第2392話 280日目 今日も終わり。(リラックスしながら夕食を待ちましょう。)
キッチンカーではアーキンとオールストンが料理をしている。
「あれ?ケイちゃん、何か落ち込んでる?」
パメラが隣に座るケイに聞く。
「明日、料理の当番・・・はぁ・・・こんな事になるならお母さんに習っておけばよかったぁ・・・」
ケイが落ち込んでいる。
「ケイちゃん、料理出来ないんだっけ?」
「・・・・・・・・・・・・まともにした記憶が無い。」
「あー・・・それは大変だ。」
「パメラはあるの?」
「私?・・・私は・・・退学する可能性があったから・・・他に適性があるかもって・・・休みの時に酒場の料理人の見習い仕事しながら基本を教わってたりしてた。」
パメラが暗い顔をさせて言う。
「・・・あの時、そんな事してたの?」
ケイが若干驚く。
「うん・・・少しなら料理出来るよ、たぶん。」
パメラが最後は少し明るい声で言う。
「・・・だけど、経験値としてはパメラの方が上だね。」
「基礎しかしてないからなぁ・・・同じくらいじゃない?」
「ちなみに明日は誰と?」
「アーリス殿、パメラはいつやるの?」
「3日後だよ、所長が作る前の日だね。
マイヤー殿と。」
「・・・お互い、上司にお任せになっちゃいそうだね。」
「そうだね。
でも、それしか出来ないよ。」
「・・・そうね。」
ケイとパメラが微妙な顔をさせながら頷く。
「はぁ・・・仕事終わった。」
「削るだけといっても意外と疲れる物ですね。」
武雄とマイヤーが焚き火の周りにやって来る。
「「「「お疲れ様です。」」」」
その場にいた皆が2人に言う。
「はい、お疲れ~。
アンダーセンさん、何飲んでいるんですか?」
武雄が聞きながら空いている所に座る。
「普通のお茶ですよ。」
アンダーセンが答える。
「なら茶器とコップください。」
「はーい。」
ブルックが近くにあった数個のコップと茶器、葉の入った箱をお盆に乗せて武雄に渡す。
「マイヤーさんのも淹れるか。
マイヤーさん、ついでだけど良いですか?」
「全然構いませんよ。
というより、私がしますが?」
「マイヤーさんは座っていてください。
私がします。
ミア、お菓子どうします?」
「主~、何がありますか?」
「まだ、色々ありますけど。
かりんとうにしますか?」
「それで良いです。」
「2個ぐらいで良いでしょうかね、夕食前ですし。」
武雄がミアにかりんとうを2個渡す。
「かりんとう~♪」
ミアがかじり出す。
「・・・はい、マイヤーさん、お茶です。」
「ありがとうございます。」
武雄が自分とマイヤー用のお茶を淹れマイヤーに渡す。
「そういえば今日はいきなり訓練場が出来ていましたね。
あれは、私達用ですか?」
アンダーセンが言う。
「あれは朝と夕方に鷲達が偵察を行うので緊急時の偵察とエルヴィス家の報告の時以外の日中は使って良いですよ。
鷲達を飛ばす時は一旦、訓練中止で。」
武雄が言う。
「わかりました。
まぁ、基本は走り込みでしょうけどね。
木材がそのままですので奥まで行って帰ってくるだけでも訓練になるでしょう。」
アンダーセンが頷く。
「所長、キタミザト家への報告はいつ飛ばすんですか?」
ブルックが聞いてくる。
「朝の鷲の偵察をしてからなので・・・毎日昼には飛ばすようにしたいですね。
ミア、フウガ達からそう言われているんですよね?」
「うん?
フウガ、昼に飛び立って、エルヴィス伯爵領側の関で1泊して次の日の昼に伯爵邸でしたよね?」
ミアがかりんとうをかじるのを止めて、タオルを重ねて作られた巣でくつろいでいる鷲達に聞く。
「クルッ。」
フウガが返事をする。
「主、その日程で組んでいるそうですよ。
なので、向こうからも1日で交代の鷲が来ます。」
ミアが言う。
「だ、そうです。」
武雄がブルックを見る。
「了解しました。」
ブルックが言う。
「そういえば初雪殿はどうしたんですか?」
ベイノンが聞いてくる。
「ただいま。」
と初雪が武雄の横にやってきて座る。
「おかえりなさい。
どうでしたか?」
「周辺の森に問題なく。
訓練場にある倒した木々の枝を明日の朝までにスライム達に吸収するよう言っておきます。」
「頼みますね。」
武雄が初雪に言う。
「ちなみに。
タケオ、訓練で使うのなら広場を綺麗にするのを早めた方がいいですか?
アンダーセン達が使うとはタケオから聞いていませんでしたので。」
初雪が言ってくる。
「んー・・・アンダーセンさん、使いたいですよね。」
武雄がアンダーセンを見ながら聞く。
「はい、出来ればですが・・・至急とは言いませんが、出来るだけ早めでお願いしたいです。」
アンダーセンが言う。
「だそうです・・・初雪、スライム達が予定通りに作業できた場合の完了日を明日教えてください。」
「わかりました。」
初雪が頷くのだった。
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