表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2349/3640

第2333話 263日目 宿舎の1年生達とパットは。(賞金に釣られて皆がやっているようです。)

朝の宿舎の1階に降りる階段。


「ふわぁぁぁあ・・・」

ルークが欠伸をしながら降りてくる。

「あ!ルーク、おはよう。」

コートニーが挨拶してくる。

「おぅ・・・おはよう・・・」

「眠そうだね。」

「・・・眠そうではなく、眠いの・・・

 なんでコートニーは大丈夫なんだ?」

「あの後、すぐ寝たもん。」

「そうか・・・すぐ?湯浴みは?」

「した、した。

 それも含めてすぐ寝たよ。

 パパパーって。」

「はぁ・・・それで良いのか?女子として・・・」

「常在戦場よ!」

「ここは王立学院だよ。」

ルークが呆れながら言う。

「ふぁぁ・・・あ、おはよう、ルーク君、コートニー。」

仲間の女子生徒が階段を降りて来て言う。

「「おはよう。」」

「眠いねぇ・・・今日、1つ目なんだっけ?」

「経済だな。」

「あぁそうだった・・・寝るなぁ、確実に。」

女子生徒が眠そうな顔をさせながら言う。

「おはよう。

 3人共眠そう・・・コートニーは普段通りだな。

 2人共大丈夫か?」

仲間内の男子生徒がやって来て声をかける。

「「眠い。」」

「まぁ、怒られない程度に寝るしかないか。

 ノートは取っておくからな、写したければ夕食で何か1品で良いぞ。」

「それで頼む。」

「私もそれで~。

 あ、そろそろ行かないとね。」

4人が宿舎の玄関に向かう。

「それにしても村の案で良いのが出ないね。」

「農業にするか、何かしらの工房にするか・・・難しいなぁ。」

「うん、王都近郊にあるというのが難しさの一因だな。」

「わかっていたけど、王都は物がありすぎだよ。

 良く行く雑貨屋に聞いて見たけど、現在、不作も不足もないと・・・」

4人が歩きながら言う。

「ルーク、賞金欲しいよな。」

「欲しい・・・かなりの大金だしな。

 全員で分けても・・・良い金額が手元にやってくる。」

「まぁ、やるからには賞金目指したいけどね。

 ・・・王都で足らない物をと思ったけど足らない物がないというのが村作りの難しくしている所だよね。」

「小麦が足らないなら小麦畑を、野菜が足らないなら野菜畑、鍋とか武器が足らないなら鍛冶工房を・・・

 満ち足りている王都ではどれも後から作る必要は感じないよね。

 残るは全部が賄えている村か・・・」

「はぁ・・・だが、それでは普通の提案だ。

 この王立学院に誰しもがそう考えるだろう、それでは賞金まで届かない。」

「となると、一風変わっていて王都で足らない物が採用される・・・一体何が足らないのか。」

「「「そこだよね~。」」」

男子生徒の言葉にルーク、コートニー、女子生徒が言う。

皆が皆、賞金を狙いに行っているのだった。


------------------------

アズパール王の執務室。

アズパール王とオルコットが朝食後のティータイムをしていた。

「王立学院では混乱が始まったようです。」

「え?・・・不穏な?」

「いえ?・・・不穏ではありませんね。

 欲にまみれているようですが・・・王都の西にある村の公募の件です。」

「まだ募集をかけた段階だが?」

「採用されたら金貨10枚というのが効いているようです。

 王立学院の生徒達がこぞって参加をするようですよ。」

「ほぉ、見ものだな。

 で?」

「睡眠不足を起している生徒が多数見受けられるという報告がありました。」

「・・・ん~・・・それはいかんが・・・我々が規制するような事でもあるまい。

 教師陣達に注意するように言えば終わりだな。」

「はい、王立学院にはそのように連絡を入れます。

 ですが、王立学院の生徒からどういった提案がされるのでしょうね?」

「さてな・・・我々大人が思いもしなかった物が出てきたら良いがな。

 パットの様子はどうだ?」

「総監局から与えられている仕事を熟しながら、合間に村の構想をしているようではありますが・・・」

「ふむ・・・まだ何も相談に来ていないか。

 上手くまとまっているのなら良いのだがな。」

「はい、全てご自身の頭の中で考えているのでしょう。

 ですが、この手の提案を1人でとは・・・初めてでまとめきれないものと思います。

 なので、いつ相談に来ても良いように・・・総監局に相談をしに行くと考えております。」

「総監局?・・・経済局の方が担当のような気がするが?」

「はい、仕事柄会っているので気軽に話せるのではないかと考えております。

 それに相談に来ないのなら軽くでも進捗を聞き出そうと思います。」

「ん~・・・ある程度、好きにさせても良いと思うのだが・・・

 進捗ぐらいなら聞いておいた方が良いだろう。」

アズパール王が頷く。

「はい、誘導等はしないように聞き出すように言っておきます。

 あくまで進捗の確認が目的なので、過度の内容精査はしないようにとも言っておきます。」

オルコットが言う。

「あぁ、頼むな。

 寄宿舎の方はどうだ?」

「エイミー殿下とグレース殿下の2班で提案をするようです。」

「そうか、エイミーとスミスが一緒に考えるか。」

「堅実な案が出てきそうですね。」

「案として、それも間違いではないだろうがな・・・面白味はないか。」

「選考する方は奇抜なのが読みごたえはあるのは確かですね。」

アズパール王の呟きにオルコットが頷くのだった。




ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 王都近郊 条件後出しかい。 なんでも集まる王都の近郊なら、やっぱり行楽地としての催し物会場とかありよね。 王都で不足分の物作りとか、官僚でも無いと分からない事だし、実際作ったところで上手く…
[一言] >>教師陣達に注意するように 「陣」と「達」は二重表現かと思います
[一言] 今は封じられているけど元々は魔力溜まりがあって地脈的に魔力が濃い場所だから、魔力が濃いとよく育つ作物や家畜を育てるか、あるいは魔力を貯蔵するバッテリー的な魔道具を作れば、他にはない村ができる…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ