第2387話 さて・・・夕食にしようか。(しっかりした食事は朝晩のみという事実。)
湯浴み場の方は湯船にお湯を半分張った状態で青スライム達に湯船の清掃とお湯の洗浄をお願いしている。
武雄達はその間に焚き火を囲んで夕食を取っている。
とはいっても焚き火がある場所は、広さがあり、屋根までが高めで周囲の幕が垂れているだけのテントの中で、簡単にイメージすると運動会で役員さん達が座っている骨組みと屋根だけのテントのような物に横に幕がある感じになっていた。
今は横の幕を巻き上げてあるものの、幕を垂らして重しを乗せておけば、風雨があっても中に雨水が吹き込まずに座っていられる作りになっている。
今はまだ石が敷かれていないが、石が敷かれた後ならば周囲の水の浸入を防ぐと考えられた。
ちなみに初雪の夕食用の残飯はエルヴィス伯爵軍の兵士長に頼みに行く前に夕食をとっている兵士達が穴に埋めているのを見て、掘り返すのもあれなので、依頼自体を断念して戻って来ていた。
なので、初雪の夕食はオークの部位になり、フウガ達5体が森から出て来たので、フウガ達にもオークの部位を与えていた。
「ふむ・・・なんだかんだで出来るものですね。」
武雄が特殊コンテナ搭載馬車3つとマイヤーのテントを見ながら言う。
「最低20cmとのことでしたが・・・・一応、20cmにはなっているはずです。」
アンダーセンが言う。
「多少は凹凸があっても平気ですよ。
試験小隊の明日の予定は?」
「はい、明日は昼までに各位のテントを張る予定の場所の手前側の石撒きを終えたいと思います。
その後、打ち合わせ室の屋根に監視用のテントを張る予定です。
張り終わって、雨が降らなければ基礎訓練ですね。
雨なら焚き火の所で黒板と地図を使っての地理把握の座学です。」
アンダーセンが言う。
「そうですか。
マイヤーさんは?」
「私は明日の午前中は行程のまとめと今日の事の報告書作りですね。
まぁ、特に何かあった訳ではないので簡単な報告内容で終われると思います。
所長はどうしますか?」
「明日はフウガ達を使った上空からの監視の試験をします。
初雪の作り出すスライムを持って上空まで行けるか。
戻って来て初雪が読み取れるかの確認と15時くらいにはエルヴィス伯爵邸に向けての報告を開始します。
あと、現在の所、隣接している森の中に魔物は居ません。
明日も確認して居た場合は脅威になる前に小銃改で狩ってこようと・・・アンダーセンさんします?」
武雄が考えながら聞いているアンダーセンに言う。
「ええ、戦闘の訓練にはなりますよね。
面倒な物でなければ訓練に組み込みますので狩りに行く前に相談をお願いします。
緊急性がなければ、明後日にでも訓練をしてみたいです。」
アンダーセンが言う。
「わかりました、初雪、森の中の監視を引き続きお願いします。」
「わかりました、スライム達に伝えます。」
初雪が頷く。
「それと湯浴み場の設置は完了しています。
これのテントと同じように屋根と壁を設置してください。
湯浴み場の清掃は基本、青スライムがします。
なので、踏んだりしないようにしてください。」
武雄が言うと皆が頷く。
「うん、今日はそんな感じですかね。
明日の起床は何時ですか?」
武雄がマイヤーに聞く。
「7時です。
身支度をして7時半に食事で8時から各員動き出すといった感じです。」
マイヤーが言う。
「なるほど、なら朝食は前日の夕食の支度時に作って、大袋に入れておいた方が良いですね。
明日は簡単なパンとソーセージがありますから、茹でて置いて各々で取って貰いますか。
私は7時より少し前に起きて、朝食の用意しておきます。」
「よろしくお願いします。」
マイヤーが頷く。
「・・・所長、基本的な事なのですが、戦場では朝と晩がしっかりとした食事になりますよ?」
ブルックが言ってくる。
「そうなのですか?」
「料理人少ないですし、昼も集まってとなると部隊の作業が進みません。
昼に小腹が空いたら各自で取るのが一般的です。
休憩自体はありますが、昼食は何もなければ勝手に取って貰うという感じです。」
「わかりました。
昼は自由なんですね。
王都守備隊とか貴族軍はどうしているんですか?
店とかないですよね?」
「基本的にはパンとスープが置かれていて自由に持って行く感じですね。
そうすれば作業が終わった班から取っていきます。」
アーキンが言う。
「ほぉ、となると明日の朝に考えていたパンとソーセージは昼にした方が良さそうですね。
朝は何しようかなぁ・・・あ、ベイノンさん、明日朝手伝ってください。」
「了解です、何を作りますか?」
「フレンチトーストにしましょう。
甘さは少し抑えれば朝食に出せるでしょう。
あれならすぐに作れますし、胃にも優しいですしね。」
「はい、前に子供達に作ったのが役に立ちそうですね。」
ベイノンが頷く。
「それと今日から夜は試験小隊から夜番として寝ずの番を2名出します。
陣地がエルヴィス伯爵領軍の陣地内ですからそこまで警戒はしませんが、警護の為に必要です。
基本的には焚き火の所に居て貰い、30分毎に陣地をぐるりと回って異常が無いかの確認と至急の連絡が来た際の対応です。
夜番をした者は午前中は寝て貰って午後から作業に参加です。
部隊運用と警邏方法はアンダーセンさんに一任します。」
武雄がアンダーセンに許可を出すのだった。
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