第2361話 274日目 ゴドウィン伯爵邸に到着。(アリス達はマッタリです。)
何事もなく、日程が進み、武雄達は予定通りにエルヴィス伯爵邸を出立し、予定通りにゴドウィン伯爵邸に到着した。
その夕方のゴドウィン伯爵邸の玄関。
黒い箱の馬車・・・特殊コンテナ搭載馬車(個室・部屋・キッチンカー)が止まる。
「ん~・・・何事もなかったですね。」
「あ~・・・」
リュックを担いだ武雄とビエラが特殊コンテナ搭載馬車(個室)から出て来て伸びをしながら呟く。
「何も?・・・まぁ、所長にかかれば途中の野営の夕食時の狩りはいつも通りなんでしょうけど。
それよりも特殊コンテナ搭載馬車に故障が発生しなくて良かったです。」
特殊コンテナ搭載馬車(部屋)から降りて来たマイヤーが言う。
「所長、やっぱりあれですね。
3台分だと御者が6名、戦闘の騎馬が2名だと休める人数が少なくて疲れが溜まりますね。」
ベイノンが御者台から降りて言ってくる。
「まぁ、それも今回のみでしょう。
今年の終わりには王都に面接をしに行って10名は確保するつもりなんですし。
最大60名になるんですから、今度は特殊コンテナ搭載馬車(部屋)をどのくらい増やせるかを協議して行かないといけないでしょうね。」
アンダーセンが馬から降りて言ってくる。
「ま、ここまで無事に着いて良かったです。
今回作った馬車も問題なかったですしね。
私は個室の方で寝な・・・踏ん張っていましたけど、部屋の方はどうでしたか?
ローチ工房とハワース商会が力を合わせて作った、普段は壁に折り畳んでおき、展開時は棚、移動時には椅子にもなる板がありましたが。」
武雄が皆を見る。
「所長~、柔らかくて通気性が良いクッション作ってください。
お尻痛いですよぉ。」
ブルックが言ってくる。
新人の子供達も頷いている。
「それも今後の課題ですね。
問題点があるのならまとめておいてくださいね。」
武雄が皆に言う。
「「「いらっしゃいませ、キタミザト子爵様。」」」
玄関から執事とメイド達が出て来て挨拶をする。
「ええ、すみませんがよろしくお願いします。」
「ようこそお越しくださいました。
それと事前の手紙で今回はキタミザト様とミア様、ビエラ様、初雪様の大部屋が一部屋で良いと伺っていますが、本当によろしいのでしょうか?」
「ええ、他の人員は街中の宿で問題ありません。
マイヤーさん、緊急でなければ明日は1日休養です。
皆でのんびりしてください。」
「はい、了解しました。」
マイヤーが頷く。
「畏まりました。
事前のご連絡の通り、3台の馬車と他に馬が2頭ですね。
予約をしてありますので、うちの者がご案内いたします。
すぐ近くなので、乗り込まなくても問題ありません。」
「わかりました。
では、今日は解散で。」
武雄がマイヤー達に言う。
「はっ!所長に対し敬礼!直れ。」
号令の下、試験小隊の面々が武雄に挙手の敬礼をする。
「では、私共が先導をさせて頂きます。」
メイド2名がマイヤーの前に立つ。
「よろしくお願いします。
御者役の者は乗れ!他の者は私の下に集合、徒歩で移動する!馬も引いて歩くぞ。」
マイヤーが皆に言う。
「「「はっ!」」」
御者台から降りていた者はすぐに乗り、他の者はマイヤーの下に集まる。
「皆、お疲れ~。」
武雄が皆に言うとメイドを先頭にゆっくりと移動をして行くのだった。
「では、キタミザト様、お部屋にご案内いたします。」
執事が言う。
「はい、お願いします。
それと湯浴みをしてからゴドウィン伯爵方にご挨拶したいのですが、よろしいですか?」
「はい、ご用意が出来ています。」
「ありがとうございます。
ミア、ビエラ、初雪、湯浴みしますよ。」
「「はーい。」」
「わかりました。」
3人が答える。
「では、ご案内いたします。」
執事が先導して屋敷内に向かうのだった。
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エルヴィス家の客間。
エルヴィス爺さんとアリス、フレデリックがのんびりとしていた。
「お爺さま、準備は終わったのですか?」
アリスが聞く。
「大丈夫じゃよ。
明日の出立は問題ない。
足りなければフレッドの所で買えば良いのじゃよ。」
エルヴィス爺さんが言う。
「タケオ様もそんな事を言っていましたね。
そう言えば、タケオ様は今日、ゴドウィン伯爵領に着く予定でしたね。」
「何も連絡が無いという事は大丈夫という事じゃよ。
関に付けば、ミア団の鷲でやり取りが出来るからの。
早く連絡が付けるようになるじゃろう。」
エルヴィス爺さんが言う。
「そうですね。
・・・もう7月の29日ですか。
エイミー殿下にジェシーお姉様にと来客が多いですね。」
「うむ、あまりのんびりと出来ないの。
まぁ、わしはこの慣例の戦争が終われば、ゆっくり出来るのじゃが。
タケオはそのまま、魔王国にじゃからの。
それが終わらないとタケオはゆっくりと出来ないのぉ。」
「そうですね。
フレデリック、何か問題は発生していますか?」
「物価、治安等、問題は発生していません。
アリス様、キタミザト家および研究所はどうでしょうか?」
「ヴィクターが朝一で報告をしに来ていますが、問題ないようです。
あ、そうだ、それとスニーカーの第1弾が正式に販売になるそうです。
ラルフさんからご連絡がヴィクターにあったそうです。」
アリスが言う。
「ほぉ、それはタケオにも伝えておこうかの。
戻って来たら、買いに行くじゃろうしの。」
エルヴィス爺さんが言うのだった。
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