第2369話 274日目 冷蔵箱は試験中です。(明日は何をしましょうか。)
ゴドウィン伯爵邸の客間にて。
夕食を終えた武雄達とゴドウィン伯爵、ジェシーが集まり雑談をしていた。
「ふむ・・・割と固いですね。」
武雄がビスケットを食べながら呟く。
「これ以上柔らかくならないのよ。
タケオさん、何かある?」
ジェシーが聞いてくる。
「んー・・・そうですね・・・パンニューキス、居ますか?」
「はい、タケオ、お久しぶりです。」
チビパンニューキスがジェシーの肩に現れて武雄に挨拶する。
「お久しぶりです。
クッキー作らないのですか?」
「ふむ・・・タケオ、作って良いのですかね?」
チビパンニューキスが首を傾げながら言う。
「原材料?」
「ええ、バタークッキーを作れはするでしょう。
フレッドやジェシー、屋敷のみに提供というのは出来るでしょうが・・・クッキー作ると絶対外で売りたくなりますよね?
市場にあるバターの量を見ると・・・躊躇します。
タケオは作らないのですか?」
「・・・私も作りたいのですけどね・・・ほら、冷やすのも大変でね。」
「あー、そういう問題もありますね。」
「まぁ、冷蔵庫擬きの冷蔵箱を試作しましたが。」
「冷蔵箱!その手がありましたね!
発売はいつに?」
「まだ試作ですよ。
それに溶けた氷の排水処理方法を確立しないとね。
まだ一般向けではないですよ。」
「ふむ・・・タケオ、商品化の予定はどのくらいですか?」
「まだ、何とも。
エルヴィス家に行くのなら厨房にありますから見てみてください。
小さめのを作っているので見る分には平気だと思います。」
「わかりました。」
チビパンニューキスが頷く。
「・・・あれが小さい?」
チビパナが武雄の肩に現れて首を傾げる。
「容量が少ないですからね。」
「タケオの趣味が爆発したとしか思えませんでしたが・・・まさか試作品段階から中空の板が内側に貼られるとは思いませんでしたよ。」
チビパナが言う。
「断熱に中空の板を使うのは当然です。
私や鈴音は窓が2重、3重というのは普通に存在する暮らしでしたからね。
中空部分が真空の魔法瓶もあったくらいですよ?
わざわざ非効率にする必要はないですよ。」
「はぁ・・・ですが、その中空の板が厚くなったのは誤算でしたよね。」
「そこは技術力ですからね。
ハワース商会の親父さんと職人さんが必死に作った結果の試作品ですよ。
これ以上の性能を求めるのは次の段階でしょう。」
武雄が言う。
「タケオ、その冷蔵箱は満足しているのですか?」
チビパンニューキスが聞いてくる。
「現状の技術力に納得はしていますが、満足はしていません。
今回の大きさは・・・」
武雄が客間内をぐるりと見回して壁に備え付けてある棚で顔を止める。
「タケオ、大きいですね。」
「ですね。」
チビパンニューキスの呟きにチビパナが言う。
「初回にしては頑張っていますよ。
溶けた氷の排水や開けた際の温度上昇等々検討する事はたくさんあります。
もう少し私の方で検討と試作をしてから売り出しても良いかもしれません。」
「ん~・・・」
チビパンニューキスが悩む。
「こっちでも作りますか?」
「え?ほん・・・いえ、ご遠慮します。
タケオが上手く行ったのを買った方が結果的に安上がりになりそうです。
それに同じ物を検討しても費用と時間の無駄ですから。」
チビパンニューキスがチビパナを見てから目線を逸らして言う。
「わかりました。
格安とは行かないかもしれませんが、ゴドウィン伯爵邸に入れる分は利益を低くしてお売りしますからね。」
「はい、お願いします。」
チビパンニューキスが頷く。
「んーっと、とりあえず、何かタケオさんが作っていて商品化したらこっちに売ってくれるのね?」
ジェシーが聞いてくる。
「はい、野菜等の鮮度を少し延ばす箱を考えています。」
「へぇ、良いわね。
タケオさん、パンニューキスに言っていたけど、それは実家に行った時に見れるのね?」
「ええ、見れます。」
「そっかぁ、ならそれも楽しみにすれば良いわね。」
ジェシーが頷く。
「何が出来るかわからないが、タケオ、期待している。」
「はは、わかりました。」
武雄が苦笑しながらゴドウィン伯爵に言うのだった。
「それで、タケオ達は明日は休暇だろう?
タケオは何をするんだ?」
ゴドウィン伯爵が聞いてくる。
「そうですね・・・街中にくり出して、商店を見学しましょうかね。」
「ほぉ、うちの地域経済に貢献してくれるんだな。」
「貢献する程買いませんけどね。
品揃えが良い雑貨屋さんとか、屋敷の方々が良く行くお店を紹介してくれると助かります。」
「ふむ・・・わかった、明日の朝食後までに簡単な地図を用意しておこう、食後に渡すからな。」
「ありがとございます。」
武雄が頭を下げて礼を言うのだった。
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