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第2417話 エイミーの研修。2(エイミーに研修っぽい事が始まる。)

「そもそも高性能肥料自体がキタミザト様関係ですし、キタミザト様関係の面倒事なら私達も身に覚えがございますし・・・SL-02液の販売については前向きに検討します。

 しかし、最終的には伯爵様とキタミザト様に判断を頂かないといけません。

 なので、SL-02液の輸出が出来ない事もあり得る事は了承願います。」

「それは致し方ありませんが、よろしくお願いします。」

「はい。」

会議に参加している皆が頷いている。

「では、次の議題に入りましょう。

 南町の村作りの状況についてです。

 まずは輸送船関係の説明を。」

経済局長が文官に言う。

「はい、報告します。

 現在、人工湖から続く川に船の接岸が出来るように設備を設置する作業をしています。

 停められる船の数は今の所4隻と想定しています。

 船の大まかな大きさは添付資料をご覧ください。

 こちらはまだ設計段階との事で多少の変更はされる可能性があるとの事です。

 また、今後の船に関する工程については。」

経済局の文官が説明を始める。

「・・・」

エイミーは資料を見ながら話を聞いている。

「以上の事から船関係については今の所、出来る事は終わっていると思われます。」

文官が席に座る。

「次に農業関係の説明を。」

「はい、まずは農家の移住についてです。

 前回の会議で出ました、南町と南町が管轄する村からの農家の移住についてです。

 移住を許可した方々の移住が終わりました。

 ですが、今後もう1度移住をさせないといけない事が予想されます。」

「何か問題があったのか?」

「新規村にはありませんが、我が領へ他領より引っ越しの依頼が来ていると総監部より内々に報告がきております。」

「え?・・・あ、ごめんなさい。

 続けてください。」

エイミーが声を出してしまい、すぐに皆に謝る。

「・・・こちらも王都方面よりの依頼になります。

 次回に総数を記載できる物と思います。」

「うん、その王都方面からの移住者の話だが、また同じ貴族領からなのか?」

経済局長が聞き返す、エイミーは「え?どういう事?」と目線を左右に向けながら状況の把握に努めている。

「いえ、違うと報告されています。

 今度は王都の北側の貴族領から依頼が来ているとの事です。

 総監部が向こうに確認をしており、正式な数は次回報告出来る物と考えています。

 それと総監部より南町に引っ越しをしてくる者達分をまた南町から新規村に移住させるのかと聞かれています。

 私としては南町に他領より移住者が入ってくるのであれば、前回と同様に南町および南町管轄の村に募集をかけて選抜し、新規の村に移住をお願いしようと思います。

 ですが、前回の募集時に落選された方が再度、募集して頂けるのでしたら、そのご家族を優先的にはどうかと総監部と総務局からも言われております。

 局長の考えはどうでしょうか?」

文官がそう言って席に座る。

「そうだなぁ・・・まず移住については歓迎すべき事だろう。

 だが、今の方針では農家の移住者は南町にて受け入れるとしている。

 このままさらに移住者が増えた場合は南町の農家の中で移住者の方が多くなりかねないな。

 折角来てもらったのに先に居る領民と移住して来た者で諍いをしてはいけないからな。

 今回はまだ南町自体の総数に対して移住者は少ないが、今後は西町や北町にもお願いする可能性がある。

 総監部からの調査結果が出たら、前回来た者達と合わせた移住者の資料の作成を行い、

 総監部からの内容と追跡調査のリストを作るように。」

「了解しました。

 追跡の方は1年、3年、5年、10年、20年とし、直接および周囲の者達からも聞き取りをして追記出来るようにします。」

「うん、そうしてくれ。

 さて、話は戻そう。

 南町とその管轄村から新規村への移住者の選定だが・・・確かに前回応募をして今回も・・・となるなら今回は行かせてあげたいとは思うのが人情ではある。

 だが、私としては新規村への移住者は経済局(こちら)で村全体のバランスを見ながら選定している。

 なぜなら、新規村には普通の村に移住するよりも労力や忍耐力、計画性と臨機応変さが必要だと思うからだ。

 農業だけに留まらず村の為に動ける家族なのか、規律を守れる家族なのか・・・想定される問題に村内の規律を守りながら各々がどう動くかを想定して決定している。

 なので、前回応募しているからといって手心を加えてはならないと考える。

 今回も全志願家族の調査を行い、新規村に必要な家族を移住させる事が必要であると思う。」

経済局長の言葉に皆が頷く。

「・・・さて、エイミー殿下、私の考えに対しての反対意見をお願いします。」

「・・・あー・・・反対意見ですね?」

「はい、この手の授業は王立学院でもされていると思われます。

 エイミー殿下がどう思われているか・・・ではなく、仕事として反対意見をおっしゃってください。

 お願いしたいのは村人の選定についての反対意見です。

 多様な意見を必要とするのなら、反対意見をすぐに考えつくという経験をして頂きます。」

「わかりました。

 では、経済局長の経済局内で選定を行って新規村に移住させる事へ反対の考えを述べたいと思います。

 えーっと・・・まず、現状の確認ですが。」

エイミーがメモや資料を見ながら意見を述べるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] エルヴィス家の文官。  エイミー殿下を   ・スミス の嫁候補   ・王族  と、考えずに、 遠慮なく、研修にて、困らせる姿勢  エイミーのみならず、後で聞く  ・アズパール王  ・第2皇…
[一言] エイミー「これってどう考えても私の研修じゃなくて体よくこき使われてるだけよね…」
[良い点] 流石というか、文官さん方はお仕事できる方々だなぁと。 領地への移住希望者が増えてきてるのは狙い通りとして、問題点もしっかり予測して、対応案を想定。 いい環境だなぁ。
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