

 誰かが知っていなければ倍の数の相手との戦争は出来ませんから。

 キタミザト殿とエルヴィス殿にアズパール王国軍の崩壊や吶喊といった極端な行動を抑えて頂くようにお願いしているのです。」

アンナローロが言う。

「はぁ・・・まぁ、陛下の事です、数と王軍の事ぐらいは教えたのでしょうが・・・」

「その通りだ、生き残ってくれと言っておいたぞ。」

「はぁ・・・何も知らずに2倍の兵士の前に立たされる者達の感情を抑えるなどと・・・相当の苦労をされておるでしょう。」

ボナが疲れた顔をさせて頷く。

「あぁ、それと慣例の戦争が終わるまでは、この5000名が参戦せず観戦している事、本格侵攻をしない事を伏せておくように言ってある。」

「んん~・・・それは増々難題ですね。

 そのお二人には苦労をかけていますね。」

「では、ボナがやるか?」

「ははは、私は穴倉で鉄を打つのが好きなのでね。

 戦地になんて行きたくもありません。」

「・・・そうか。

 それにしてもこの後の小競り合いでどういう結果が出るか・・・楽しみだな。」

「今日の戦闘はどうなるんでしょうね。」

ヴァレーリがお茶を飲みながら呟くとアンナローロが聞いてくる。

「さて・・・奇抜な事をしてくるのならキタミザト殿の関与が濃厚だが、普通に戦うのならキタミザト殿は観戦に来ているという事だろう。

 キタミザト殿のこの戦争での立ち位置がわかりそうだな。」

「そうハッキリとわかる物でしょうか。」

「さてな・・・ボナならどうする?」

「どうするとは?」

「キタミザト殿が関与しているのかわかる方法だよ。」

「私は、そのキタミザト殿に会っていないのでどういう方かわかりませんが。

 陛下の口ぶりでは奇抜な事をするのでしょう?」

「ああ、好んでしてくるだろうな。」

「ですが、率いているのは少数ですからね・・・この後の小競り合いには不参加でしょう。

 それに話では子爵の新興貴族ですよね?他の伯爵軍に依頼して、小競り合い程度で何かしてくるとは考えられませんがね。」

「まぁ・・・そうかもな。

 エルヴィス殿からしたらキタミザト殿は孫娘の夫という立場上言う事は聞くだろうが、他の貴族は他人だからな。

 それも格が下の子爵・・・然う然う意見は通らないか。

 ・・・つまらんなぁ、キタミザト殿の奇抜さを見たかったのだが。」

「であるのなら・・・左右同時に攻撃をしてみるというのも手でしょうね。

 丁度昨日渡された日程に似たような事が書かれていましたよね。

 同時にエルヴィス家の方とテンプル家の方に向けて・・・それなりに単体で力が強く、突進力もあるのが両脇のを使って。

 これに手を加えて、若干、テンプル家の方に多めにすれば中央のゴドウィン家はテンプル家の援護に動かざるを得ないでしょう。

 そうすればキタミザト殿が出て対応せざるを得ない。

 ここでキタミザト殿の奇抜さを見れるかもしれませんね。」

「なるほど、人間に対応出来る程度のオーガを左右で同時にか・・・ふーん、面白いな。

 後でパーニ達に聞いてみるか。」

ヴァレーリが考えながら言うのだった。


------------------------

第二研究所陣地内打ち合わせ室の特殊コンテナ搭載馬車の上のテントにて。


「・・・ほぉ、こちらはあまり進まず向こうの攻撃を迎撃する構えですか。

 盾で防御を固めるんですかね?」

「さて?・・・今回は途中で小隊が入れ替わるのが上手くいくかですね。」

武雄とマイヤーがテントの端に座り、遠目に戦地を見ている。


試験小隊の新人4人とブルックとアーキンは戦場見学としてゴドウィン伯爵軍の陣地の最前列からその様子を見学するとして、エルヴィス伯爵軍の新人達と一緒に向かっていた。

どうもこの初戦は向こうの数が多くないという事で魔王国は様子見をすると判断し、その戦闘光景を各軍の新人達に見せ、即席教材とする事を各兵士長達が考えたようで試験小隊の新人にも声がかかり参加している。

ケードとパメラは各軍に就職した魔法師専門学院の同窓と再会出来るようでアニータとミルコに紹介すると意気込んでいた。

留守番をしている武雄とマイヤーは魔王国から正確にはヴァレーリから見られても良いようにワザとコンテナの上から観戦をしていた。


「・・・あれですね、進みが遅いのはゴドウィン伯爵陣地に近い所で迎撃する事で負傷者をすぐに魔法師に見せれるようにという事なんでしょうね。」

「所長の推測が正しければ、今回の戦争に伯爵方が相当慎重になっているという事ですね。」

「・・・初戦で脱落者は出せませんからね。」

「確かに。」

武雄とマイヤーが話しながら初戦を見守るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] へ~かが戦地で遊んでる~w
[一言] そろそろ戦の鐘がなる~
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