第2339話 雑貨屋さんに挨拶に行こう。(まずはリスト化をお願いします。)
イーリーの雑貨屋。
「「「よろしくお願いします。」」」
店長と店員達が並んで頭を下げる。
「いえ、私の方こそ、よろしくお願いします。
場所もお貸しいただけるという事で。」
「はい、国内、領内の仕入れのまとめと販売はお任せください。」
店長が言う。
「はい、お願いします。
基本的にはうちの家令のヴィクターか、部下のアスセナさんが対応すると思います。
私はたまに来て、確認したりするだけです。」
「畏まりました。
さっそくですが、ヴィクター様より我が国から輸出出来る物のリストを作成するようにと言われています。」
「・・・ヴィクター、早いな。
そのリストが出来たらヴィクターに渡してくださいね。
魔王国側の商店に渡して欲しい物があれば注文を取るようにしますから。」
「わかりました。
どのような物が良いのでしょうか?」
「・・・ん~・・・あ、いえ、それはヴィクターとアスセナさんに判断させます。
現状でこの店から魔王国に輸出出来る品を書いてください。
その中から向こうに何を教えるのかを検討をします。
なので、輸出可能な物のリストをください。
何ならテンプル伯爵領とか王都にも聞いて良いですけど、品質は他国に輸出するので悪い物は扱わないようにしてください、今後の輸出品の評判にも関わりますからね。」
「わかりました、不確実な物はまだ書かないようにします。
それと他領の物で、まだ扱っていない商品は一度、取り寄せて私達で吟味してからリストに載せます。」
「はい、それでお願いします。」
武雄が頷く。
「それでキタミザト様、今日の御用は?」
「契約のお礼とパイプの葉をね。
戦争に行くので多めに欲しいのです。」
「わかりました。
いくら用意しましょうか。」
「えーっと・・・2か月分は欲しいので、2kgですかね。
足らなければ向こうで買えるのでしょうけど・・・5kgにします、多くて困りませんし。」
「・・・わかりました、準備します。
キタミザト様用に刻んで用意を。」
店長が頷き、店員に用意するように言う。
「それと先程ヴィクター様よりこの街の者からの注文品の受付を引き継ぎました。」
「・・・確か、小麦とか布でしたか?」
「はい、ヴィクター様の所に来ていた注文書を一旦私達で預かりました。
こちらからの注文については、毎月月末にまとめてヴィクター様に依頼をするという形になっています。」
「なるほどね、月初めに魔王国に依頼して輸出して貰うと。
で、キタミザト家で一旦代金を払い、購入した物をこの店が買い取ると。」
「はい、そのような流れになります。」
「向こうからの依頼も同じ流れですね?」
「そのように伺っています。
一度、これでしてみて不具合があるのなら修正していくという事になっています。」
「わかりました。
その流れは注文されている方々に説明しに行っていますか?」
「はい、皆さんへ説明に伺い、問題ないと回答を頂いております。
元々、時間がかかるとわかっていたので皆さん、特に何も言わずに了承してくれました。」
「そうですか。
・・・うん、上手くやってください。」
「はい、畏まりました。」
「この間、モニカさんが居ましたね。」
「はい、助言は皆さんに頂きました。」
「皆さん?・・・うちの協力工房に会ったのですね。」
「はい、皆さんに色々と相談をしまして、契約をさせて頂きました。」
「ま、大きくは売れはしないでしょうけど、見落としは無くして行ってください。」
「はい、それとこちらから向こうに売り込みをしたい場合はどうしましょうか?
カタログに載せても見向きもされないかもしれないので現物を少量お送りしたい場合も出て来ると思います。」
「その際はヴィクターやアスセナさんに言ってください。
出来れば説明書きも用意してね。
試供品なんで検討をお願いしますと書いておけば、先方も見てくれるでしょう。」
「わかりました。
なら、輸出入関係はこれで大丈夫・・・だと思います。」
店長が言う。
「はい、お願いします。
では、輸出入品以外で私に何かありますか?」
「そうですね・・・あ、キタミザト様、アリス様のご懐妊おめでとうございます。」
「はい、ありがとうございます。」
「子供用の物はどうされますか?
時間はかかりますが、国内の物は手に入ると思いますし、この領内の物も扱っています。」
「ん~・・・子供用品かぁ・・・
店長さん、何があるのかわからないので、輸出品とは別にリスト作ってくれますか?」
「リスト・・・ですか?」
「はい、服やベッド、玩具、本等々、育児に使う物で何があるのか。
全体像がわかりません。
例えば、このまま日にちが進んでしまうと、結局はここにある商品からしか買えません。
でも、違う地域にある物も見てみたいと思うんです、リストを見ながらアリスとワイワイ話し合って購入したいんです。」
「わかりました。
国内の西側は・・・ちょっと時間的にあれなので、まずは王都と魔王国側の2貴族領から取り寄せられる子供用の品をリスト化させて頂きます。」
店長が言う。
「お願いします。
パイプの葉が準備出来るまで・・・あ、そうだ、テンプル伯爵領からの魚や海藻の干物について相談なのですけど。」
武雄と店長はその後も話を続けるのだった。
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