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第2365話 まずは息抜きをしよう。(あ、餌付けされている。)

ゴドウィン伯爵邸がある街の居酒屋。

試験小隊の面々が夕食にありついていた。


「明日は飲むかぁ!」

「小遣いいくら持って来ましたっけ?」

「樽二つぐらいで足りるんじゃないのか?」

「いや、お前らどんだけ飲むんだ?」

「アーキン、明日どこ行く?」

「エルヴィス伯爵領より良い物があるのか・・・雑貨屋巡りかな。

 面白い物があったら買っておいて、所長に見せるか。」

皆がワイワイ飲みながら話している・・・のだが。

「「「「・・・」」」」

ケイ達新人4人が何とも言えない顔をさせて食事をしていた。

「・・・なんで、そんな顔なんだ?」

オールストンが4人に聞く。

「いえ・・・食事なんですけど・・・」

「何と言うか・・・」

「ん~・・・」

「美味しいんですけど・・・」

4人が微妙な返事をする。

「あ、ここに所長の弊害が生まれてる。」

ブルックが苦笑しながら言う。

「あー・・・野営時の食事か。」

オールストンが頷く。

「うん?ああ、所長の野営時の食事はそんじょそこらの店以上だからなぁ。」

「特に今回はお試しで『おじや』を作ってくれましたよね。

 あれは新しい味でしたね。」

ブレアとアーリスが言ってくる。

「卵とコショウでしたか・・・美味しかったですよね。

 いつもはスープで終わらすのにそこに米を入れるとまたもう1品追加された感じになって。」

アーキンも言う。

「ま、この子達は先の新人小隊に研修に行った際に野営食を食べているし、今回はその差が大きいのだろうな。

 うちの所長に勝る野営食を考え付く料理人が何人いるんだ?って話だな。」

アンダーセンが言ってくる。

「ははは、私らは幸せなんだろう。

 野営食がこれほど待ち遠しいと思える遠征があるんだからな。」

マイヤーが言う。

「そう言えば、マイヤー殿はほぼ毎回所長の出張に同行していましたよね。」

アーリスが聞いてくる。

「うむ、毎回所長が作ってくれた。

 美味しかったんだよなぁ~。」

マイヤーが納得した表情で頷く。

「「「「いいなぁ~。」」」」

新人4人が羨ましがる。

「ははは、だが、所長と一緒の行動はそれなりに過酷でもある。

 特に欲しい人材が居た場合に緊急雇用したり、十数体のオークと連戦したりな。

 まぁ戦闘面や交渉事が増える分、それを熟せば美味しい食事にありつけるという訳だ。

 この間は他の軍幹部やら上層部との会談があったのだろう?

 あれも精神上辛い物だろう。

 ご褒美は労働があってこそ、という訳だ。」

マイヤーが言う。

「「「あ~、悩み処ですよね~。」」」

数人のベテラン達が笑いながら頷く。

「でも、交渉や戦闘は1日とか2日ですよね?

 それ以外の食事があれほどなのですよね?」

ミルコが聞いてくる。

「ん~・・・そうとも言えないんだよなぁ。」

「この子達は本気の連戦はまだ未経験か・・・んー・・・」

ベイノンとオールストンが考えながら言う。

「「「「え?」」」」

4人が首を傾げる。

「こればっかりは経験ですから。」

「ああいう状況ってあまりないですし。」

アーキンとブルックが苦笑しながら言ってくる。

「今回の慣例の戦争で似たような経験が少しでも出来れば良いんだがなぁ。」

マイヤーが考えながら言う。

「「「「うん?」」」」

4人が首を傾げる。

「あー・・・口で言うのは簡単なんだ。

 要は連戦や上層部との会談が続くと肉体よりも精神的に過度な負担がかかる。

 食欲不振になったり、体調不良になりやすくなるんだ。

 美味しい食事が待っていても、食べる気にならずに寝たくなるんだ。

 最初はこれが結構辛いんだ。

 慣れれば、食事は食事、戦闘は戦闘、交渉は交渉と割り切って行動が出来るようになるんだが・・・」

アンダーセンが難しい顔をさせながら言う。

「まぁ、戦場も似たような緊張が強いられますし・・・最初は私達も気を付けて見ておかないといけないという事ですね。」

ブレアが言ってくる。

「そうですね。

 関の内側での買い物等の気晴らしも入れて、慣れさせるしかないでしょうね。」

アーリスも言う。

「うん、そうだな。

 所長は・・・まぁ、あれだからな、全くそんな事を気にしなくて良かったが、この子達はしっかりと見ておかないといけないだろう。」

マイヤーが頷く。

「あ・・・関の買い物で思い出した。

 ケードとコーエン、アニータは1人で行動しちゃダメだからね?

 それと女の子だけでの行動は禁止だから。」

ブルックが言ってくる。

「「「?」」」

3人が不思議そうな顔をさせる。

「試験小隊の陣地以外を歩く場合は、ベテランの誰かに声をかけて、一緒に歩いて貰いなさい。

 皆さん、良いですよね?」

ブルックが3人にそう言ってからベテラン達を見る。

「ああ、問題ない。」

「あぁ、そうか、ここは地方領だったな。」

「そうだな、誰かしら一緒に居た方が良いな。」

「ええ、大丈夫ですよ。」

ベテラン達が頷く。

「どういう事ですか?」

ケイが聞いてくる。

「うん?身を守る為よ。

 エルヴィス伯爵軍は問題ないと思うんだけど・・・他の2伯爵軍は・・・

 たぶん、私達の事を知らない者達が多いと思うのよ。」

ブルックが考えながら言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 昔の欧州の戦争は陣地に商隊も来ましたが、夜の商売の女性も来てた訳で…(軍に追随するか勝手に寄り集まるかの差はあれど、ある程度大きな戦場だと洋の東西を問わず似たような状態だったでしょうが) こ…
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