第2351話 買い物をしよう。(お土産は大事です。)
会談が終わり、ヴァレーリ達と武雄とヴィクターが屋敷外に出て行った後の客間。
「主、ヴァレーリ陛下方が屋敷外に出ました。」
フレデリックが客間に戻って来て報告をする。
「はぁ・・・疲れたの。
フレデリックも疲れたじゃろう。
座って話そうかの。」
「はい。」
フレデリックがソファに座る。
「中々に内容がありましたね。」
アリスが言う。
「はぁ・・・こちらに要請はしつつも、対価の用意と情報を置いていって頂けましたね。」
「そうじゃの。
・・・越境云々じゃが・・・それで村に被害が出てはいけないの。
編成どうするかの・・・東町の管轄が5村じゃからのぉ。
一番、越境してきた者が最初に訪れる可能性があるの。」
「お爺さま、最低でも3小隊を派遣して、10名ごとに駐在してはどうでしょうか?
何かあれば東町で対応した方が良いかもしれません。
東町なら多少人が来ても拘留出来る家があると思います。」
「うむ・・・騎士団1小隊に兵士が3小隊か4小隊にした方が良いかのぉ。」
「騎士団と兵士長と話し合って追加で派遣させましょうか。」
フレデリックが言う。
「うむ、そうじゃの。
それとタケオが言っていた奴隷契約条項の改正案と越境に関しての条項については、残る者に教育をしておいてくれるかの。」
「はい、徹底させます。
それと万が一の為に総務局より国内法を熟知している者も派遣させます。」
「うむ、そうじゃの。
東町の備蓄量を多めにしておいてくれるかの。」
「はい、そちらも検討と確認をして実施します。」
フレデリックが頷く。
「それにしても魔王国の国王にお爺さまもタケオ様も気に入られたようですね。」
「ふっ・・・タケオの功績じゃよ。
わしはついでだろうの。
じゃが、そう思ってくれるのはありがたいの。
今後ともそう思われるような堅実な施政をしないといけないの。」
「はい、で、お爺さま、慣例の戦争でかなり具体的な数が出てきましたが。」
「そうじゃの。
じゃが・・・前の情報より相当、良い方向に動いておる。
まさかヴァレーリ陛下以下5000名が顔見せ程度で関に移動するとはの・・・・
ヴァレーリ陛下はああ言っていたが、上手く調整してくれているという事だと思うの。
・・・はぁ、それでも我が方はかなりの不利じゃがの。」
「それは致し方ありません。」
エルヴィス爺さんの言葉にフレデリックが言う。
「一番の問題はオーガがどう使われるかですね。」
アリスが言う。
「ふむ・・・どうじゃろうの。
正面からフレッドの所に当てる、2手に分けてわしとロバートの所に当てる。
3手に分けて全領主に向けて当てる。
ロバートとわしのどちらかに当てる。
このぐらいしか思いつかんの。」
「そうですね・・・タケオ様がどうお考えになるかですかね。」
「うむ・・・対応方法はいくつか考えておかないといけないの。」
エルヴィス爺さんが考えながら言うのだった。
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ベッドフォードの青果店にて。
「今回の留守をしてくれている補佐官達の分と今後の個人用だから、えーっと・・・小樽で16個程頂けますか。」
「・・・はい、ありがとうございます。
木箱をご用意しますか?」
「はい、お願いします。」
アンナローロが店員相手に買い物をしている。
注文が終わった、ダニエラがその光景を見ている。
「で、ダニエラさん、これが本命でしょう?」
武雄がダニエラに聞く。
「いやいやいやいや、違うぞ?
エルヴィス伯爵殿とキタミザト殿に会いに来たのが本命だ。
これはついでだよ、ついで。」
「小樽を20個も買って?」
「まぁ・・・な。
これでも控えている方なんだぞ?
グローリア殿のあの悩んでいる姿を見よ、かなり渡す者の数を厳選しているのだろう?
我らも最低限にしているんだよ。」
「グローリア殿が誰に渡すんでしょうね?」
「仲間内だろう?
我が国の国内流通はしていないからな。
貴重なウスターソースとなるだろう。」
「・・・止めているの、ダニエラさんでしょう?」
「まぁ、我とレバントおば様しかないな。
キタミザト殿!足らないんだよ!」
「平気です、領内でも足らないと評判ですから安心してください。」
「まぁ・・・確かに、売り切っている感はあるな。
ちなみに今回買ったのは遠征分だ。
この量で乗り切って見せる。」
「?・・・前に納入した分はどうしたんですか?」
「我の日常分を取って、残りは料理長に売った。
いや~、良い小遣いになった。
来月も頼むな。」
「そこは平気です。
でも、あの量ならそれなりに食べていますよね?」
「ふむ・・・基本は王城内の料理に使っている。
それに中隊長以上の食事には追加でかけれるように一緒にも出しているらしいが・・・良く知らんな。
我は出された料理で味が足らないと思ったら追加でかけている程度だよ。
一応、転売はしていないと聞いている。」
「はぁ・・・そうなんですか。
納入した後の事までは責任を感じませんが・・・どこもかしこも欲しいと言ってくれるのはありがたいのですけどねぇ。
生産が直ぐに対応出来るという訳でもありませんし。」
「そうだな。
そこは今後に期待している。
さてと、グローリア殿、いい加減買おう。
あまりこの地に来れないのはわかるが、サッと買って次に行こう。」
ヴァレーリが言うのだった。
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