第2423話 昼食。(武雄は数で相手を見ているという事実。)
ゴドウィン伯爵軍陣内の大きいテント。
4貴族が集まっての昼食会が行われていた。
「はぁ・・・相手方と話をするよりもタケオに狙われている事の方が汗が出たぞ。
常に右後ろに飛べるように力んでしまった。」
ゴドウィン伯爵がため息を吐きながら言う。
「・・・それはありがとうございますと言うべきですか?」
武雄が呆れながら言う。
「ははは、フレッドもタケオの小銃改の威力を報告書で知っておるからの。
狙っていますと事前に言われて、自分には向いていないと知っても気が気ではなかったじゃろう。」
「確かに、オーク、オーガを一撃の下に下せる魔法具で狙っていると言われれば生きた心地がしないでしょう。
タケオさんなら実績は十分にあるので確実に撃ち込めますからね。」
エルヴィス爺さんとテンプル伯爵が言う。
「はぁ・・・親父殿もロバートもタケオに後ろから狙われてみると良い。
生きた心地がしませんよ。」
「それはご遠慮させてもらおうかの。」
「私もです。」
ゴドウィン伯爵の言葉にエルヴィス爺さんとテンプル伯爵が真面目顔で言う。
「・・・タケオ、魔王国の方はどうであったかの?」
エルヴィス爺さんが武雄に聞く。
「そうですね・・・懸念しているオーガは動いていません。
ですが、昨日、偵察した場所に魔王国の者が来ていました。」
「ふむ・・・試験小隊の行動を見ていたのかの?」
「そこはなんとも・・・ですが、あとで思ったのですが、すぐに対応しなかったという事はあまり脅威には思われなかったのかもしれないのではと。
ただ、私達が居たからその跡地を確認に来たのではとも思います。
向こうの思考が読めないので正確性がないのですが、居た事が知られているという事を念頭に今後の偵察方法を考えようと思います。」
「タケオの試験小隊は端に位置しているし何かあってもすぐの援護は出来ないかもしれない。
出来るだけ戦闘行為は控えた方が良いだろう。」
ゴドウィン伯爵が言う。
「タケオさん、こちらの端からも偵察に行きますか?」
テンプル伯爵が聞いてくる。
「・・・早々にパーニ伯爵の方にいるオーガの状態の確認に行かせて頂きます。」
武雄が言う。
「さて・・・昼食後の戦闘だが・・・規模にもよるが最初はうちと親父殿、次はうちとロバートの所で出し合うという流れになるだろう。
ロバート、親父殿、準備をお願いする。」
「うむ。」
「了解です。」
ゴドウィン伯爵の言葉にエルヴィス爺さんとテンプル伯爵が頷く。
「どのくらい用意させるのですか?」
「そうだなぁ・・・まぁ、緊急なら皆が動けるようにはしてくれているだろうが。
俺の所は4小隊が小競り合いの戦闘用、予備に3小隊が待機状態になっているな。
親父殿やロバートの所でも戦闘小隊と予備小隊はいるはずだ。
今回は戦闘途中で交代させる事にしているからな。
入れ替えの小隊を用意する事にしているが、まずは予備も含めて増やす事にしているよ。
まだ、詳細は決まっていないが、早々に決める事にする。」
ゴドウィン伯爵が言うとエルヴィス爺さんとテンプル伯爵も頷く。
「・・・頑張ってください。」
武雄も頷く。
「タケオは基本的には小隊毎の戦闘には出ない事で俺らも合意している。
出てくるのは総攻撃や大規模攻撃、オーガの攻撃時だな。
現状の所、タケオの報告では大規模攻撃や総攻撃、オーガ突撃の兆候はない。
だが、どうなるかわからないからな・・・。
全体に対しての総攻撃や大規模攻撃では各々で対応するしかない、だが中央の俺らの所にならこっちで対応し、親父殿とロバートの所から魔法師の応援を得て、回復と戦闘をする事になっている。
でだ・・・タケオ、もしロバートと親父殿の2か所を攻撃する事になった場合はタケオは動くか?」
ゴドウィン伯爵が聞いてくる。
「そうですね・・・テンプル伯爵とエルヴィス伯爵の両端に向けての攻撃においては試験小隊も参加しても良いですが、そこまで人数もいませんからね。」
「そうだな。」
「ですが・・・1小隊かオーガ10体まで・・・いや15体までなら受け持ちますよ。
うちは優秀な魔法師達の集まりですからそのぐらいならなんとかします。」
武雄が堂々と言ってのける。
「・・・タケオ、脅威の高さではなく人数で見ているのかの?」
エルヴィス爺さんが聞いてくる。
「残念ながら私の試験小隊は対大規模戦闘では威力を発揮出来ません。
対応出来る人数に制限があると考えています、15名程度でしょう。」
「タケオさん、オーガと獣人が同じだと?」
テンプル伯爵が聞いてくる。
「図体の大きさと力が強いだけで一個人という所は変わらないと考えています。
なので、戦闘方法も変わりませんよ。
盾で攻撃を防いだ瞬間に一撃を以て首を刈る・・・これしかないんですから。
オーガと獣人の差は私は気にしません。」
武雄が言い切るのだった。
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