第2342話 調理中。(各々準備を開始しています。)
エルヴィス家の厨房。
「・・・やっぱりサラッとしていますね。
前のはもう少し粉が多かった感じですよね。」
武雄がかき揚げを揚げながら言う。
「だねー。
こっちが今までの中力粉のかき揚げ、こっちが魔王国産の薄力粉のかき揚げ・・・私はかき揚げうどんなら中力粉が良いかなぁ。
汁も染みて甘さが引き立つし。
逆に丼物なら薄力粉の方がサクサクっと食べれて良いかも。」
チビコノハが揚がったかき揚げを指さしながら言う。
「そうですね~、でも人それぞれですよ。
逆の組み合わせが好きな人もいるでしょうしね。」
「そだね~。
あれ?・・・タケオ、こっちに天ぷらの具材があるんだけど・・・」
「はい、用意出来る物を集めて貰いました。」
「そう・・・カボチャやソーセージはわかるんだけど・・・キャベツがあるよ?これも?」
「・・・揚げた事ないのでね・・・ダメなら今回のみとなります。」
「・・・んー・・・キャベツかぁ・・・塩かけて食べない?もしくは千切りで。」
「揚げ物にキャベツがあるのは野菜としても口直しとしても使えるからでしょうけど・・・
ある物を全部やってみて美味しかった物は採用で。」
「えー・・・えー?」
コノハが2度見したが首を傾げる。
「まぁ、確実に失敗する物も見受けられますが。
コノハ、挑戦ですよ!」
「・・・タケオが良いなら良いんだけど・・・良いんだけど・・・んんー・・・」
チビコノハが唸ってしまう。
「大丈夫!死にはしないから!」
「お腹を下す可能性はあるけどね!」
武雄とコノハが楽しそうに料理をするのだった。
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エルヴィス家の客間。
ビエラとクゥが将棋で対戦し、ミアが夕食まで寝ている。
アリスはというと。
シャコシャコシャコシャコシャコシャコシャコ・・・
削り節器で堅魚節を作っていた。
「ニャ~。」
タマがアリスの足に体を擦り付けながら甘えている。
「タマちゃん、気持ち良いのですけど、あげませんよ?」
「ニャ?・・・ニャ~。」
タマがアリスの注意勧告を受けて、さらに体を擦り付けながら甘えた声を出す。
「くっ!さらに強く擦り付けますか!
でも、ダメです、これはベルテさん達とスズネさん達に渡さなくてはならないのです。
依頼された量を作り終わって、残りがあったら渡してあげますから。」
「ニャ♪」
タマが嬉しそうに鳴く。
そしてアリスの足に体を擦り付けながら甘える。
「くっ!足に至福の感覚が!」
アリスが苦悩している。
「アリス、手まで削らないようにしてくださいね。
血まみれの堅魚節は料理に使えませんから。」
チビパナが言う。
「アリス、頑張れ!」
「きゅ!」
ビエラとクゥがアリスに言う。
「早く終わらせますかね。」
アリスがやる気になるのだった。
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ベルテ一家の家の客間。
「という訳で、コノちゃんから入手したうどん用の汁のレシピを作ろうと思います。」
ダキニがベルテ達の前で言う。
「「わー♪」」
ニルデとジルダが手を叩きながら聞いている。
「ちなみに今、アリスが堅魚節を作ってくれているようね。
私達は明日、タケオが届けてくれたら、すぐに汁を作って食べれるように段取りを確認しましょう。」
ウカが皆を前に言う。
「ウカ、その汁を明日作るというのはわかったわ。
その段取りをしないとと言うのもわかるわ。
で、うどんは明日作って問題ないの?
今から作った方が良いんじゃない?」
エンマが質問してくる。
「うん、今から作れば・・・明日の昼には食べられるね。」
ウカが頷く。
「なら、今から作っておこうよ。」
「そうだね、そうすれば明日の昼食が楽しみになるものね。」
エンマとフローラが言う。
「切りの良い所までする?
多分、捏ねて踏む所までしておけば、明日はかなり楽になるはずよ。」
ウカが言ってくる。
「やるやる。
ニルデもジルダも手伝いお願いね。」
エンマが2人に言うと。
「「はーい。」」
ニルデとジルダが楽しそうに返事をする。
「はぁ・・・皆、寝るの少し遅れるわよ?
覚悟しなさいね。」
ボーナが子供達に言うのだった。
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ステノ技研の厨房。
「「明日の為に!」」
鈴音とサリタがうどんを捏ねている。
「スズネもサリタも頑張れー。」
チビテトが2人を応援している。
「ふむ、タケオがスズネは明日の午前中はステノ技研での打ち合わせという事にしてくれたのか。
ゆっくりと出来るな。」
チビニオが言う。
「良いんですかね?」
テイラーがチビニオに聞く。
「タケオが良いと言えば、良いんだろう。
研究所の所長がいうのだ、少しくらい大丈夫だ。
それにタケオが来て、実際に打ち合わせもするだろう。
スズネが同席すれば良いだけだ。
スズネも出社して、またすぐに戻ってくるというのも面倒だろうしな。
そこは臨機応変に対応したと捉えれば良いだけだ。」
チビニオが言う。
「そういうものですかね。」
「そういう物だ。
で、テイラーは踏む役だな。
しっかりと踏むのだぞ。」
「わかっているよ。」
テイラーが頷くのだった。
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