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第2393話 283日目 エイミー、到着。(精霊が疲れるってなによ。)

昼前のエルヴィス伯爵邸がある街の城門。


エイミー達一行は受付の列に並んで待っていた。

「・・・こうやって見ると商業都市という位置付けなんですね。」

エイミーが馬車から降りて周りを見ながら言う。

「エイミー、あそこの荷馬車、野菜が満載ね。

 でもトマトとかが多いね。」

チビアルがエイミーの肩に乗って腕で示しながら言う。

「・・・ウスターソース用でしょうか。

 クリフ伯父上の所には行った事ありませんが、同じように野菜を運んできているのでしょうね。

 ふむ・・・ここまでの村や町での畑を見てきましたが・・・凄いなぁ。」

エイミーが腕を組んで考える。

「で・・・キティとエリカが極度に緊張しているんだけど?」

チビアルが馬車を見ながら言う。

「気にしない事にしました!」

エイミーが言う。

「え?キティはまぁ、わかるけど、エリカの緊張が半端ないんだけ」

「気にしないの!どうせ、タケオさん関係です!気にしない!これに限ります!

 アルも気にしちゃダメ!

 私は私で出来る事をします!」

「えー・・・それで良いの?」

チビアルが困った顔をさせながら言う。

「良いの!

 途中から私も気が付いていたけど!何を言えと?

 下手な慰めは必要ないです!本人達で何とかするしかないの!

 だから気にしない!」

エイミーが言う。

「「「ははは。」」」

エイミーを見守っているラックとバート、フォレットが笑っている。

「失礼します。

 エイミー殿下とお見受けしますが?」

「うん?はい、そうです。

 私がエイミー・ニール・アズパールです。

 貴女は確か・・・」

エイミーが声をかけられ、顔を向ける。

「はい、前に王城の湯浴み場で一度。

 無事のご到着、安堵しております。

 キタミザト家 農業部門のエンマ・ベルテと申します、こちらが。」

「ニルデです!」

エンマとニルデがやって来た。

「はい、ありがとうございます。

 えーっと・・・他2名が馬車の中ですが・・・呼びますか?」

「あ、えーっと・・・構いません。

 この後のお話をしに参りました。

 受付が済み次第、伯爵邸にお向かいください。

 表通りを真っ直ぐ進みますと伯爵邸がございます。

 現在、ご存じの通り、キタミザト子爵様とエルヴィス伯爵様がこの地に不在でございます。

 代行としてアリス様がご対応する事になっております。」

「はい、わかりました。」

エイミーが返事をするとラック達も返事をする。

「で・・・えーっと・・・肩に精霊がいらっしゃいますよね。」

エイミーがエンマとニルデの肩を見る。

「あ、もうエンマの方の用事は済んだ?」

チビウカがエンマに聞く。

「はい、お伝えする事は伝えました。

 自由にして良いですよ。」

「あいあい。

 アル、久しぶり~、いや?初めまして?

 これがアルの契約者かぁ、真面目そうね。」

「わー、王族様だよ王族様。

 やっぱこうだよね、今一タケオが貴族っぽくないし、伯爵はのほほんとしているしね。

 凛々しいね。」

チビウカとチビダキニがエイミーの前に飛んでいく。

「こらこらこら!うちのエイミーに飛び掛からない!」

チビアルが注意してくる。

「「えー?」」

「『えー?』じゃないわよ。

 2人が実体化したのは知ってたけど、タケオの所だったの?」

「「うん。」」

チビウカとチビダキニが頷く。

「・・・あー・・・そうか、タケオ、米作っていたっけ。

 ウカはそれ関係か・・・ダキニは?」

「抱き合わせ?」

チビアルの問いにチビダキニが首を傾げて言う。

「売れない商品じゃあるまいし。

 で、なんで2人が来たの?

 いくら何でもキタミザト家にも執事とかメイドとか居るでしょう?」

「いや~、私達が実体化して初めての他の精霊じゃん?

 会いたいじゃん?

 志願するじゃん?」

チビウカが言ってくる。

「・・・なにその唐突な『じゃん』付けは・・・」

チビアルが額に手をやりながら項垂れる。

「ラフな感じで会った方が話が弾むと思って~。

 ね、だーちゃん。」

「そそそ、都会から来るハイソな精霊に負けられないし!

 おっと、違った。

 話が弾むと思って~。」

2人が言う。

「はぁ・・・そんなわけないでしょうよ・・・」

チビアルが疲れた顔をさせる。

「ペイトー!出てきなさいよ~!」

チビダキニが馬車の窓を軽く叩きながら言う。

「・・・お久しぶりです。」

窓が少し開くとチビペイトーが恐々と顔を出す。

「「おひさ~!」」

チビウカとチビダキニが挨拶する。

「そうだ、ペイトー、王都どんななの?

 美味しい物あった?」

「だーちゃん、食べ物も重要だけど、他の精霊達がどうなのかも聞かなきゃ!」

「あ、そうだった!

 他の精霊はどんなのが居るの!」

「どんだけぶっ飛んだ精霊が来ているんだろうね?

 早く教えて!」

チビウカとチビダキニがチビペイトーに言い寄る。

「はぁぁぁ・・・2人とも自由ね。」

「「うん!」」

増々疲れた顔をさせたチビアルの呟きに2人が笑顔で答える。

「・・・ウカ、ダキニ、それぐらいにしましょう。

 精霊達の集まりはコノハ殿がしてくれると言ってくれていましたし、エイミー殿下達はこの後、アリス様の所に行かないといけないですからね。」

エンマが言う。

「「はーい。」」

チビウカとチビダキニがエンマとニルデの肩に戻る。

「では、お騒がせしてすみませんでしたが、私達はこれで。」

「あ、はい、ありがとうございました。」

エイミーが言う。

「では、失礼します。」

「失礼します!」

エンマとニルデが頭を下げてエイミー達の下を去っていくのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] また続きを読ませて頂くので〜。 [気になる点] いやまぁここの話数と全然関係無いけど、ずーっと燃焼機関の話の所が気になっていて。 キャブレター調整で、燃料が気化しないのでパワーが出ないっ…
[一言] アル と テト の姉妹? 侍從?  の出会いが、待ち遠しいです。
[一言] エリカはアリスに会うの怖いのか
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