第2381話 エイミー達の雑談。(2人が研修中はエリカはアリスとお茶しています。)
移動しているエイミー達はというと。
「エリカ殿が大袋を持ってくれていて助かりました。」
エイミーが同乗しているエリカに言う。
「良いんですよ。
私の方も持って行く物がありましたからね。
ご一緒してくれてこっちも助かりました、馬車が1台で済みましたからね。
それに今回は私の方の護衛なしでの参加ですので、王都守備隊から来て頂いているので問題はありませんが、エイミー殿下のお付きのドネリー殿も腕が立つようでご一緒してくれて安心しています。」
「そういえば、最初の頃一緒に行動されている女性が居ましたが、今は?」
「ウィリアム殿下領に行っています。
向こうで受け入れ準備の指導の立ち合いをしているんです。」
「そうなのですか。
第3皇子一家の方の準備は順調なのですか?」
「ええ、割と順調です。
まぁ・・・多少・・・街作りが遅れ気味とは聞いていますが、急いで作っても良い事はありませんから。
多少の遅れは致し方ないとしています。」
「大丈夫なのですか?」
「大丈夫ですよ。
遅れはしょうがないと皆さん方と話し合っていますし、今は騎士団や兵士長、文官の局長達が領内を巡って色々と指導をしているんです。
ちょっと遅れているとは聞いていますが、急かしても良い事が無いので今の工程でどこまで出来るかの確認をして、指導をしているんですよ。
殿下達はその進捗を見ながら全体を確認しています。
昨日の時点で深いため息を吐いていましたけどね。」
エリカが苦笑しながら言う。
「・・・第3皇子一家も大変そうですね。」
エイミーが同情したような顔をさせながら言う。
「エリカ殿はそんな中、エルヴィス伯爵領に行って大丈夫なのですか?」
キティが聞いてくる。
「大丈夫です。
殿下方も私も相談し合って、局長達に大枠の指示と権限は出し終えているんです。
相談がされれば指示を出す、相談がされるまでは局長達に任せる事にしているんです。
とても苦しそうですが、ここであれやこれやと追加の指示を出しても混乱が増すばかりですしね。
あとは局長達、文官の調整能力を信じるのみです。
私はその間にエルヴィス伯爵領にエイミー殿下とキティ殿と行って気分転換をして来いと言う所ですね。」
「そうなのですね。」
キティが頷く。
「エリカ殿、エルヴィス伯爵領はどんな所ですか?」
「どんな・・・ですか?」
エイミーの問いにエリカが首を傾げる。
「ええ、まぁ、地方領なので王都よりかはほのぼのとしているとは思うのですが。」
「ほのぼの?・・・それはエルヴィス伯爵がではないですよね?」
「伯爵邸がある街が、ですが。」
「・・・ほのぼの?」
エリカが眉間に皺を寄せて腕を組んで考える。
「違うのですか?」
「・・・ある意味でほのぼのでしょうか。
領民の方々はおおらかですよ。
話しかければ友人のように話してくれる店主さんが多いですし、物価も王都に比べれば安いですね。
まぁ、扱っている種類という所では少ないかもしれませんが、不便は感じませんね。
ですが、エルヴィス伯爵が主導して街中にレシピを公表して美味しい物が多いというのも聞いていますし。
タケオさんが主導して、衣服なんかも力を入れて購買意欲と領外への販売に力を入れているとも聞いていますし、魔王国から試験的に物を買い入れていて、今後我が国に無いような物も買えるだろうとも聞いていますからね・・・商人が多く出入りしている街になっていると思うんです。
ほのぼのは・・・領民の方はしているかと思いますが、街としては活気があると思うんですよね。」
エリカが言う。
「活気がある街は楽しそうね。
でも、活気があると犯罪もあるだろうからなぁ。
キティ、一人歩きはダメだからね。
どんなに近くに行くにしても誰か一緒に行って貰いなさい。」
エイミーが言う。
「わかっています。
エイミー殿下、それ何回も聞きましたよ。」
「何回でも言わないとね。
で、キティ、向こうに行ったら何を見て来るか考えたの?」
エイミーがキティに聞く。
「仕事内容ぐらいしかないんですよね。
どの部署を見せて頂けるにしてもあまり滞在日数がないので深くまで出来ないでしょうから、概要の説明を聞いて、他の方々の仕事を見学して・・・だと思うんです。
なので、雰囲気とかを感じ取ってメモを取って行こうかと思っています。」
「まぁ、そうね。
ま、私もキティに付き添いながら、王城や実家と見比べて、雰囲気を確認させて貰うぐらいしか出来ないだろうね。
エリカ殿は?」
エイミーがエリカに聞く。
「エイミー殿下とキティ殿が庁舎で実習をされるのでしたら、私はその間はエルヴィス伯爵家にいますよ。
朝、お二人を庁舎まで送って、迎えに行くのが私の役目になりそうです。
私はアリス殿と雑談をして楽しむのがお仕事になると考えています。」
エリカが言う。
「うん?エリカ?アリスと話す?
エイミー、フレデリックと行動?」
黙って聞いていたビエラがエリカに聞く。
「はい、そうなりますね。
フレデリック殿が対応する旨はジーナ殿から聞いていますから、私が付き添わない方が良いと思います。
それに朝夕の送迎に関して言えば、多分、王都守備隊の方も一緒に行ってくれるので、皆で散策をする感じになるでしょうね。」
エリカが言う。
「なるほりょ。」
ビエラが頷くのだった。
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